




【「今日の格言」と「漢字の読み方」】
湯飲み格言「二線ハウな、四線ハワセルな」
漢字の読み方「鎖す」(とざす):「くさりす」ではありません。
戸や門をしめて錠をおろす。開いている所をしめる。出入り口や通路をふさいで行き来できないようにする。
購買層が限られておりますので、出版してしばらくすると絶版になってしまいます。
ゆえに、ここでご紹介した棋書もすでに書店の店頭にはないかもしれません。
その点はご了承をお願いいたします。
著者:矢田直己 発行者:小川雄一
発行所:株式会社誠文堂新光社
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![]() 秘譜発掘 |
はしがき(要約)
古碁には雅びな風格があります。現代の碁にはコミがあり、持ち時間があって短距離競走のような忙しさがありますが、古碁にはマラソンのような息の長さを感じる人も多いのではないでしょうか。
むかしの人々は、名誉を賭けて碁を打ちました。時には賞金を伴う場合もあったでしょうが、それはごく一部だったと思われます。現代とは名誉と賞金の心理的な比率が異なり、対局の機会が少ないとなれば、名を惜しんで慎重に、ていねいに打ったことは想像にかたくありません。失着を恥とし、また他からきびしく批判された事情は「名」のありかたを物語ります。
本書に収められた古碁は、公刊されていない碁譜ばかりです。名手の碁ではなくとも、古碁特有の大らかさを満喫していただきましょう。たとえ名の知れていない碁士でも、ひたむきさが感じられるのは純粋に碁と向き合っているからにちがいありません
本書は平成13年から16年12月まで、「囲碁」誌に掲載された「秘譜発掘」を年代順にまとめています。
中澤隆、牛田裕大両氏の集めた碁譜を矢田直己九段が研究、解説し、相場一宏氏が史実を加えながら文章化しました。一局の碁を手順だけではなく、当時の状況に触れて江戸の囲碁文化に注目していただきたいのが関係者一同の願いです。
平成十六年冬
囲碁編集部
本書の特色
本書の特色は、はしがきにありますように、公刊されていない棋譜の紹介のみに止まらず、史実を加えて、当時の囲碁文化をうかがい知れるところであり、貴重な歴史資料にもなっている点であります。
そういう意味では、唯一無二の棋書といえるでしょう。
古碁ファンにとっては、たまらなく魅力的な棋書であります。
主な登場棋士を列挙いたします。
小川道的、本因坊道知、本因坊列元、坂口仙徳、安井仙知、中野知徳、長坂猪之助、四宮米蔵、本因坊元丈、葛野丈和、本因坊丈和、井上因碩、土屋秀和、太田雄蔵、安井算知、本因坊秀和、安田秀策、村瀬弥吉、海老沢健造。
黒:太田雄蔵、白:土屋秀和
天保九年(1838年)八月二十三日
先番:太田雄蔵、互先:土屋秀和
土屋秀和は、後の本因坊秀和です。
雄蔵は三十二歳、秀和は十九歳。両者の対局はこの年の三月から残されています。
ともに六段ですが、十一月には雄蔵が先先先に打ち込まれました。翌年暮には定先。以後、定先と先先先を往復しながら、百五十局近く残して江戸時代では算知に次ぐ対局数となっています。ともに早打ちで、一日に二局打ったこともあります。
本局は雄蔵が黒5の星打ちでした。秀和が天保八年から九年にかけて黒白問わず星打ちをしきりに試しているのを見て「それではひとつ打ってみるか」となったでしょう。雄蔵はこの碁の他にも二、三の星打ちがあります。
雄蔵の星打ち
実戦図:黒25まで

棋譜再生
実戦図:黒25まで
黒3のシマリが早いですね。江戸時代を感じます。
黒5の星打ちが当時としては、珍しいです。
江戸時代に何故、星打ちが少なかったのか?
よく分からないです。置碁で星に置いてあるので、置碁ではみな経験していますからね。不思議です。
白8の一間トビは面白い手です。
右下隅は定石なのでしょう。
黒25はゆるんでますね。普通にJ4と押していくか、H5とケイマに外すのが形です。
とはいえ、黒好調の序盤戦です。
シノギに自信の秀和
白26、28、黒29と下辺と左下隅のフリカワリです。
序盤でのフリカワリは珍しいです。
白30、32、34と我が道を行く戦法です。シノギに自信がないとなかなか打てないです。
黒37のハサミツケは打ち過ぎに見えます。
戦いは中央へ進んでいきますが、白62まで、黒は先番の利をしっかりと守っています。
形勢不明に
黒71で白を封鎖しました。白は眼を作らなければいけません。
黒75が温かったようです。81ハネダシ、67ハネ、もしくは、77スベリの方がよかったようです。
そして、黒83が評価値を下げました。
白92が好手で、このあたりで先番の利がなくなり、形勢不明となりました。
先手を取って黒125
黒107、109から味をツケて黒119まで左辺を荒らすことに成功しました。
しかし、ここまで白優勢です。
白122が評価値を下げました。
たぶん、白122が敗着でしょう。
黒は先手を取って黒125のコスミに回れました。
おそらく、この黒125が勝着でしょう。
敗着だ、勝着だといっても細かい勝負には違いありませんが、黒はこのリードをしっかりと守り切りました。
この碁は、205手まで打たれ、黒番の太田雄蔵の3目勝ちとなっております。
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返信削除「棋書の紹介その72(秘譜発掘)を拝見しました。(*^-^*)
返信削除Ounaさま、いつもコメントをありがとうございます。
(*- -)(*_ _)ペコリ