「人生を変えた一局」(囲碁人ブックス)囲碁・将棋チャンネル記憶の一局制作部
「人生を変えた一局」、石田芳夫
囲碁人ブックス マイナビ
この対局が打たれたのは、圧倒的に強かった第一人者の坂田栄男さんから林海峰さんがタイトルを獲って、若手が元気づいた、そういう時代でしたね。
少し前に、同じ木谷門下の16歳の武宮正樹二段が、ブロ十傑戦で並みいる九段の強豪を次々と倒して注目されました。
でも武宮さんは、木谷道場では加藤正夫さんと私に定先だったんです。
なぜ?と思いましたよ。
でも、そのおかげで、それまで下から見上げていた上との距離が近くなった。
それから加藤さんも本因坊リーグに入り、この対局の半年前に挑戦者になりました。
私としては、少し先輩なので負けていられない。私もできるはずだと思う。
自信を持てれば強みになる良い連鎖反応ですね。
木谷門下の上昇のスタートだったと思います。
石田芳夫
黒:石田芳夫、白:大平修三
今から54年前の対局です。変わった布石です。
白は右上隅に4手もかけております。
私には遅れているように感じますが、白10まで、実はそれほどでもないとのことでした。
大平先生としては、「ひとつ胸を貸してやろう」くらいの気持ちだったのかもしれません。
実利対大模様
黒の模様に対して、白は上辺に偏っています。
素人目に黒が良いように見えたのですが、白22までのAIの一手(無料のAIソフト)の評価値は、黒2.4目となっておりました。
この対局は、コミ4目半ですので現代の6目半と比べると、黒が2目も有利になっております。
ですから、この局面までほとんど互角ということなのです。
見た目にだまされないようにしないといけませんね。
広がる大模様
実戦図:黒29まで
棋譜再生
実戦図:黒29まで
石田芳夫先生の宇宙流です。
石田先生には三々というイメージが、私にはあったのですが、武宮先生ばりの大模様も打たれるのですね。
AIの一手の評価値は黒0.7目リードとなっております。
遂に突入白34
実戦図:白34まで
棋譜再生
実戦図:白34まで
大模様の碁は難しいです。
大平先生は、白34と消しに来ました。
AIの一手の評価は、黒が2目のリードとなっておりますので、ほとんど互角です。
しかし、私は、この後白がどう打てばよいのか、さっぱりでありますので、なるべく、このような大模様にならないような布石を心がけて打っております。
互角の形成
実戦図:白64まで
棋譜再生
実戦図:白64まで
白は弱い石を3つもかかえ、大変厳しいように思えましたが、まず、左辺を白64まで治まりました。
ここまで、AIの一手の評価値は、黒2.7目のリード。
私には、中央の白と右辺の白を上手にシノぐ自信はありません。
このような局面だとヨミと死活の力が必要になってきますので、AIやプロ棋士ならともかく、アマチュアには、なかなか打ちこなせないものです。
凌ぐ白
右辺の白、真ん中の白もなんとか生きたようです。
巧いものです。
白90までのAIの一手評価値は、黒3目のリードとなっております。
ヨセ勝負となりました。
様子見の解説
実戦図:白102(P4)まで
棋譜再生
実戦図:白102(P4)まで
「白96、98のヨセには逆らえないところ。白102は様子見です」と石田芳夫先生の解説であります。
実戦黒103の石田先生の参考図
実戦黒103の石田先生の参考図
「黒1と隅を生きると、白4まで白に生きられます。黒3で4でも、白3、黒a、白bと攻め合いの形にされ不満」と石田芳夫先生の解説があります。
この碁は175手まで打たれ、黒の石田芳夫先生の中押し勝ちとなっております。
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コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。