こんにちは。こんばんは。
ご訪問いただきありがとうございます。
管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ
今回は、「棋書の紹介その37(賭碁放浪記 懸賞打ち)」をご紹介いたします。
購買層が限られておりますので、出版してしばらくすると絶版になってしまいます。
ゆえに、ここでご紹介した棋書もすでに書店の店頭にはないかもしれません。
その点はご了承をお願いいたします。
著者:江崎誠到 株式会社双葉社
江崎誠到先生
棋書ではありません。これは小説です。
著者の江崎誠到(えさきまさのり)先生は、自身の戦争体験を題材にした「ルソンの谷間」という作品で直木賞を受賞されております。
江崎先生は、囲碁の愛好家としても知られ、囲碁の小説や囲碁のエッセイも書かれております。
また、本因坊戦の観戦記も執筆されていたとのことでありました。
囲碁は高段者の実力があり、文壇本因坊戦や文壇名人戦で活躍されたとのことです。
麻雀放浪記
今回ご紹介する「賭碁放浪記 懸賞打ち」は、1979年10月1日新装初版発行とありました。しかし、失礼ながら、私はまったく存じ上げませんでした。(注:初版は1972年3月15日)
まさに1979年当時は、父から手渡された「麻雀放浪記」に夢中になっていたころでした。
私は「麻雀放浪記」は何十回も読んでおります。暇があれば適当にページをめくってそこから読んだものです。これまで、群を抜いて数多く読んだ本が阿佐田哲也先生の「麻雀放浪記」でした。
阿佐田哲也先生と色川武大先生の本はすべて読んだものです。
私は今回初めてこの「賭碁放浪記 懸賞打ち」を読んだのですが、「麻雀放浪記 青春編」に勝るとも劣らない傑作小説でありました。
できることなら、麻雀放浪記に夢中になっていたあの時代に、いっしょにこの「賭碁放浪記 懸賞打ち」も読みたかったです。そう思うととても残念でなりません。
物語のあらすじ
物語の設定は、昭和の初期、九州が舞台となります。
久留米市にある歯医者で、碁好きの、二三六(ふみろく)先生の家に書生がいました。
その書生が主人公の謙介です。
謙介はプロ棋士となるための修行をしていましたが、あるとき騙されて賭碁を打ち、破門となります。
謙介は帰る家もなく、流れて、二三六先生の書生となりました。
そのあいだ、碁石を持つことは、いっさいありませんでした。
あるとき、謙介は、二三六先生の知り合いでもある名倉兵作と対局することになります。
名倉兵作は九州一円を旅から旅へ流れ歩く、その道では名の知れた賭碁師でした。
兵作は小目からのケイマかけからぐいぐいと押して、切るハメテを使います。
謙介がどこかでひとつでも間違えれば、そこでツブレとなる危険なハメテですが、正しく打てば、兵作がつぶれることになります。
院生くずれの謙介がこれを間違えることはなく、正しく打って賭碁師の名倉兵作に認められます。
それから兵作に伴って、謙介の賭碁師修行が始まるというストーリーです。
「麻雀放浪記」は面白かったね~。映画も良かったよ。
この「賭碁放浪記 懸賞打ち」も「麻雀放浪記」と並ぶ名作だと思うな~
黒:謙介、白:兵作
棋譜再生
「賭碁放浪記 懸賞打ち」より
兵作は、白28とハネ、飛びこみから、いよいよこの隅の黒石との攻めあいに持ちこんでいった。
だが謙介の応酬は確実だった。黒39となったとき、外側からつめるのは攻めあいが白負けなので、白40はやむをえない。
黒41のハネに、白42と応じたとき、謙介は間髪を入れず黒43と下からのぞいた。
一呼吸おいて、兵作は膝の上に両手を重ねると軽く頭を下げた。
「まいりました。」
兵作は、見物人の質問を無視するように、謙介に笑いかけた。
「お恥ずかしいことをして、ごめんなさい。」
「いいえ。」謙介の頬にも、微かな笑いが浮かんだ。
この碁は43手まで打たれ黒の中押し勝ちとなっております。
参考図
棋譜再生
投了図以降の手順を二三六先生他見物客のために謙介は、白1からサラサラと並べてみせました。
このシチョウのため白の投了はやむを得ないところでした。
(。・(エ)・。)ノ ↓ブログ村ランキング参加中
|
マイナビ 天頂の囲碁7 Zen(対応OS:その他) 目安在庫=△ |
基本布石事典(下巻)新版 星、小目、その他 [ 依田紀基 ] |
ヒカルの囲碁入門 ヒカルと初段になろう! [ 石倉昇 ] |
ひと目の詰碁 (マイナビ囲碁文庫) [ 趙治勲 ] |
FC2 ブログランキング |
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。