【「今日の格言」と「漢字の読み方」】
定石に関する格言「他の隅の配石に注意せよ」
漢字の読み方「疎ら」(まばら):「もっぱら」ではありません。
間があいて、ばらばらとあること。 物が少なくて、間がすいているさま。すきまのあいているさま。
囲碁用語(あ)
- 相ガカリ:お互いの向かい小目(ケンカ小目)に対して、双方が同形にカカる打ち方
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- 相ゴスミ:相手のコスんだ石と同じ方向にコスむ打ち方
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- 相碁(あいご):友人同士の碁。互先で棋力が同じくらいの場合が多い
- 相先(あいせん):互先。対等の手合のこと
- 相対(あいたい):互先のこと
- アオる(煽る):相手の石をアオりたてて攻めること。一般的にはケイマに打つ場合のことをいう
黒2のケイマ攻撃に白3と逃げた時、黒4とケイマでアオる
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- 明るい:棋理や筋、形に精通していること
- アキ三角:ダメの空いた三角の形をした石。愚形の代表
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- アキ隅:あいている隅のこと
- 悪碁(あくご):筋の悪い力碁。力の強い碁を畏敬の念を持って使うこともある
- 悪手(あくしゅ):悪い手の総称
- 悪力(あくりき):筋は悪いがヨミの力の強い碁
- アゲ石:盤上から取り去った相手の石。アゲハマ。ハマ。アゲ石は自分の碁笥のふたの中に入れておく
- アゲハマ:アゲ石のこと。ハマは浜。浜で拾ったハマグリが語源
- アゲる:相手の石をハマとして盤上から取り去ること。打ちあげる
- アゴ:相手の石のコスんでいる形のナナメ下。カド
黒1が白のアゴを突く手
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- 浅い:ヨミが浅いこと。踏み込みが浅いこと
- 味:直接には手にならないが周囲の条件が満たされた場合によっていろいろな手段が生じるような状態。囲碁の高級な考え方
- 足が遅い:ゆっくり歩をすすめること。足が遅い布石
- 足がかり:足場。相手の勢力圏へ打ち込むときの援軍
- 足が速い:布石などで多少部分に薄くても大場などにどんどん打って局面を早く展開させること
- 味消し:むやみに形を決めてしまい、せっかくの味を無くしてしまうこと
黒1が味消し。黒2のツケコシの味を自ら消す悪手
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- 味残り:ある程度戦果をおさめたうえ、まだ味を残していること
- 頭:一子または並んだ二子以上の石の中央方面の隣点
黒1が3目の頭
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- 頭ツケ:相手の石の頭へツケる手
黒1が頭ツケ
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- 頭を出す:相手が打てば自分が封鎖される場合、それにさきんじて中央へ飛び出す手
黒1が頭を出す
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- アタリ:相手の石を完全に囲んで取る一歩手前の状態のこと。次に相手が逃げ出さなければ石を取られることになる。アタリの状態にすることを「アタリをかける」「アテる」「アタリする」。アタリをかける手のことを「アテ」という
- 厚い:眼形や味に不安のないしっかりした形。外勢が強固で、周囲へ威力を発揮する形。形勢が良い方
- 厚み:外勢、壁
- アテ:相手の石をアタリすること。アテる
- アテ込み:相手のコスんでる形のツケてキリやアテを狙って圧迫する手
黒1がアテ込み
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- アテツケ:石の連続しているアテコミに対し、石が離れトビツケるような手で切りやアテ、連絡を狙う形
黒1がアテツケ
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- 跡目(あとめ):江戸時代、本因坊、安井、井上、林、の四家元は、存命中に相続人を定め幕府に届け出た。これが跡目で、許可されるとその年からお城碁を打った
- 甘い:不十分なこと
- アマして打つ:相手の注文どおりにいうことをきいて打っているように見えながら、いつのまにか優勢にする高等戦術
- アヤ:微妙な味や駆け引きの具合をふくんでいる状態
- 荒らす:相手の地を荒らすこと
囲碁用語(い)
- いい加減:お互いに満足している状態。相場
- 家元:徳川家康が碁打衆、将棋衆八人に禄を支給したことから家元が生まれた。江戸時代の家元は、本因坊、安井、井上、林の四家
- 生き:決して取られることがない石が生き。眼を二個以上有している石
- 勢い:結果はともかく、ここまでくればこう行くよりしかたない状態
- 生き形:今現在ははっきりと二眼はなくとも、いろいろと味があって生きることができると判断された形
- 囲碁:碁を打つこと。碁のこと
- 石:碁石。盤上に打たれた石
- 石の歩:石の運び。一手一手打っていく石に、みなそれぞれ関連性や必然性のあること。流れ
- 石の下:石の取り跡に手段ができること
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- 異筋(いすじ):筋違い
- 急ぐ:大場や好点を残して、現在ほかの場所で競り合っているとき、先手を取ってそこへ回ろうと急ぐこと。勝ちを急ぐこと
- 急がせる:相手にある地点に回るようせかすこと。そして自分は先手を取って目的の点を打つ
- 急がない:好点ではあるが、すぐ急いで打つ必要がないこと
- いたちの腹ヅケ:「二立ち(にたち)」がなまったものと言われている。相手の二つ並んだ石の横っ腹にツケる筋
いたちの腹ヅケ
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- 一眼(いちがん):眼がひとつあること
- 一合升(いちごうます):隅に出来る小さい升のような形
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- 1の一:四隅の盤端。隅角。絶隅
- 一方地(いっぽうち):一か所にだけ大きい地があること
- 一間(いっけん):一路へだてて真っすぐ打つ形。一間トビ、一間ジマリ、一間ガカリ、一間バサミ、一間ビラキ等々
- 一色碁:白石のみまたは黒石のみで打つ碁のこと。プロレベルの棋力がないと打つことはできない
- 一線:盤の端。第一線
- 一手:ひとつの着手。また、その着手の効果。使用例:「一手損した」「一手の価値がない」
- 一手コウ:本コウ
- 一手違い:攻め合いの手数が一手違うこと。勝つ方は一手勝ち。負ける方は一手負け
- 一手ばったり:一手で身動き出来なくなるような場合
白1のキリで黒は一手ばったり
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- 一手ヨセコウ:もう一手打つと本コウになるコウ。
- いっぱい:最大限に頑張って打つ手。いっぱいにヒラく。いっぱいにツメる。いっぱいに囲う
- 一方石(いっぽういし):他は安定して、ある一団だけが不安定な状態。一般にはそれをシノげば有利な場合に使う
- 一方碁(いっぽうご):互いに大きな地を囲い合う碁
- 一本道:変化の余地がなく、必然的に一定の経過をたどらざるをえないこと
- イナす:相手の鋭い攻撃を真っ向から受けず、軽くそらすこと
- 犬の顔:一間にトンでいる二つの石からケイマに打つ手
黒1が犬の顔
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- 芋筋:筋の悪いごつごつした碁
- 嫌な手:何を狙っているかちょっと見ただけでは判断できない不気味な手。本物でない、いやらしい手。味の悪い手
- 嫌味:なんとなく味の悪い形。使用例:ここが嫌味だ
- 院生:棋士の卵。入段(初段)でプロ棋士。ちなみに将棋は四段でプロ棋士
囲碁用語(う)
- 上ツケ:相手の石の上にツケる手
黒1が上ツケ、上ツケ定石
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- 浮き石:根拠のない石。治まってない石
- 受け:相手の攻撃的な手に対して守りを固める手。相手の能動的な働きかけに対して受動的に応接した手。ノゾキにツグ手など
- 薄い:眼形にとぼしく、相手に攻められると危ない形。全局的に見て、相手に圧迫されている形勢
- 薄み:一段の石の薄い所。弱点や欠点のある所
- ウソ手:本手に対する言葉。一見、本手に見えても相手に正しく応じられるか、欠点を突かれると、かえって損になる手
- 打ちあげ:アタリになっている相手の石の最後のダメを詰め、盤上から取り去ること。打ち切ること
- 打ち欠き:相手の石の接点へ捨て石を投じて石の連続に欠点を作る手。相手の眼をつぶす場合、追い落としにかける場合、打ち欠いてシボる場合など、よく用いられる
黒1が打ち欠き
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- 打ち掛け:休憩、宿泊、帰宅などで途中で勝負を一時中断すること。現在の公式手合は昼食のときに打ち欠け、二日制の場合は、封じ手をして、翌日に引き継ぐ
- 打ち切り:最後まで打ちきってしまうこと
- 打ち込み:相手の地、地模様へ深く侵入する手段。相手に勝ち越して手合いが手合割が修正されること
- 打ち過ぎ:強引過ぎ。突っ込み過ぎ。かせぎ過ぎ。やり過ぎること
- 打ち損なう:打ちたいところをまだ時期が早いと思っているうちに相手から打たれてしまい、損をすること。打ち惜しんでいるうちに打ち損なったという意味
- 打ち初め:年が明けて初めて碁を打つこと。日本棋院では、毎年1月15日に打ち初め式を行う
- 打ち継ぎ:打ち掛けにしてあった碁を再開すること
- 内ツケ:外ツケに対する内ツケ
白1が内ツケ、図は高目定石
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- 打ち得:先手で打てて味消しにも損にもならず、なんらかのプラスになる手のこと
- 打ちにくい:形も悪く、筋としても俗でいかにも打ちにくい手だが、打たなければ仕方がないようなときに「打ちにくい手だ」と表現する
- 打ち抜き:アタリになっている石を打って取り上げること。打ちあげも同じ
- 打ち回す:相手を自分の作戦どおり追従させ、先手を取って局面の要所要所へ先着すること
- 打ちようがない:打つ手がない。打つ手に窮する。打つ手に困った状態
- 打ち分け:勝敗が五分五分のこと。十勝十敗など
- ウッテガエシ:捨て石を投じて相手をダメヅマリにし、より大きな石を取ってしまう手段
黒1がウッテガエシ
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- 馬の顔:一間トビの両方の石から大ゲイマに打つ形。犬の顔より長いので馬の顔
黒1が馬の顔
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- 烏鷺(うろ):鳥(カラス)と鷺(サギ)。白と黒から転じて、碁のこと
- 上手(うわて):上位者。下手(したて)に対する言葉
囲碁用語(え)
- 奕(えき):奕は碁のことのみを意味する。「奕棋」「棊奕」「博奕」はみな碁のこと。奕は棋よりも古く、碁の原始形態の文字という説もある
- エグイ手:食べるとのどを刺激して感じが悪いような手
- エグリ:相手の急所を突いて根拠を荒らすきびしい手段を打ち込みの中でも、とくにエグリという
黒1、3がエグリの手段
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- 枝石:枝葉の石。捨てても惜しくない石のこと
白1が攻め合いに勝つ好手。黒×の二子が枝石。白aと枝石を取りに行くと本体が攻め合い負けてしまう
囲碁用語(お)
- 追い落とし:俗に「トントン」あるいは「バタバタ」ともいう。アタリアタリで追われて逃げられない状態。追い落としは打ち欠きの筋を利用することが多い
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- 追い込み:局面をリードされている方が後半からぐんぐん追い迫って行くこと
- 追いすぎ:相手の石を追いすぎて、息が切れたり、アマリ形になること
- 大きい碁:お互いに大模様を張り合ってそのまま確定地にしたり、お互いに大石を取り合うスケールの大きい碁。昇段をかけた大事な碁
- 大ゲイマ:ケイマ(小ゲイマ)より一路進んだ形。大ゲイマジマリ。大ゲイマがかり。大ゲイマビラキ
- 大ゴミ:大きいコミのこと。コミ無し碁から始めた棋士は、5目半のコミを大ゴミと評した。現代感覚なら7目半か
- 大ザル:大猿。大猿が手をのばして餌を取るように、第一線へ走る形
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- 大高目(おおたかもく):高目よりさらに一路高く打つ形。四線と六線の交点
- 大トンボ:星から両翼に大々ゲイマに展開した形
- 大場:大きいところ。布石の初期の敵味方への要所への着手
- 大ナカ小ナカ(おおなかこなか):大きいナカデと小さいナカデの攻め合いの状態。大ナカは4目ナカデ以上、小ナカは3目ナカデ以下をいう。小ナカはなかなか勝てない
小ナカの黒は攻め合いに勝てない
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- 大目はずし(おおもくはずし):目はずしより一路辺へ寄った着点。三線と六線の交点
- 大模様(おおもよう):まだ確定地ではないが、非常に大きな地になる可能性がある勢力圏
- 大ヨセ:終盤戦の初期に打たれる10目以上の大きいヨセ
- 岡目八目(おかめはちもく):第三者のほうが的確に判断できるという意味。岡目とは他人のしていることをはたから傍観していること。冷静だから当事者より物が良く見える。八目ぐらい先までよめるという意味
- 置き:相手の地の中、または形の急所へ単独に石を置く事。攻め合いの置き、ヨセの置きなど手筋の置きが多い
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- 置碁(おきご):石を置くハンディキャップ。二子から九子が一般的。目安として初段に九子局が9級
- 置碁定石:置石、すなわち星の石をめぐる定石。分かりやすく厚く打つことが多いので、互先定石と比較してやや甘い場合にいうこともある。
- 遅れる:相手の手に応じすぎて、大勢に遅れること
- オサエ:相手の進路を止める手。
ツケノビ定石より黒1がオサエ。
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- オサエ込み:相手の進路を止めて、局部へ封じ込めるる手。
黒1がオサエ込み。
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- オサエツケ:同じオサエでも上から下へ圧迫してオサエる手。
黒1がオサエツケ
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- 治まる:眼形を得て安定すること。また部分的な戦いが終わって一段落し、どちらも安定した状態になること
- 治まり形:完全ではないが、だいたい、眼形が得られそうで、急には不安のない形
- 押し:相手の石に接触してノビる手のこと
黒1が押し
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- 押し付け:押しと同じだが、とくに相手を圧迫し押す感じの手。押し出す、などもあるが、いずれも本来の形は押しである
- お城碁:徳川幕府が碁所制度とって以来、毎年一回、江戸城御黒書院においてお城碁を打つことを定めた。期日は享保のころより11月17日と定まった。お城碁に列挙できるのは各家元および届けずみの跡目相続人、七段以上の棋士、また大名、旗本や高家のなかの碁を良く打つものに限られた
- 鬼手(おにで):相手の意表を突いて、肺腑をえぐる鋭い手のこと。「きしゅ」とも読む
- オシツブシ:相手のダメヅマリを利用して生きる基本の筋
白6がオシツブシ。着手禁止点を利用した手筋
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- 押す手無し:じかに入っていけない形
白1が好手。黒は押す手なし
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- 斧の柄(おののえ):碁に見とれているうちに斧の柄が朽ちてしまったという故事から、碁のことをいう
- 重い:捨てるわけにもいかず、変化もしにくい、負担になりかねない石の姿。またそういう姿になるような着手を重いという
- オリる:サガると同じ
- オリオリ:サガリサガリと同じ。自分もサガリ、相手もサガる
- オリキリ:第一線にサガリキる手で特に効果のある場合に使う。一線にサガる筋のこと
- オワ:すでに勝敗の見通しががついているのに、実際にまだ打っているとき「碁はオワだ」と表現する
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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こんばんは ☆彡
返信削除「囲碁用語備忘録1(あ行)」を拝読しました。
馬の顔:犬の顔より長いので馬の顔
大ザル:大猿
囲碁用語はたくさんですが見ていて飽きません。
面白いですね。(*'▽')
削除Ounaさま、いつもコメントをありがとうございます。続編も制作中でございます。_(._.)_