第48期名人戦第2局2日目(2023年9月3日)

2023/09/03

01.タイトル戦

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芝野虎丸(名人)に井山裕太(王座)が挑戦する、第48期名人戦七番勝負の第2局が、2023年9月3日、鹿児島県霧島市「霧島神宮」で行われました。

井山さんは11連覇中だった本因坊のタイトルを一力さんに奪われ、昨年まで独占していた三大タイトル(名人、棋聖、本因坊)をすべて失いましたが、続く碁聖のタイトルは、一力さんにストレートで防衛を果たしました。

反撃に移る今期の名人戦七番勝負は、昨年名人位を奪われた芝野虎丸名人へのリターンマッチとなります。

井山さんには、併せて史上最多の4度目の名人位返り咲きと、趙治勲名誉名人に並ぶ最多タイの名人位通算9期の大記録がかかっております。

芝野さんは、今期、十段位を許家元さんから奪還し、現在二冠。前回の第1局は、自身7度目の七番勝負にして初めての先勝でした。この勢いに乗り名人位連覇を狙います。


対局場となる「霧島神宮」は、由緒ある歴史的な神社であり、本殿は国宝に指定されております。

昨年、国宝に指定されたのを記念して、今回の名人戦が開催されることとなりました。なお、この対局で使われる碁盤は、樹齢800年のご神木から作られているとのことです。

当神社のサイトにある「御由緒」には次のようにあります。

*御由緒(ごゆいしょ:物事の起こり)
霧島神宮は、天照大神(あまてらすおおみかみ)より

「豊あし原の千五百秋(ちいほあき:永遠の意)の瑞穂の国は是れ吾が子孫の王たるべき地なりよろしく爾皇孫就きて治せ行くませ宝祚のさええまむことまさにあめつちときわまり無かるべし」

との御神勅を戴いて、三種の神器と稲穂を捧持して、高千穂峰に天降りまして天壌無窮の皇基を建てられた日本の肇国の祖神、瓊瓊杵尊(ににぎみのみこと)を主祭神として奉斎しています。 また相殿に六柱の皇霊を配祀しております。

(注:御神勅(ごしんちょく)とは、天照大神(あまてらすおおみかみ)が瓊瓊杵尊(ににぎみのみこと)を葦原(あしはら)の中つ国に降くだす際に神宝とともに授けた言葉であります)

持ち時間は、各8時間。

1日目の消費時間は、芝野虎丸(黒)3時間35分、井山裕太(白)4時間7分でした。

先に実施した投票アンケート(応援しているのはどちら?)の結果をお知らせいたします。

投票総数:8票
芝野虎丸名人を応援:6票(75%)
井山裕太王座を応援:2票(25%)
でした。ご投票していただいた皆様、ありがとうございました。

それでは、2日目の対局を封じ手から見ていきましょう。


お昼のお弁当は、昨日に引き続き、霧島市などに数店舗構える人気料理店の「活魚旬彩 馬酔木(あしび)」よりお寿司を注文いたしました。

(お昼ごはん)

芝野さん

お寿司 春日、素麺のお吸い物、冷たい霧島茶

井山さん

お寿司 玄海、ハマグリのお吸い物、冷たい霧島茶

玄海の方が豪華です。
3時のおやつのショートケーキは、昨日に引き続き、鹿児島県霧島市の「霧島菓子処 森三」よりです。
明治42年創業の老舗で、鹿児島県内に7店舗営業しており、和菓子と洋菓子を取り扱っている人気店で、とてもおいしいと評判のお店です。

(3時のおやつ)

芝野さん
ショートケーキとブルーベリージュース(霧島天然水50%割)

井山さん

フルーツ盛りと冷たい珈琲
(パイナップル、グレープフルーツ、ブドウ、サクランボ、メロン、ミカン、ナシ、キウイ)

おやつも井山さんの方が豪華です。

黒:芝野虎丸、白:井山裕太

(左図):実戦図、白84まで、(右図):実戦図、白104まで
棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜再生
棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜再生

(左図):実戦図、白84まで

井山さんの封じ手は、白66でした。高尾先生と柳時熏先生が正解でした。

そして、井山さんは白82、84と本気で取りに行きました。これは大変なことになりました。

プロの碁で本気でトリカケに行くことはあまりありません。

格言でも「大石死せず」とあります。もしあっても、それは形勢が悪い方が仕掛けるものです。

ここまでの形勢は、井山さんの方が良いのですが、これが井山さんの棋風というものなのでしょうか。


(右図):実戦図、白104まで(注:百の位が表示されていません)

黒85から白104までは、一本道の進行のようです。

ここから、白の攻め、黒のシノギと大熱戦となりました。


虎丸名人の妖しいケイマ

(左図):実戦図、黒121まで、(右図):絶芸の白122の参考図
棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜解説(数字、記号入り)

(左図):実戦図、黒△の121まで

実戦の進行です。白の攻め、黒のシノギと一手も緩むことができない、大熱戦となりました。

芝野名人は、控え室の予想外の手を打ちました。それが、黒121(J14)です。

いろいろな含みがある妖しい手です。虎丸名人の妙手です。


(右図):絶芸の白122の参考図

次の白122を絶芸(最強のAI)は、白1から黒10まで示していました。かなり、難解ですがこれで、ほぼ互角の進行です。

絶芸は、真ん中の白4子を捨てる方向を示しました。


敗着は白122

(左図):実戦図、白122
棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜解説(数字、記号入り)

(左図):実戦図、白122

白122が敗着かもしれません。この時、井山さんは、秒を読まれていたような気がします。

また、直前の黒121がヨミ筋になかったのかもしれません。


(右図):実戦図、白154まで

劣勢になった井山さんは、それでも、あの手この手と強烈なパンチを繰り出しますが、優位にたってからの虎丸名人は、落ち着いて対応できたようです。

この碁は、183手まで打たれ、黒の中押し勝ちとなり、芝野虎丸名人が開幕2連勝と好スタートを切りました。

今後の井山さんの巻き返しが注目されるところになります。

次の第3局は、9月19日、20日に愛知県田原市「角上楼」で行われます。

楽しみですね。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

  • 最後までご覧いただきありがとうございました。
    よろしかったら、ご感想などをコメントでお聞かせください。



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