「人生を変えた一局」(囲碁人ブックス)囲碁・将棋チャンネル記憶の一局制作部
「人生を変えた一局」、張 栩
囲碁人ブックス マイナビ
張栩(チョウ ウ)さんは、記憶の一局に第35期棋聖戦第5局の井山裕太さんとの対局を選びました。
当時の井山さんは、まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」
2009年に名人、2010年名人連覇、2011年十段、天元、2012年本因坊、十段、天元、王座、碁聖の五冠とまさに快進撃を続けておりました。
張栩さんにとって最強の挑戦者といえます。
張栩さんは当時の囲碁界の第一人者の貫録を見せ、最強の挑戦者を退けたシリーズとなりました。
第35期棋聖戦第5局(2011年2月24日、25日)
黒:井山裕太(名人)、白:張栩(棋聖)
黒:井山裕太、白:張栩
実戦図:白38まで
棋譜再生
実戦図:白38まで
白20で、普通の定石である、白22、黒23、を決めてのC12(白24の上)に一間トビは、右上の一間シマリと相性が悪く、実戦の白20と工夫したくなったと張栩先生の解説があります。
「黒33まで先手で大きく生きられ、このあたりで黒が打ちやすくなりました」と張栩先生の解説があります。
AIの一手(無料のAIソフト)の白38までの評価は、黒3.7目リードでありました。
自然な一手に見える黒63
実戦図:黒63まで
棋譜再生
実戦図:黒63まで
白62に対して、黒63と白3子を捕獲しました。
誰でもこう打つと思いましたが、AIの一手(無料のAIソフト)は、黒63を悪手とし、B15へのスベリを推奨しました。
AIを疑いたくなりますね。
神の一手黒99
実戦図:黒99まで
棋譜再生
実戦図:黒99まで
「白72は上辺に地を確保しようという手。黒77に、隅を生きる自信はなく白78から上辺の白地を増やしましたが、黒地が大きく黒81まで盤面十数目の差」
「黒95から井山さんの一手一手のパンチが重く、黒99も良い手で、上に逃げてもそのまま死んでしまいそうです」
と張栩先生の解説であります。
AIの一手も黒99を神の一手と評価しました。
黒99までのAIの一手の評価は、盤面14目の黒リードであります。
秒読みの井山さん
実戦図:黒175まで
実戦図:黒175まで
「井山さんは早い段階から残り1分。幸いなことに僕は時間が残っており、読み切れませんでしたがおそらく白60が最善、白62に黒63は好手です」
「白64から66が工夫した手順です。逆転打を秘めていたのですが、さすがに井山さんのヨミはしっかりしており、黒67と最初から右側を捨てて黒75まで大きく生き」
「盤面10目で黒良し。もう逆転の芽はないと思った瞬間に・・」
と張栩先生の解説であります。
黒175までのAIの一手の評価は、黒3.5目リードですから、盤面10目はぴったしの形勢判断であります。
コウが発生
実戦図:白220まで
実戦図:白220まで
秒読みに追われ井山さんが小さなミスを続けます。
黒199までコウが発生しました。
コウ材がない黒は黒205とコウを解消します。
白112から下辺が勝負となりました。
「白220まで形が決まり、コウに白が勝てばセキ、黒が勝てば白取られという状況です」
と張栩先生の解説であります。
解説がないと状況も判断できない難解な戦いになっております。
実戦図:白318まで
実戦図:白318まで
「白246とコウを解消し、わずかに白よしかと思いました」とありましたが、AIの一手の評価は白0.6目リードとありました。
張栩先生の目算はズバリですね。
また、張栩先生の碁にはコウがよく発生します。
「白118の手どまりの1目に向かい激闘を制しました」
この碁は322手まで打たれ、白番の張栩棋聖の2目半勝ちとなっております。
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