購買層が限られておりますので、出版してしばらくすると絶版になってしまいます。
ゆえに、ここでご紹介した棋書もすでに書店の店頭にはないかもしれません。
その点はご了承をお願いいたします。
進級シリーズ2「置き去りの傷を探せ」
発行者:工藤紀夫 囲碁文庫 財団法人日本棋院
本書は、隠れた名著だと思っております。
私は、何度も熱心に繰り返し見た記憶があります。
進級シリーズとありますので、級位者向けの問題集となっております。
特に10級から5級くらいの方には、ぜひともお勧めしたい棋書であります。
すべて9路盤での問題となっており、全局面に2つの大きな傷がかくされております。
その傷を発見しましょうというのが本書の目的です。
これらの傷をすべて瞬時に見つけられるようになれば、優にネット碁棋力の初段はあるといえるでしょう。
私も、本書を読んでいた当時、本書のおかげでパンダネットの二段になれたと思っております。
本書より「序」
傷探しの考え方
テーマ図:黒番です
テーマ図:黒番です
黒さんに「傷」が見えなければ、ここで終局となります。
黒地は8目。
白地は19目とアゲハマ2目で、計21目。
白の13目勝ちとなります。
もしかしたら、現実にこのような終局が行われているかもしれませんね。
オイオトシの傷
右上隅には、オイオトシという大きな傷が残っていました。
白さんも、早急に手入れが必要な局面となっていたのです。
押す手無し
右下隅にも、大きな傷がありました。
黒1とサガる手がありますね。
白は、押す手無しです。
結果、右下白3目は、取られることになります。
前図の白5子取りより、こちらの方が、はるかに大きく、これならば黒の1目勝ちだったでしょう。
傷があっても、その傷を見逃したり、咎めそこなえば、傷はなかったも同然です。「傷を探す目」を本書にて養ってください。
我々アマチュアの碁は、多かれ少なかれ、このような「傷」の見逃しの連続だと思われます。
囲碁とは、お相手より先に「傷」を探し出すゲームともいえるかもしれません。
最善の手を選択
テーマ図:黒番です
テーマ図:黒番です
これは部分図ですが、黒番だとこの一手ですよね?
最終形のセキ
テーマ図より:黒1まで
テーマ図より:黒1まで
黒1でセキとなります。
セキですから、白地は0目と数えます。当然のこと黒地も0目です。
このままの形で終局となります。
「白aのオシツブシで、セキではないのではないか」
と思われた方は、いらっしゃいませんか?
おっしゃるとおり、オシツブシは成立いたします。
オシツブシできるが
テーマ図より:黒3まで
テーマ図より:黒3まで
白2のオシツブシには、黒3の強烈なパンチ繰り出されます。
オシツブシは大損
テーマ図より:黒5まで
テーマ図より:黒5まで
セキでお互いに0目であったのが、白地2目とアゲハマ2目で、白地は、計4目。
黒地4目とアゲハマ4目で、黒地は、計8目となり、白が4目の損となりますので、前図にしたがって、セキで終局するほうがオシツブシより有利であります。
アゲハマ1目の損
このセキについて、お取り扱いのご注意をしておきます。
黒には、先ほどの強烈なパンチがありますので、黒1、白2の交換は不要です。
これでセキがはっきりとし、お互いに0目となりますが、白はアゲハマがひとつ増えております。
黒1は、1目の損となります。
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コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。