本因坊秀策その7(松和)

2024/04/03

09.古碁を楽しむ

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こんにちは。こんばんは。

ご訪問いただきありがとうございます。

管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ

今回は、「本因坊秀策その7(松和)」をご紹介いたします。



本因坊秀策について

瀬越憲作先生のコメント

「秀策先生は、強力と読みの深さを奥深く蔵して、碁の複雑性を簡明にしている」


石田芳夫先生のコメント

「秀策先生の布石の骨子は、局面を簡明化し、先着の効を確実に維持させるところにある。これで勝てると見れば無理をせず、一番わかりやすい手を打つ」


李昌鎬(韓国の大棋士)のコメント

「私は一生かけても秀策先生には及ばないだろう」



瀬越憲作先生、石田芳夫先生のコメントにあるように

「碁の複雑性を簡明にしている」

勝てると見れば無理をせず、一番わかりやすい手を打つ

これが本因坊秀策の碁ではないかと思われます。

そうであれば、我々アマチュアとって最高のお手本となるのではないでしょうか。

本因坊秀策は「ヒカルの碁」の影響もあり、日本で特に有名な棋士のひとりとなりました。

これより、しばらく、本因坊秀策の碁を並べてみたいと思います。


黒:本因坊秀策、白:伊藤松和

実戦図:白8まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白8まで

黒:本因坊秀策、白:伊藤松和

お城碁、寛永三年、十一月十七日、十八日とあります。

寛永三年一月一日を西暦にすると1850年2月12日だとのことです。

ウィキペディアによると秀策のお誕生日は、文政12年5月5日(1829年6月6日)とあります。

計算が面倒ですが、現代の数え方で秀策21才ですか。

秀策のお城碁の第4局であります。

秀策のお城碁の成績は、19勝無敗ですが、この第4局が一番苦戦した局と言われております。

対する伊藤松和は、秀策より28才年長の同門の大先輩であります。

白4と空き隅を占めたので、秀策流にはできませんでした。

白8のボウシは、堂々とした気合の一手です。


好手、白12

実戦図:黒15まで


棋譜再生

実戦図:黒15まで

この白8のボウシに黒9のコスミ、白10のツケは、どうやら当時の定石のようです。

黒11は12とハネるのが当時の定石のようですが、秀策は黒11と変化しました。

白12の受けは良い手ですね。この手は覚えたい一手です。

黒11のカケを石田芳夫先生は「疑問手」とコメントされております。

そして、黒15から大斜定石が始まります。

大斜定石は江戸時代に開発され発展いたしました。


大斜定石の基本形

実戦図:白34まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白34まで

大斜定石の基本形の進行です。

白30で32が定石ですが、松和は白30の右下隅のシマリを優先いたしました。

この手にAIの一手(無料のAIソフト)は「素晴らしい一手」と評価いたしました。

石田芳夫先生は「松和の好判断であった」とコメントしております。

黒31は大場ですが一路遠慮しました。この手で32もあったと思います。

黒33に白34と受けましたが、その左上のカドの方が黒に迫っているように思えます。


白模様出現

実戦図:白40まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白40まで

私は黒35は全く気がつきませんでした。

打たれて見ると大きく見えました。

黒37、39の間に、白38、白40と白模様が形成されました。

ここまで、松和が2目ほど評価値を縮めておりますが、コミ無しなので黒が4目ほどリードの形勢であります。


白模様に突入する秀策

実戦図:黒51まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:黒51まで

白44のツケも現代風で機敏であります。

秀策は黒47、51と白模様に突入を図りました。

秀策の碁は、先番で簡明に打って勝つが信条ですので、黒47はすでに容易ならざる形勢と判断しているのでしょう。


一難去ってまた一難

実戦図:白66まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白66まで

黒53、55と秀策の好手の連打で、黒59とワタることができ、突入した黒一団は安全となりましたが、今度は左辺の黒7子が攻撃を受けることになりました。

白64、黒65の交換をして白66は気持ちのよいところです。

コミ無しでの形勢は、白66まで、黒が2目ほどのリードとなっております。


1回目のコウ争い

実戦図:白94まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白94まで

黒73から第一弾のコウ争いが始まります。

黒は93と右下隅で地を稼ぎ、白94のヌキと換わりました。


2回目のコウ争い

実戦図:白140まで


実戦図:白140まで

黒108から第二弾のコウ争いが始まります。

黒139をAIの一手(無料AIソフト)「敗着」△三目と評価しました。

「ただ度胸がいいだけで打てる手ではない。気迫の一手」と石田芳夫先生は評しております。

松和は秀策の気迫に押され、白140とコウを継続いたしました。

どうやら、ここはコウを解消するほうがよかったようです。


石田先生の参考図

石田芳夫先生の白140の参考図

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

石田芳夫先生の白140の参考図

このような大きなフリカワリの図を示されました。

プロの碁では、このような大きなフリカワリがよく現れます。

これで形勢は「極微」と石田先生は、評されておりました。


コウの決着

実戦図:黒253まで


実戦図:黒253まで

延々と続いたコウ争いですが、黒249と二眼を作って終わりました。

白250で4子を取りましたが、黒251のキリが手筋です。

白252に黒253のツケが、またまた手筋です。

この辺りでは、黒の勝ちは両者読み切っているようです。

この碁は、342手まで打たれ、黒番の本因坊秀策の3目勝ちとなっております。

この碁は、古来より名局とされおります。


蛇足の図

白252の参考図

棋譜解説図(数字、記号入り)

白252の参考図

本来は、白1と下からアテたいところなのですが、黒2と白のダメを詰めると、黒4の出が成立いたします。

取り切られていた黒4子が生還しては、オワですね。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

  • 最後までご覧いただきありがとうございました。
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