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第11期会津中央病院・女流立葵杯、第2局
上野愛咲美(女流立葵杯)に向井千瑛(六段)が挑戦する第11期会津中央病院・女流立葵杯三番勝負の第2局が6月16日に福島県会津若松市「今昔亭」で行われました。
上野愛咲美さんは、第9期(2022年)に藤沢里菜さんからこの女流立葵杯のタイトルを奪取し、昨年の第10期(2023年)は藤沢里菜さんのリベンジマッチを返り討ちにし、連破しております。
上野愛咲美さんは、今年も立派な成績を修めております。
第79期本因坊戦本戦1回戦で井山裕太(王座)と激突しております。
また、第2回爛柯杯にて、世界戦で優勝経験のある、謝爾豪九段を見事に破りベスト16に入っております。
絶好調の上野愛咲美さんに挑戦するのは、ベテランの向井千瑛さんです。
向井千瑛さんは、準決勝で上野梨紗(女流棋聖)を、挑戦者決定戦で牛栄子(扇興杯女流最強)を、破っての堂々の挑戦です。
若手タイトルホルダーのお二人に連勝はお見事です。
向井千瑛さんがタイトル戦に登場するのは、実に10年ぶりです。
今年も好調な上野愛咲美さんに対して、久しぶりの大舞台登場の向井千瑛さんが、どのような戦いを見せてくれるか注目の対局です。
【参考:昨年の女流立葵杯の記事】
第10期会津中央病院・女流立葵杯第1局(2022年6月17日)
上野愛咲美さんのご紹介
上野愛咲美さんは2001年生まれの現在22才。
5才のとき藤沢里菜さんのお父さんである藤澤一就(八段)が主宰する新宿こども囲碁教室にて本格的に囲碁を始めました。
16才3か月で、第21期女流棋聖戦において、当時5連覇を達成していた謝依旻さんを下し、初タイトルを獲得いたしました。
昨年の女流名人位を取ったことにより、女流タイトルである「棋聖・名人・本因坊・立葵杯・扇興杯」5つのタイトルを1期以上獲得し、史上3人目の女流タイトルのグランドスラムを達成いたしました。(過去に小林泉美さん、謝依旻さんのお二方)
上野愛咲美さんのニックネームは「ハンマー」です。
「ハンマーをふり回すような碁で相手を一発でつぶしてしまう」という意味だそうです。
ユニークな愛咲美さんは対局日の朝、縄跳びを777回飛んでゲンを担いでいるとのことです。
上野愛咲美さんは、おじいさんから勧められて4才のとき囲碁を覚えたとのことです。
向井 千瑛さんのご紹介
向井千瑛さんは1987年生まれの現在36才。
向井三姉妹の三女であり、姉に三村芳織(三段)、長島梢恵(三段)がいらっしゃいます。
ちなみに姉の三村芳織さんの旦那さまが三村智保先生であり、義理の兄となります。
向井千瑛さんは、小学校4年生のとき、少年少女囲碁大会小学生の部にて井山裕太さんに敗れ5位入賞。
小学校5年生のとき、またも、井山裕太さんに敗れ6位入賞。
小学校6年生のとき、少年少女囲碁大会小学生の部にて女子では3人目となる優勝をしております。
小学生の頃から大活躍ですね。
2008年の第11期女流棋聖戦がタイトル戦初登場となります。梅沢由香里(女流棋聖)に敗れはいたしましたが、当時の最年少挑戦者記録でありました。
2010年からは女流タイトル戦の挑戦者の常連となりましたが、当時、最強を誇った謝依旻さんに、ことごとく跳ね返されてしまい、まさに無冠の帝王でありました。
2013年9月に杉本明(八段)とご結婚され、その11月に行われた第32期女流本因坊戦にて、当時6連覇中だった謝依旻さんを破り、タイトルに挑戦すること7回目にて(うち6回は謝依旻さん)、念願の初タイトルに輝きました。
タイトル戦への登場は、それ以来となります。
アンケート総得票は6票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
得票総数:6票
上野愛咲美さんを応援:2票(33.3%)
向井 千瑛さんを応援:3票(50.0%)
どちらもがんばれ!!:1票(16.7%)
ご投票をしていただいた皆さま、ありがとうございました。
投票数がもっともっと増えるよう、これからも努力いたしますので、今後とも応援のほど、よろしくお願いいたします。
黒:上野愛咲美、白:向井千瑛
後援:毎日新聞社
協賛:一般財団法人温知会
優勝賞金:700万
持時間:各3時間、秒読み残り5分前より
3時間は、世界戦の標準の持ち時間であります。
2024年6月16日、福島県会津若松市「今昔亭」にて
第11期会津中央病院・女流立葵杯第11期 会津中央病院・女流立葵杯第2局
黒:上野愛咲美(女流立葵杯)、白:向井千瑛(六段)
シチョウアタリの攻防
実戦図:白28まで
棋譜再生
実戦図:白28まで
黒3とタスキ型に構えました。
今日の上野愛咲美さんは、積極的に動いています。
向井千瑛さんも白8の三々入りと昨日とは、打って変わって、現代流の序盤となりました。
白22のツケは、シチョウアタリです。絶芸先生とぴったし一致の一手であります。
白28が絶芸(最強のAI)の評価値を37%下げました。
シチョウを逃げ出し
白28の絶芸の参考図
白28の絶芸の参考図
絶芸先生は実戦の白28で、上図の白1からの動き出しを示しました。
シチョウアタリを打っているので、趣旨貫徹の暴れっぷりです。
このようにシチョウ関係がある、左下隅の定石などは、私には使いこなせません。
この絶芸の参考図で、白66.7%の評価値でありました。
評価値を下げたコウツギ
実戦図:黒35まで
棋譜再生
実戦図:黒35まで
黒33のアタリに対して、白22とコウをツギましたが、ここは素直に黒15の石を取った方がよかったようです。
黒35までの評価値は、黒93%となり、黒が少し打ちやすい形勢となりました。
大暴れの上野さん
黒43、黒55、黒59、黒63、黒65、黒79と上野さんがひとりで大暴れしているように見えます。
下辺から中央に出来た黒模様の消し具合が、焦点となりました。
向井さんはタイトル戦の修羅場を幾度も経験していらっしゃいますので、このような勝負所で、実力を発揮されるのではないかと期待しております。
勝負手成功、形勢不明に
向井さんは白108と深く踏み込みました。
勝負手です。
ところで、野球でもサッカーでも相撲でも、生中継の試合を垂れ流ししているメディアは存在しません。
動きのあるスポーツでさえ、何かしら工夫をして、試合を分かりやすく伝えようとしているのに対して、囲碁は静のゲームです。
何の工夫もなく、対局の様子を生中継して、何を視聴者に伝えようとしているのでしょうか?
この勝負所をリアルに、視聴者に解説することはありませんでした。
録画映像のように局面が進んだあとから、この勝負所を解説をしていました。
とてもとても残念です。
白108までの絶芸の評価値は、黒62.7%となり、形勢不明の半目勝負となりました。
この碁は、185手まで打たれ、黒番の上野愛咲美さんの中押し勝ちとなっております。
上野愛咲美さん、女流立葵杯三連覇、おめでとうございます。
向井千瑛さん、おつかれさまでした。
この対局は勝負所が、素人にも分かりやすく、観るものを熱くさせてくれました。
対局者が熟慮している間に、視聴者もいっしょに考えられるような、分かりやすい解説があったら、もっと、楽しめたのにという思いが残り、残念でした。
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