1939年9月鎌倉「建長寺」にて
黒:木谷実、白:呉清源
第1図
黒13は木谷流です。普通は黒イと打ちそうですが、木谷先生はイは嫌いとのことでした。
黒17に依田先生はびっくりしていました。普通は黒ロか黒ハだろうと解説がありましたが素人感覚でも黒ロか黒ハであります。
黒21では、呉清源先生は、黒ニを示していました。続いて白ホ、黒へ、白ト、黒チまで。呉清源先生が示す石の運びは軽やかです。
第2図
白28から動き始めました。これには私がびっくりしました。黒23に手抜いたので捨て気味に打つのかと思ってました。
黒37に手抜きで、白38はカッコイイ。
依田先生は白52(ロ)では、白イ、黒ロ、白ハ、黒ニ、で間に合わせ、他の大場へ向かうとのことでした。
黒53は私は小さく感じるのですが気のせいでしょうか。
第3図
黒57、黒59と力強いです。よほどのヨミがないと怖くて打てません。
ここから先は私には解説不能です。まさしく、死闘って感じがします。
総譜を外部リンクいたしますのでそちらで終局までご確認ください。
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以下は、読売新聞オンラインの呉清源師の生涯の1局その三(1)打ち込み十番碁の出発点
寄稿連載 2009/11/10読売新聞掲載より抜粋です。
昭和14年春、私は七段に昇段し、ふたたび木谷実さんと肩を並べることになりました。2人が若くて有望ということで、読売新聞社が「打ち込み十番碁」を企画してくれました。
第1局の対局場は鎌倉の建長寺。四番手直りの打ち込み制、つまりどちらかが四番勝ち越すと相手は格下の手合割りになるもので、まさに真剣勝負、緊張と恐怖をひしひしと感じました。
本局は二転三転して幸運にも私が2目勝たせていただきました。
対局中、木谷さんが鼻血を出し、大騒ぎとなる一幕もありました。
以降、約20年にわたり私が打った「打ち込み十番碁」の出発点が本局で、思えば感慨ひとしおです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
(。・(エ)・。)ノ
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