無コウの局(高川格、藤沢秀行)

2023/07/16

06.名局鑑賞

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こんにちは。こんばんは。

ご訪問いただきありがとうございます。

管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ

今回は、「無コウの局(高川格、藤沢秀行)」をご紹介いたします。



*3局終了後の秀行先生に対するコメント
高川先生は、それまで、本因坊のタイトルを8年間守り通してきました。
そして、9年目の挑戦者が藤沢秀行先生です。
今回、ご紹介するのは、高川1勝、藤沢2勝で迎えた七番勝負の第4局です。
3局終了後の高川先生の秀行先生に対するコメントです。
「難しい所でもポンポンと打ってこられるのに参った。才能が違う、と思い知らされているようです。」

藤沢秀行vs本因坊秀格


黒:藤沢秀行(八段) 白:本因坊秀格(九段) 1960年5月(コミ:4目半)
棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜解説(数字、記号入り)

ボウシの高川

(左図)

白30,32と下から攻めてきましたが、それこそ、高川先生なら33とボウシが似合うのではないでしょうか。
白36に対して、黒37。そして、黒39,41,43とベタベタとツケて行きました。
このような手は、深いヨミあってのものなので、私には全く思い浮かばないところであります。

黒89にて優勢

(右図)

白54,56と後手をひくのは、現代の感覚ではあまり良くないのではないかと思います。
黒77は、カッコイイです。黒89に回って、黒優勢のとのことです。

棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜解説(数字、記号入り)

(左図)

白112(P8)と受けて、問題のコウが始まります。


無コウの局

(右図)

白122(S4)のコウダテに、秀行先生は、ノータイムで黒123(R4)と応じました。

*そのときの様子
黒123とツイでから気が付いた、藤沢が、
「なんだ、無コウじゃないか」と大声を出したが、
高川は「ああそうか」と平然としたものだったという。

これが、「世紀の大ポカ」(ひどい言われようですね。)、「無コウの局」として歴史に残ることとなりました。
高川先生は、合理的で大局観に明るい棋風。
全局を見た厚い手を好み、「ボウシの高川」、「一間の高川」などと言われてました。
アマチュアの棋譜並べに最適な棋士のおひとりとなります。
また、「タヌキ」というあだ名もありました。

棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜解説(数字、記号入り)

(左図)
黒1とツイでしまえばそれまででした。黒5で断点を作り、黒一手勝ちです。

(右図)
白4とツイでも同じです。黒一手勝ちです。

毎日新聞の観戦記

毎日新聞の観戦記より
この失着に気がつかなければ、むしろよかったのに、気がついたとたん、藤沢八段はくさり出した。
「どうかしている」
「頭へ来た、クサった」
「何て碁だ」
「バカな」
「みっともない」
ありとあらゆる罵言(ばげん)を自分に浴びせる。口先の三味線でないから始末が悪い。
この黒123までならまだ負けはないのに、自分で自分を泥沼に引きずり込むような失着を重ねるのである。

失着そして敗着へ

秀行先生は、黒143、黒153と普段では考えられないような失着を続けます。
そして、黒183、185が敗着となりました。
この碁は、255手まで打たれ、白の2目半勝ちとなっております。
無コウが通用するなどプロの碁では滅多にないことなので、勝負の世界にもしもはありませんが、もしも本局を秀行先生が勝っていれば、本因坊のタイトルを取っていたかもしれません。

総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。

つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。

最後までご覧いただきありがとうございました。
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