置き碁の達人の域
依田先生の以前のブログ(2010年頃で現在はそのブログはありませんでした)で、次のような記述があったことを記憶しております。
「院生を相手に、毎日のように一番手直りを打っていた。」
「当時の自分は、本来の実力差よりも、3子くらい余計に多く置かせて打っていた。」
「その能力というのは、本当の碁の力とは別の何かである。」
ニュアンス的にはこのようなことをおっしゃられておりました。
これを知ると依田先生の若かりし日の置き碁の棋譜を見てみたくなるのが人情というものであります。
実戦、4子局
黒:麻布高校 囲碁部員の高校2年生 16歳 白:依田紀基 五段 17歳 4子局。
これは、1984年囲碁クラブ1月号の記事です。麻布高校はこの年の夏の全国大会優勝校であります。
当時、院生相手に6子、7子と打ち込んでいた依田先生ですから、この4子局はそもそも手合違いなのかもしれません。
黒の高校生は、普段のプロによる指導碁では4子局だったそうですが、依田先生には、指導碁のつもりはまったくなく、編集者につぶしても良いと言われていたので、やる気満々だったそうです。
写真を見ると17才の依田少年はとても痩せています。眼光は鋭く、まるで獲物を狙う豹のようであります。
依田先生の解説
白21は依田先生の変化球です。直球だと白29のカタツキです。
解説では黒30がヌルく黒35と一本突き出してから30に戻るとの事です。白37まで白の厚みが一本取ったようですが、4子局ですからまだまだこれからです。
依田先生の解説では、黒44ではG15と馬の顔にかまえて、白に受けさせ、上辺を削減してから黒44と打ち込むべきとのこと。
依田先生は白57と仕掛けました。白63のキリに対して黒64が方向違いだそうです。64では65からアテて出て隅を大きくまとめる方が良いとの事です。白67のサンサンへの打ち込みは厳しかったです。
黒74、76は、この一手だそうです。黒80が良い手だったそうで、さすがにこのへんは全国大会優勝校の囲碁部員。アマ5段です。
黒94まで無事に一段落しました。黒96も好手との事です。
黒108は、依田先生が局後にほめた一手でした。厚い手との事です。
敗着は黒148
白133は、少し無理気味の手らしいですが、妖しい手です。私は、上手にこのような妖しい手を打たれると対処に苦しみます。
白145まで、右辺の白は安心しました。黒148が敗着との事。見るからに愚形です。黒は、白はG9とつなぐ一手と思っていたとの事。
なるほど。自分にもよくある「かってヨミ」ってやつです。同レベル以下であれば、ツナぐのでしょうが、お相手は依田先生ですから当然反撃してきます。白149、151と力強く分断されてしまいました。白157となっては、碁は終わりです。
高校生は、よほど悔しかったのでしょう。なおも、もがき続けましたが、たまらず、囲碁部の顧問の先生が声をかけ、白183で黒の投了となりました。
黒148では普通に149とツイでいれば、ヨセ勝負との事です。
しかし、置き碁でのヨセ勝負というのは、すでに白勝勢なのでしょう。
総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
つぶや棋譜2 Viewer左上にある自動再生にチェックで再生致します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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