本因坊秀策その12(秀和3)

2024/07/12

09.古碁を楽しむ

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こんにちは。こんばんは。

ご訪問いただきありがとうございます。

管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ

今回は、「本因坊秀策その12(秀和3)」をご紹介いたします。



本因坊秀策について

瀬越憲作先生のコメント

「秀策先生は、強力と読みの深さを奥深く蔵して、碁の複雑性を簡明にしている」


石田芳夫先生のコメント

「秀策先生の布石の骨子は、局面を簡明化し、先着の効を確実に維持させるところにある。これで勝てると見れば無理をせず、一番わかりやすい手を打つ」


李昌鎬(韓国の大棋士)のコメント

「私は一生かけても秀策先生には及ばないだろう」



瀬越憲作先生、石田芳夫先生のコメントにあるように

「碁の複雑性を簡明にしている」

勝てると見れば無理をせず、一番わかりやすい手を打つ

これが本因坊秀策の碁ではないかと思われます。

そうであれば、我々アマチュアとって最高のお手本となるのではないでしょうか。

本因坊秀策は「ヒカルの碁」の影響もあり、日本で特に有名な棋士のひとりとなりました。

これより、しばらく、本因坊秀策の碁を並べてみたいと思います。


黒:秀策、白:秀和

黒:本因坊秀策(六段)。白:本因坊秀和(八段)

1851年10月22日、阿部甚三郎邸にて

秀策のお誕生日は、1829年6月6日(文政12年5月5日)とありましたから、時に秀策22才であります。

秀策は、師の秀和に対して白を持つことは一度もありませんでした。

ところで、この棋譜は「ヒカルとアキラの初対局(ヒカルの碁より)」で、すでにご紹介済なのですが、有名な名局でありますので、この「本因坊秀策シリーズ」に加えたく、再度の登場となりました。


秀策流とは

実戦図:黒7まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:黒7まで

黒1、3、5の小目の構えが「秀策流」という名称で呼ばれています。

白4で左下隅を占められたら、黒4とシマリます。

とても分かりやすい黒の布石でありますので、実戦投入しやすいのです。

私も黒番で一時期、秀策流を打ち続けました。


美しい布石

実戦図:白12まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白12まで

黒9とかけて、右上隅をバックに黒11とハサミ、白6にプレッシャーをかけます。

現代棋士は、このような打ち方をしなくなりましたが、昭和、平成の時代までは、主力級の打ち方でしたから、アマチュアの我々が使用するには何も問題はありません。

白は調子で12と大斜にかけます。

ここまで、とても美しい手順です。

白12は、その1路下にハサむのも当然あります。


大斜定石

実戦図:黒27まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:黒27まで

右下隅、黒13のツケに白14にワリコミ、黒15のアテに白ツギ。

白18のアテに黒ノビ、白20と「大斜定石(たいしゃじょうせき)」であります。

この大斜定石は、江戸時代に研究、発展いたしました。

私は、定石の中でも、この大斜定石をとくにカッコよく感じ、いろいろと研究したことがあります。(すべて忘れてしまいましたが・・)

黒21のハネは当時の定石のようです。


下辺の取りは本手

実戦図:白44まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白44まで

右下の大斜定石の戦いが終わり、白44と右辺を消しに行きましたが、ここは下辺の黒2子を取り切る方が大きかったようです。

アマチュアであれば、喜んで取りそうです。


形がよい白

実戦図:白50まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白50まで

黒が45、47とここを助けたことにより、黒が一本とった形になりました。

しかし、白も50と形を整え、右辺の黒8子が心細くなってしまいました。


秀和の構想

実戦図:白66まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白66まで

白58から62まで、秀和は、右下隅を捨てる構想です。

秀策は、黒63、65と手をかけ、右下隅に40目もの黒地を確定させましたが、手をかけすぎたとも見て取れます。

白66となっては、白がうまくサバいたとも取れます。

この秀和の形勢判断は、すばらしいと思いました。


白72のカタツキ

実戦図:白74まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白74まで

白70の一間シマリに対して、上辺を消しに行く前に、いったん、黒71と弱い石を補強する打ち方は、アマチュアは参考にすべきだと思います。

また、秀和の白72のカタツキも現代風で、秀和の実力を知ることができます。


突入する秀策

実戦図:白102まで


実戦図:白102まで

秀策は、上辺を黒75と消しに行きましたが、白76のボウシがぴったしでした。

黒75は、その1路下(H14)の方がよかったかもしれません。

黒101と手順をつくして生きることはできましたが、白102にまわり、形勢は接近しております。


手抜かれた白108

実戦図:白164まで


実戦図:白164まで

白108のハネが敗着かもしれません。上図のようにずっと手抜かれてしまいました。

秀策は、次の165手でやっと押さえましたが、私であれば黒109で即押さえると思います。

プロ棋士との大きな差を痛感いたしますね。

この碁は227手まで打たれ、黒番の本因坊秀策の4目勝ちとなっております。

コミのない当時、秀策の黒番を負かすことは、ほぼほぼ不可能だったようです。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

  • 最後までご覧いただきありがとうございました。
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