瀬越憲作先生のコメント
「秀策先生は、強力と読みの深さを奥深く蔵して、碁の複雑性を簡明にしている」
石田芳夫先生のコメント
「秀策先生の布石の骨子は、局面を簡明化し、先着の効を確実に維持させるところにある。これで勝てると見れば無理をせず、一番わかりやすい手を打つ」
李昌鎬(韓国の大棋士)のコメント
「私は一生かけても秀策先生には及ばないだろう」
瀬越憲作先生、石田芳夫先生のコメントにあるように
「碁の複雑性を簡明にしている」
「勝てると見れば無理をせず、一番わかりやすい手を打つ」
これが本因坊秀策の碁ではないかと思われます。
そうであれば、我々アマチュアとって最高のお手本となるのではないでしょうか。
本因坊秀策は「ヒカルの碁」の影響もあり、日本で特に有名な棋士のひとりとなりました。
これより、しばらく、本因坊秀策の碁を並べてみたいと思います。
黒:本因坊秀策、白:太田雄蔵
黒:本因坊秀策、白:太田雄蔵
嘉永二年十月八日、於田村松斎宅、先相先の秀策が黒番です。
嘉永二年一月一日を西暦にすると、1849年1月24日だとのことです。
ウィキペディアによると秀策のお誕生日は、文政12年5月5日(1829年6月6日)とありますので、現在の数え方だと20才となります。
太田雄藏は天保四傑の一人で、秀策より22才年長であります。
雄藏は、秀策が13才2子局から手合を行っておりますので、秀策にとって第2の師匠ともいえるかもしれません、
嘉永元年に秀策は六段に昇り、雄藏と同段になりましたが、手合は先相先を抜けませんでした。
この局は、互先へ手直りをかけた大一番であります。
秀策のハサミ
秀策流ではなく、この局は、黒5のハサミを選択しました。
白6のカケはAI推奨の定石です。
白12、黒13では、空いている左下隅を占めるのが現代の常識となっております。
堂々の布石
手順はおいといて、白20まで両者堂々の布石です。
現代碁といっても分からないかと思います。
コミ無し碁ですから、形勢は現代のコミ分、黒がリードであります。
白に不満の無い布石
左上隅で小競り合いを、先手を取って白38に廻り、白に不満の無い進行と思えます。
右下隅の定石をAIが推奨する理由のひとつに、この状態で白3子が「けっこう強い石」で攻めがあまり利かないというのがあります。
見向きもしない雄藏
黒41はあまり見ない手です。
私であれば、すぐにハザマを突きたくなるのですが。
雄藏は黒41に見向きもせずに白42から調子で下辺を白地にします。
白62はその上をハネても良いような気がします。
秀策は黒63から右下の白を攻める算段です。
打ちまわす雄蔵
雄蔵は、サバキの白64ですが、ここはすなおに76ツギの方がよかったようです。
秀策も黒69では、76のキリの方がよかったようです。
結局、白が76のツギに廻り、白78までのAIの一手(無料のAIソフト)の評価値は、互角となっており、白の雄藏が打ちまわしております。
カケツギがすなお
黒79と左辺の黒の整形ですが、雄藏は無視して左上白の強化に努めます。
白90のコウダテは評価値を下げ、三線からのノゾキ(白42の右)の方がよかったようです。
秀策はコウを解消し、生きを確認しました。
雄藏の白100(O10)は、上辺の黒を遠くに睨んでいるのでしょうか?
我々アマチュアのほとんどの方が、D10(白98の2路右)にカケツぐのではないでしょうか?
AIの一手(無料ソフト)もカケツギを示しておりました。
急場は161
黒153に対して、白は161と味良く黒7子を取っていた方が実戦より、よかったようです。
ヨセ勝負
白は真ん中をまとめましたが下辺を食い破られました。
白190で後手の二眼生きはとても辛いですが、黒191までの形勢は互角ですので、白番の雄蔵が相当にがんばっております。
これより細かなヨセ勝負となりました。
ヨセで逆転
私が全くわからない細かなヨセが続いております。
白218、白222が白の評価値を下げました。
白224で評価値が逆転し、黒に傾きました。
この碁は289手まで打たれ、黒番の本因坊秀策の4目勝ちとなっております。
雄蔵の棋風は華麗で緩急自在であり、白番のコナシがうまく、秀策の先番をもってしても、なかなか、打ち破れませんでしたが、ようやく、秀策は雄蔵と肩を並べ、手合いを互先といたしました。
(。・(エ)・。)ノ↓ランキング参加中、ポチ応援をいただけると励みになります。
マイナビ 天頂の囲碁7 Zen(対応OS:その他) 目安在庫=△ |
基本布石事典(下巻)新版 星、小目、その他 [ 依田紀基 ] |
ヒカルの囲碁入門 ヒカルと初段になろう! [ 石倉昇 ] |
ひと目の詰碁 (マイナビ囲碁文庫) [ 趙治勲 ] |
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。