第79期本因坊戦、第2局
一力 遼(本因坊)に余 正麒(八段)が挑戦する第79期本因坊戦五番勝負の第2局が5月23日に長野県高山村「藤井荘」で行われました。
さて、2024年4月末現在の七大タイトルの保持者は次の3名であります。
一力 遼 (棋聖、天元、本因坊)
芝野 虎丸(名人)
井山 裕太(王座、碁聖、十段)
現在の日本囲碁界の三強であります。
今期から七大タイトルのひとつである本因坊戦は、序列5位、五番勝負の1日制へと縮小されております。
歴史ある本因坊戦の縮小に対しては、心を痛めているファンが多数いるかと思います。
昨年、本因坊戦11連覇中であった井山さんから本因坊のタイトルを奪取した一力遼(本因坊)に挑戦するのは、余正麒(八段)です。
余正麒(八段)は、挑戦者決定戦の準決勝戦において、井山裕太(王座)を、決勝戦において、芝野虎丸(名人)をそれぞれ破っての堂々の挑戦です。
一力 遼さんのご紹介
一力遼さんは1997年生まれの26才。
一力遼、芝野虎丸、許家元のお三方は「令和三羽烏」と呼ばれておりますが、現在では一力さんが1歩リードといったところでしょうか。
棋聖、天元、本因坊、碁聖、阿含桐山杯、竜星戦、NHK杯など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は現在23と日本囲碁史に残る大棋士となりました。
また、新聞社「河北新報社」の創業家が一力家であり、一力さんは名門の家だとのことです。
一力遼さんのお父さんが現在の社長で、社主のおじいさんから5才のとき囲碁の手ほどきを受けたとのことです。
余 正麒さんのご紹介
余 正麒(よ せいき)さんは、1995年台湾生まれの28才。
関西棋院所属の棋士です。
主な戦績として「関西棋院第一位決定戦」7連覇(史上初、現在更新中)があげられます。
タイトル戦への挑戦は、王座戦が3回、十段戦が2回、昨年の井山さんとの王座戦五番勝負の激闘は記憶に新しいと思います。
そして今回の本因坊戦は初挑戦となります。
そろそろ、初タイトルがあってもおかしくない、りっぱな戦績です。
囲碁を始めたきっかけは、お父さんがやっているのを見て自然に覚えたとのことです。
アンケート総得票は5票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
得票総数:5票
一力 遼さんを応援:2票(40.0%)
余 正麒さんを応援:2票(40.0%)
どちらもがんばれ!:1票(20.0%)
ご投票をしていただいた皆さま、ありがとうございました。
一力遼さん
「旬彩菓たむら」さんの「たわわ」、「信州高山農園つちめぐ」さんの「サンふじ100%ジュース」
どら焼きとりんごジュースです。
余正麒さん
りんごの木さんの「おしゃべり卵」、ワインの品種のぶどうジュース「コンコード」
チーズケーキとぶどうジュースです。
お二人とも朝から糖分の補充です。
一力遼さん
信州そば御膳 (冷やしそば、天ぷら、助六寿司)
余正麒さん
焼き魚御膳 切り身は、のどぐろ、鰆の西京漬け
今期から本因坊戦が1日制になってしまいました。
序列も5位まで落ちてしまいました。
一力遼さん
鈴花さんの「小布施栗のパンナコッタ」、ぶどうジュース「ナイヤガラ」
余正麒さん
鈴花さんの「小布施栗のパンナコッタ」、アイスコーヒー
パンナコッタが被りました。
黒:一力遼、白:余正麒
主 催 :毎日新聞社
優勝賞金:850万円
持ち時間:各3時間
3時間は、世界戦の標準の持ち時間であります。
第79期本因坊戦五番勝負第2局(2024年5月23日)
長野県高山村「藤井荘」にて
黒:一力 遼、白:余 正麒
簡明な布石
実戦図:黒11まで
棋譜再生
実戦図:黒11まで
黒11の三々入りから定石の進行ですが、白18、20としっかりとノビ切りました。
黒21のカカリ一本で黒23と左辺に先着しました。
アマチュア的には黒23は気持ちよく思えます。
現代手法である白24のカタツキから、戦いが始まりそうです。
覚えようこの三手
白24のカタツキに黒25と受けました。
アマチュア的には、白24には何かしら挨拶するものですが、最近はここで受けずに手抜きもあるようです。
絶芸(最強のAI)は、黒23の石から中央に向かって一間トビを示しておりました。
白24に黒25と受けた場合、白26、黒27、白28の三手は定石のようです。
絶芸も同じ図を示しておりました。
これは、最新の打ち方として、インプットしたいですね。
白28で二線にハネないのが現代の打ち方です。
ハネを決めない利点は、将来的にサガリで打つ方がヨセが大きいからです。
上辺の戦いから
白32から猛然と攻めにいきますが、黒43のキリが入り、黒47に白48が省けず、黒53と気持ちよくマガリ、アマチュア的には黒を持ちたくなります。
黒59と下辺に先着した局面の形勢は、黒85.2%と絶芸(最強のAI)は示しておりました。
形勢は互角
実戦図:黒113まで
実戦図:黒113まで
黒の一力さんが上辺の戦いから優勢に進めていましたが、黒101が評価値を落としました。
白102と担ぎ出され、黒113まで形勢は全くの互角と振出しに戻りました。
コウ争いの結末
実戦図:黒139まで
実戦図:黒139まで
難しい戦いです。アマチュアにはほとんど理解できません。
左下隅でコウが発生し、白138と打ち抜き、黒は139と取りました。
アマチュア的には白が左下隅を食い破って良さそうに見えましたが、黒139トリで左か右の白の大石が持たないようです。
次の白140で左側の白石を補強いたしましたが、それではと黒は右の白の大石に攻めかかりました。
黒139までの絶芸の評価値は、黒98.4%となっております。
白114のノゾキが白の評価値を落としました。
次に白114の絶芸の参考図を見てみましょう。
絶芸はシノギ勝負
白114の絶芸の参考図
白114の絶芸の参考図
白1と断固遮断し、左下白はシノギ勝負のようです。
黒10まで、私には白が苦しそうに見えますが、これで互角の形勢です。
AIはシノギが得意ですからね。
この碁は219手まで打たれ、黒番の一力さんの中押し勝ちとなっております。
一力さんの完勝譜と言って良いかと思います。
これで、五番勝負は、一力さんの2勝0敗となり、圧倒的に有利な状況となりました。
対する余正麒さんは、次から3連勝しなくてはいけません。
次の第3局は、2024年5月30日に三重県鳥羽市「戸田家」で行われます。
楽しみですね。
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コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。