第79期本因坊戦、第1局
一力 遼(本因坊)に余正麒(八段)が挑戦する第79期本因坊戦五番勝負の第1局が5月14日に東京都台東区「東京国立博物館」で行われました。
さて、2024年4月末現在の七大タイトルの保持者は次の3名であります。
一力 遼 (棋聖、天元、本因坊)
芝野 虎丸(名人)
井山 裕太(王座、碁聖、十段)
現在の囲碁界の三強であります。
今期から七大タイトルのひとつである本因坊戦は、序列5位、五番勝負の1日制へと縮小されております。
歴史ある本因坊戦の縮小に対しては、心を痛めているファンが多数いるかと思います。
昨年、本因坊戦11連覇中であった井山さんから本因坊のタイトルを奪取した一力遼(本因坊)に挑戦するのは、余正麒(八段)です。
余正麒(八段)は、挑戦者決定戦の準決勝戦において、井山裕太(王座)を、決勝戦において、芝野虎丸(名人)をそれぞれ破っての堂々の挑戦です。
一力 遼さんのご紹介
一力遼さんは1997年生まれの26才。
一力遼、芝野虎丸、許家元のお三方は「令和三羽烏」と呼ばれておりますが、現在では一力さんが1歩リードといったところでしょうか。
棋聖、天元、本因坊、碁聖、阿含桐山杯、竜星戦、NHK杯など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は現在23と日本囲碁史に残る大棋士となりました。
また、新聞社「河北新報社」の創業家が一力家であり、一力さんは名門の家だとのことです。
一力遼さんのお父さんが現在の社長で、社主のおじいさんから5才のとき囲碁の手ほどきを受けたとのことです。
余 正麒さんのご紹介
余 正麒(よ せいき)さんは、1995年台湾生まれの28才。
関西棋院所属の棋士です。
主な戦績として「関西棋院第一位決定戦」7連覇(史上初、現在更新中)があげられます。
タイトル戦への挑戦は、王座戦が3回、十段戦が2回、昨年の井山さんとの王座戦五番勝負の激闘は記憶に新しいと思います。
そして今回の本因坊戦は初挑戦となります。
そろそろ、初タイトルがあってもおかしくない、りっぱな戦績です。
囲碁を始めたきっかけは、お父さんがやっているのを見て自然に覚えたとのことです。
アンケート総得票は6票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
得票総数:6票
一力 遼さんを応援:3票(50.0%)
余 正麒さんを応援:1票(16.7%)
どちらもがんばれ!:2票(33.3%)
ご投票をしていただいた皆さま、ありがとうございました。
一力さん
グレープフルーツジュース
余正麒さん
白玉ぜんざいとカフェラテ
一力さんは、オレンジジュースではありませんでした。
一力さん
エビピラフとサラダとウーロン茶
余正麒さん
うな重とアップルジュース
今期から本因坊戦が1日制になってしまいました。
序列も5位まで落ちてしまいました。
一力さん
モンブランとアイスコーヒー
余正麒さん
モンブランとブルーベリー&クランベリージュース
モンブランが被りました。
黒:余正麒、白:一力遼
主 催 :毎日新聞社
優勝賞金:850万円
持ち時間:各3時間
3時間は、世界戦の標準の持ち時間であります。
第79期本因坊戦五番勝負第1局(2024年5月14日)
東京都台東区「東京国立博物館」にて
黒:余 正麒、白:一力 遼
三手目に三々入り
ところで、最近のタイトル戦は、ほとんど白番が勝っております。
これは偶然とはいえ、白番を引いた一力さんは悪い気はしないはずです。
3手目で三々に入っていきました。
私は星への三々りに対して、手抜きを見たことがありません。
手抜いたら、三々に星へカタツキしたのと同じですから、あまり気にならないように思うのですが、どうなんでしょう?
お返しの三々入り
お返しとばかりに、今度は白が10と三々入りです。
先手を取って、白18のカカリに回りました。
三々入り定石で、たとえば、白8で下辺に構えたり、黒19で上辺に構えたりはしないようです。
ハサミが復活か?
実戦図:白22まで
棋譜再生
実戦図:白22まで
白20と厳しく迫りました。
黒は手抜いて、左上にカカリました。
ここで、白22と三間にハサミました。
AI登場後、ハサミがいっぺんに姿を消したのですが、最近、また、ハサミが打たれるようになってきました。
ハサミはこういう局面で使うようです。
インプットしましょう。
絶芸(最強のAI)の参考図を見てみましょう。
気持ちが良い一間トビ
絶芸(最強のAI)は、白22のハサミの前に上図の白1と一間トビしました。
何気によさげな気がします。
その後に上図の白5と三間バサミです。
この三間バサミは、一力さんと絶芸は一致していますね。
黒10は三々に入らずに両ガカリしています。
昔の打ち方に戻って来ているように感じます。
黒弱い石が2つ
実戦図:白44まで
棋譜再生
実戦図:白44まで
黒31と白32を交換して、黒33と下辺に打ち込みました。
白36には手抜いて黒37と左下の白一団を攻めようとしましたが、白44となった局面を眺めてみると、黒の方が弱い石を2つかかえているようにも見えます。
白44までの絶芸(最強のAI)評価値は、白68%となっております。
競り上がりの戦いの末
実戦図:白134まで
実戦図:白134まで
黒45のノゾキから黒白競り上がりながらの難しい戦いが始まりました。
評価値も揺れ動きました。
白46では、絶芸はJ5にて黒2子を制する手を示しておりました。
白56までの形勢は全くの互角となりましたが、黒57が21%評価値を落としました。
絶芸は、全軍助けるのではなく、尻尾(黒9の石)は捨てるような打ち方をしていました。
黒101が大きく評価値を落としました。
黒101では102のキリを絶芸は示しておりました。
この後は評価値的に、黒にチャンスはなかったようです。
この碁は188手まで打たれ、白番の一力さんの中押し勝ちとなっております。
一力さんの会心譜といえると思います。
注目の第2局は、2024年5月23日に長野県高山村「藤井荘」で行われます。
楽しみですね。
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コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。