第1局は一力さん勝利!
本日(2024年8月12日)、第10回応氏杯世界選手権の決勝5番勝負の第1局が行われました。
2005年に張栩さんがLG杯世界棋王戦にて優勝して以来19年ぶりの日本棋士の優勝に期待が集まっております。
結果から申し上げます。
黒番の一力遼さんが勝利しました。
一力さん、おめでとうございます。
明後日の第2局もがんばってください!
すべての日本人ファンが応援しています!
4年に1回の大会
この応氏杯世界選手権は、4年に1回、オリンピック開催の年に行われます。
台湾経済界の重鎮であった応昌期さんが私財を投じて1989年に創設されました。
第2回(1993年)、第3回(1996年)に大竹英雄先生、依田紀基先生の準優勝が日本の最高成績となっております。
今回は一力遼さんが、日本人初優勝を目指して、決勝の5番勝負に臨みます。
応援いたしましょう!
応氏ルール
主催: 応昌期囲棋教育基金会(応昌期基金)
賞金:優勝40万米ドル、準優勝10万米ドル
2024年8月12日現在のレートで、10万ドルは約1,500万円でした。
台湾、日本、韓国、中国、米国、欧州などの各国・地域から、主催者の招待により、出場選手は選抜されているとのことです。
創設者である応昌期さんは、元々、囲碁ルールの研究者でありました。
1952年に囲碁ルールの改良を目指し、1973年に発表。
1977年に中国でそのルールが採用されました。
当時の中国と台湾の関係が垣間見れます。
その後、ルールの改良を重ね、1988年にルールが完成したとのことですから、実に36年の年月であります。
応昌期ルール、応氏ルール、台湾ルールと呼ばれております。
元になっているのは、中国ルールで、無勝負が生じないこと、判例による判断を不要としてすべて実戦的に解決するなどの工夫が為されているそうです。
地の大きさと生き石の数で勝敗を決めます。3コウ、長生など同形反復禁止。
面白いのは日本での「自殺手」である「着手禁止点」を打てることです。
下図の×に黒は打てるのです。瞬間的に取り上げられることになりますが、白は二眼を作るためには、白×に一手必要となります。コウ材として使えるのです。
時間管理が重要
パスは認められ、双方が連続してパスをした場合に終局となり、開始時に独自の碁笥を用いて黒白180個ずつの碁石を確認しておき、終局時にこれらの石を盤面の双方の地中に埋めて、残った空点の数で勝敗を判定するとのことです。
この終局のやり方は、アマチュアの実戦では面倒に感じられそうな気が致します。
コミは8目で、持碁は黒勝ちです。
決勝の持ち時間は3時間30分。
使い切ったら、2目のコミを出して35分延長できる(3回まで)という独特のルールです。
持ち時間の管理がとても重要になります。
黒:一力遼、白:謝科
実戦図:黒341まで
棋譜再生
実戦図:黒341まで
今現在、正式発表が入手できていませんので、何目勝ちかは不明です。
最後に一力さんの時間が切れて、2目罰符を払って、半目勝ちとの噂もありました。
野狐囲碁では、3/4子黒勝ちとあります。
まあ、どちらにしても一力さんの勝利には間違いありません。
【追記:黒番の一力さんの1目勝ち。一力さんが1回35分追加(2目コミ出し)】
真ん中の大石を絶妙にシノイで、勝ちが決まったようです。
しかし、シャカさんの脅威のくそネバリにも驚きました。
応氏ルールでは、時間切れ狙いも作戦の内だということがよくわかりました。
明後日の14日に第2局が行われるとのことです。
世界一になってほしいですね。楽しみです。
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