第31期 阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦
16名による本戦トーナメント戦を勝ち上がったのは、一力遼(阿含・桐山杯)と芝野虎丸(名人)でした。
決勝戦が、2024年9月25日に行われました。
このお二人は現在第49期名人戦七番勝負を争っております。
七大タイトルの保持者
七大タイトル以外の阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦、NHK杯、新人王戦なども「タイトル」でありますので、タイトル数には含まれることになります。
七大タイトルの序列は次のとおりです。
1位:棋聖(4300万円、二日制、七番勝負、持ち時間各8時間)
2位:名人(3000万円、二日制、七番勝負、持ち時間各8時間)
3位:王座(1400万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
4位:天元(1300万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
5位:本因坊(850万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
6位:碁聖(800万円、五番勝負、持ち時間各4時間)
7位:十段(700万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
2024年9月末現在の七大タイトルの保持者は次の3名であります。
一力 遼 (棋聖、天元、本因坊)
芝野 虎丸(名人)
井山 裕太(王座、碁聖、十段)
現在の三強であります。
ちなみに、今回の第31期 阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦のベスト4は、一力遼さん、芝野虎丸さん、井山裕太さん、許家元さんでした。
芝野 虎丸さんのご紹介
芝野虎丸さんは1999年生まれの24才。
芝野さんは、入段から史上最短での全棋士参加棋戦優勝、史上最年少での七大タイトル獲得、名人戦リーグ入り、本因坊戦リーグ入りするなど、たくさんの最年少記録を打ち立て、デビュー当時から注目の逸材でありました。
なかでも、2019年に史上最年少(19才11か月)で名人を獲得後、すぐに井山さんから王座のタイトルまで奪い、20才で二冠を達成したときには碁界に衝撃が走りました。
名人、王座、十段など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は、現在12と三強の一角として、活躍されております。
虎丸さんは、「ヒカルの碁」のファンだったご両親の影響で、5才くらいのころから囲碁を始めたとありました。また、一力遼さんや藤沢里菜さんといっしょの「洪道場」の出身であります。
虎丸さんはデビューがとても華々しかったのに比べ、最近は少し伸び悩んでおられるような印象を私は受けます。世界をも狙える逸材と信じておりますので、もう一段の高みを目指してがんばっていただきたく思っております。
一力 遼さんのご紹介
一力遼さんは1997年生まれの27才。
一力遼、芝野虎丸、許家元のお三方は「令和三羽烏」と呼ばれておりますが、現在では一力さんが1歩リードといったところでしょうか。
棋聖、本因坊、天元、碁聖、阿含桐山杯、竜星戦、NHK杯など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は、現在24と日本囲碁史に残る大棋士となりました。
そして先日の第10回応氏杯世界選手権での優勝は日本の囲碁ファンに感動をもたらしました。
また、新聞社「河北新報社」の創業家が一力家であり、一力さんは名門の家だとのことです。
一力遼さんのお父さんが現在の社長で、社主のおじいさんから5才のとき囲碁の手ほどきを受けたとのことです。
芝野さんと一力さんの決戦が続いてるね。
一力さんは、先の第10回応氏杯世界選手権では三連勝で優勝。悲願の世界一となりました。絶好調です。
黒:芝野虎丸、白:一力遼
主 催:日本棋院
後 援:京都新聞
特別協賛:阿含宗
協 力:関西棋院
優勝賞金:1,000万円、準優勝賞金:500万円
持ち時間:各1時間30分
第31期 阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦(2024年9月25日)
阿含宗本山総本殿・釈迦山大菩提寺(京都市山科区北花山大峰町)にて
黒:芝野虎丸、白:一力遼
金毛流の布石
実戦図:黒5まで
棋譜再生
実戦図:黒5まで
黒5まで、黒は、金毛流の布石です。
金毛という名のAIが連戦連勝している時に使っていた布石です。
黒5でシマるのであれば、右下の小目にシマるのが従前の常識でした。
しかし、金毛さん(AI)は、人間の常識など知らぬわとばかりに星にシマりました。
私も最初は奇異に感じていたのですが、ダイレクト三々と同様に見慣れると普通の手に思えるようになりました。
人間、何ごとも慣れ(経験)ですね。
レベルアップした現代碁
AI登場時は、AIがあっちに打ち、こっちに打ちで、何をしているのか、ぜんぜんわかりませんでした。
プロ棋士でさえ、そのような感想でした。
しかし、現代では、当時のAIのような、何を打っているか、わからないような手をトッププロ棋士たちは、普通に打っています。
AI登場により、囲碁のレベルは全体的に上がったようです。
白5、白10などを見ても、私でさえ普通に見えるようになりました。
露骨なノゾキ
評価値的には、右上隅で若干白がポイントを上げました。
白40のツギが正直すぎたのか、ここで、黒に評価値が振れました。
白40では、白32からの一間トビが形が良かったようです。
黒41のノゾキは露骨ですが、絶芸(最強のAI)もこの41を示していました。
形勢互角の半目勝負
黒41、43、45のデギリから黒が主導権を取り、黒が優勢で進めていました。
黒101が重たかったようです。
白102ツギまでの絶芸の評価値は、黒55.6%となり、互角の半目勝負となりました。
この碁は、308手まで打たれ、白番の一力さんの半目勝ちとなっております。
名局でした。
一力さんは、阿含・桐山杯を連破となりました。
一力さん、おめでとうございます。
芝野さん、おつかれさまでした。
このお二人のタイトル戦は、名人戦、天元戦と、まだまだ続きます。
楽しみですね。
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コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。