織田信長の三コウ伝説
2024年9月11日の韓国の名人戦で、三コウが出現いたしましたので、ご紹介いたします。
本能寺の変の直前に織田信長が観戦していた対局に現れたという伝説があり、そのため不吉の前兆と言われることがありますが、これは、まったくの作り話だと思います。
三コウとは、次の図です。
三コウとは
三コウの図(白番)
三コウの図(白番)
黒番であれば、全部トルことができますが、次は白番です。
白は、コウをトルことになりますが、黒もコウをトルことができます。
コウは連続でトルことはできませんが、3つ目のコウを白はトルことが出来ます。
延々と続きますのでキリがありません。
対局者のご紹介
この対局者が凄いのです。
シンジンソさんとイチャンホさんです。
イ・チャンホさんは、1975年7月29日生まれの現在49歳。
Wikipediaによると次のとおりです。
「わずか16歳で世界戦優勝。その後世界歴代1位の世界棋戦優勝21回、国内棋戦優勝140回を数え、1990年代から2000年代の世界最強棋士と称される。プロ囲碁全体の歴史でも呉清源などと共に歴代最高の棋士とよく言及される」
呉清源先生が、十番碁で満天下を打ちこんだごとく、イチャンホさんの次の二番手の人がよく分からないといわれるほどのイチャンホ一強時代を作り上げました。
シン・ジンソさんは、2000年3月17日生まれの現在24歳。
現代の最強棋士です。AIとの一致率が異常に高いことから人工知能と呼ばれております。
Wikipediaによると、「2020年1月から2023年6月まで42ヶ月連続1位。『囲碁発陽論』で主に勉強している」とありました。
AIで勉強でなく、『囲碁発陽論』ですか!
『囲碁発陽論(いごはつようろん)』とは、囲碁の手筋や詰碁を収めた棋書で、作者は名人碁所であった四世井上因碩(道節)。1713年(正徳3年)に完成した。難解なことで知られ「発陽論」とも記される。
黒:シン・ジンソ、白:イ・チャンホ
左下隅は難解な三々入り定石です。
難解すぎるので、私は打ちたくありません。
黒71まで白の猛攻が続いております。
一見すると、黒が攻められて苦しそうに見えますが、絶芸の評価値は、黒55.9%で互角の形勢です。
白リードの局面
実戦図:黒117まで
実戦図:黒117まで
黒99と三々に入りました。
黒99までの絶芸の評価値は、黒81.7%でした。
左上隅の戦いはどうなるんだろうと思いきや、突然の黒115、117でした。
先手で大場に回って黒良しかとおもいきや、絶芸の評価値は、白74.5%で、イチャンホさんがリードしています。
三コウ引分け再試合
終局図:黒207まで
終局図:黒207まで
白134が評価値を落としました。
白134では135に打つのがよかったようです。
黒153で三コウの形になりました。
黒153までの絶芸の評価値は、黒98.3%でした。
終局時の評価値は、黒の99.8%でしたが、最後は三コウを取り合う形となり、この碁は207手まで打たれ、引き分け再試合となっております。
世にも珍しい三コウの一局でした。
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コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。