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管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ
今回は、「棋書の紹介その43(石田芳夫囲碁講座第2巻、必勝の置碁)」をご紹介いたします。
著者:石田芳夫 日本棋院
古今の著名棋士の子供時代にスポットを当て、彼らがうわての一流棋士に石を置いてどう戦ったかを追いかけてみた。
子供とはいえ、いずれ後年に名を成す才能の持ち主ばかりだから、さすがに見事なもので、ほとんどがしたての圧勝譜ばかりである。
マワシに手をかけさせないで、堂々と寄り切っている。
その堂々たる打ちっぷりを味わい学んでいただきたいというのが、本書の狙いでもある。
才能、といってしまえばそれまでだが、しかし、才能だけではない。勇気とか決断とか、あるいは探究心がしたてを勝利に導くのである。
1991年4月 石田芳夫
本書は、はしがきのとおり置碁の名局集です。
第1部が「古典の必勝置碁」で8局、第2部が「昭和の必勝置碁」で9局、付録が「並べる人のための置碁10局」で10局と計27局の置碁の名局が紹介されています。
なかなか、目にすることがない貴重な置碁の名局が紹介されている本書は、私のおすすめでもあります。
この27局中、高川格先生の9子局、石田芳夫先生の6子局、大竹英雄先生の2子局は、すでに当ブログにて、ご紹介済でございます。
他には、橋本宇太郎先生の3子局、坂田栄男先生の3子局、藤沢秀行先生の5子局、本田寿子先生の5子局と6子局、林海峰先生の6子局、加藤正夫先生の5子局、武宮正樹先生の4子局、趙治勲先生の5子局、等々。
どれも名局ばかりなので、選択に迷いましたが、ここでご紹介するのは、本田寿子先生の5子局といたします。
本田寿子(杉内寿子)先生は、1927年生まれの現役棋士であります。
もちろん、現在(2023年12月)最年長棋士であります。
三姉妹の長姉であり、妹の本田幸子先生、楠光子先生、3人とも棋士であります。
杉内寿子先生は、女流選手権を4期、女流名人を4期、女流鶴聖を2期。
本田幸子先生は、女流選手権を5期、女流本因坊を2期。
楠光子先生は、女流本因坊を5期、女流鶴聖を2期とお三方とも女流棋戦で大活躍されております。
また、杉内寿子先生は、2004年まで日本棋院棋士会会長、女流棋士会会長を務められました。
まさに日本囲碁界におけるレジェンドであります。
86年前の対局
この対局の日は、本田寿子先生の10才のお誕生日でした。
丸の内某所にての碁会で、一般参加者の中から抽選で1名が木谷実先生と壇上で公開早碁(一手30秒)が打てるのがこの碁会の呼び物だったとあります。
公開解説は、呉清源先生。
現代に置き換えてみると、芝野虎丸名人に抽選で1名が壇上で公開早碁(一手30秒)を打てて、その解説が井山裕太王座ってところでしょうか。
とてもではないですが、平常心では打てないと思います。
それも一手30秒とか、どう考えても私には無理でございます。
五子:本田寿子、白:木谷実
実戦図、白13まで
棋譜再生
(上図):実戦図、白13まで
黒14、16としっかりと対応されています。
置碁の黒は、頭を出して、封鎖されないことが一番大切です。
白の仕掛けの第二段は、白29でした。
複雑になるような紛らわしい手ですね。
間然するところがない
白49まで
棋譜再生
(上図)白49まで
「黒32、34とアテ、フリカワリの気分でまとめあげたのが立派」
と石田芳夫先生の解説です。
黒42,44とダメをつめ
五子の置碁としては、完璧な序盤です。
白は、45、47、49とまたまた、紛らわしい手を打ってきました。
初めてのミス
白53まで
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(上図):白53まで
白53とシチョウに取られたのは、大きなミスでした。
黒52の参考図その1
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「黒50と切ったのなら、黒52とアテ、上図のように進むとしても、次図のように進むとしても、黒の部分的な有利は疑いなかった」と石田芳夫先生の解説であります。
普段ならこう打っていたであろうが、会場の熱気、雰囲気のせいでのミスではないかと石田芳夫先生は述べられていました。
黒52の参考図その2
棋譜再生
少しも惑わされない黒
「白83、85と、また右下と同じ攪乱戦法」
「同じように二つアテて黒90のツギ。黒92から俗にキメて、上辺を大きく取り込んだ」
「白は右辺を模様化。ここでも損のない取引をしている」
「途中、黒98のキリが肝要」
と石田芳夫先生の解説であります。
実戦図、黒114まで
(上図):実戦図、黒114まで
「左下白105(D2)のオキに、黒108以下最強に応じた」
「黒114まで、うわての幻惑に少しも惑わされていない」
と石田芳夫先生の解説であります。
そうなんです。
この碁は白があの手この手と攪乱戦法、幻惑戦法を仕掛けるのですが、すべて、冷静に対応されているのです。
10才の女の子が一手30秒の公開対局にてですよ。
間違いなく5子局の名局だと思います。
この碁は160手まで打たれ、黒の中押し勝ちとなっております。
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コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。