第35期女流名人戦第2局
上野愛咲美(女流名人)に藤沢里菜(女流本因坊)が挑戦する第35期女流名人戦博多・カマチ杯三番勝負の第2局が、2024年4月17日に東京市ヶ谷の「日本棋院」で行われました。
昨年(2023年)は、藤沢里菜さん(女流名人)に上野愛咲美さんが挑戦し、上野愛咲美さんが2-0のスコアで勝利し、女流名人位を奪取いたしました。
今年は立場が逆転し、上野愛咲美さん(女流名人)に藤沢里菜さんが挑戦するリベンジ戦となりました。
昨年5月に当ブログを立ち上げた関係で、残念ながら昨年の女流名人戦の記事はありませんが、昨年6月に行われた第10期会津中央病院・女流立葵杯でも上野愛咲美さん(女流立葵杯)と藤沢里菜さん(女流本因坊)が激突しております。
第10期会津中央病院・女流立葵杯第1局(2022年6月17日)
第10期会津中央病院・女流立葵杯第2局(2022年6月18日)
第10期会津中央病院・女流立葵杯第3局(2022年6月19日)
現在の日本囲碁界において、女流最強のお二人の対決が今年も実現いたしました。
ムネワクでございます。
上野愛咲美さんのご紹介
上野愛咲美さんは2001年生まれの現在22才。
5才のとき藤沢里菜さんのお父さんである藤澤一就(八段)が主宰する新宿こども囲碁教室にて本格的に囲碁を始めました。
16才3か月で、第21期女流棋聖戦において、当時5連覇を達成していた謝依旻さんを下し、初タイトルを獲得いたしました。
昨年の女流名人位を取ったことにより、女流タイトルである「棋聖・名人・本因坊・立葵杯・扇興杯」5つのタイトルを1期以上獲得し、史上3人目の女流タイトルのグランドスラムを達成いたしました。(過去に小林泉美さん、謝依旻さんのお二方)
上野愛咲美さんのニックネームは「ハンマー」です。
「ハンマーをふり回すような碁で相手を一発でつぶしてしまう」という意味だそうです。
ユニークな愛咲美さんは対局日の朝、縄跳びを777回飛んでゲンを担いでいるとのことです。
上野愛咲美さんは、おじいさんから勧められて4才のとき囲碁を覚えたとのことです。
藤沢 里菜さんのご紹介
藤沢里菜さんは1998年生まれの現在25才。
7才の時に洪清泉先生が主宰する洪道場に入門して、本格的に囲碁を始めました。
15才9か月で第1回会津中央病院杯にて優勝して、当時の女流棋戦最年少優勝記録を樹立し、16才1か月で女流本因坊を獲得いたしました。
現在すでに女流棋士タイトル獲得数は22期となり、日本囲碁史に残る女流棋士となりました。
前回の第71回NHK杯でのベスト8進出は、記憶に新しいと思います。
昨年は世界戦の呉清源杯で、大活躍され準優勝いたしました。
現在の日本囲碁界の悲願である世界戦での優勝も期待されております。
また、藤沢里菜さんは、父に藤澤一就八段、祖父に藤沢秀行名誉棋聖、伯従父に藤沢朋斎九段をもち、囲碁のエリート血統でもあります。
終盤が強いこと、半目勝負に強いことなどから「りーなゼロ」と呼ばれております。
藤沢里菜さんは6才の時にお兄さんが碁を打つ姿を見て面白そうと思い碁を始めたとのことです。
アンケート総投票数は7票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
投票総数:7票
上野愛咲美さんを応援:2票(28.6.%)
藤沢 里菜さんを応援:1票(14.3%)
どちらもがんばれ! :4票(57.1%)
ご投票していただいたみなさま、ありがとうございました。
黒:藤沢里菜、白:上野愛咲美
先に結果からお伝えいたします。
黒番の藤沢里菜さんが197手で中押し勝ちとなっております。
三番勝負を2勝した、藤沢里菜さんが女流名人位を奪取いたしました。
藤沢里菜さん、おめでとうございます。
上野愛咲美さん、おつかれさまでした。
お二人のタイトル争いは、これからも、まだまだ長く続きますので、次回の熱戦を楽しみにしております。
新鮮な定石
実戦図:黒11まで
棋譜再生
実戦図:黒11まで
白8の一間バサミに対して、黒9の一間トビがとても新鮮に見えます。
最近見るのは、AI推奨のその一路上のケイマカケばかりでした。
黒9の一間トビが別に悪いわけではありませんので、簡明な一間トビの方がアマチュア向けだと思いました。
さて、みなさんなら、次の白12はどこに向かいますか?
布石を簡明にする手抜き
絶芸(最強のAI)は、左下隅のカカリから、右上隅に三々入りしまました。
「えーっと、定石はどうだったけ?」
なんて、悩まなくてもよいのです。
難しく考えずこのように、手抜きして大場に走るだけでよいのです。
とても勉強になる参考図だと思います。
一本とった黒
黒29に対して、白30と緩めましたが、この手が評価値を落としました。
黒31のハサミツケが強烈でした。
黒33まで黒が一本とったようです。
黒の評価値が70.4%となりました。
絶芸の参考図
白42、白60、白70などが評価値を落としました。
黒127まで、右辺一体と左上隅をトリ、地合いで黒優勢のようです。
このあとも緩むことなく、藤沢里菜さんの完勝譜といえます。
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大切に読ませていただきます。