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管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ
第11期会津中央病院・女流立葵杯、第1局
上野愛咲美(女流立葵杯)に向井千瑛(六段)が挑戦する第11期会津中央病院・女流立葵杯三番勝負の第1局が6月15日に福島県会津若松市「今昔亭」で行われました。
上野愛咲美さんは、第9期(2022年)に藤沢里菜さんからこの女流立葵杯のタイトルを奪取し、昨年の第10期(2023年)は藤沢里菜さんのリベンジマッチを返り討ちにし、連破しております。
上野愛咲美さんは、今年も立派な成績を修めております。
第79期本因坊戦本戦1回戦で井山裕太(王座)と激突しております。
また、第2回爛柯杯にて、世界戦で優勝経験のある、謝爾豪九段を見事に破りベスト16に入っております。
絶好調の上野愛咲美さんに挑戦するのは、ベテランの向井千瑛さんです。
向井千瑛さんは、準決勝で上野梨紗(女流棋聖)を、挑戦者決定戦で牛栄子(扇興杯女流最強)を、破っての堂々の挑戦です。
若手タイトルホルダーのお二人に連勝はお見事です。
向井千瑛さんがタイトル戦に登場するのは、実に10年ぶりです。
今年も好調な上野愛咲美さんに対して、久しぶりの大舞台登場の向井千瑛さんが、どのような戦いを見せてくれるか注目の対局です。
【参考:昨年の女流立葵杯の記事】
第10期会津中央病院・女流立葵杯第1局(2022年6月17日)
上野愛咲美さんのご紹介
上野愛咲美さんは2001年生まれの現在22才。
5才のとき藤沢里菜さんのお父さんである藤澤一就(八段)が主宰する新宿こども囲碁教室にて本格的に囲碁を始めました。
16才3か月で、第21期女流棋聖戦において、当時5連覇を達成していた謝依旻さんを下し、初タイトルを獲得いたしました。
昨年の女流名人位を取ったことにより、女流タイトルである「棋聖・名人・本因坊・立葵杯・扇興杯」5つのタイトルを1期以上獲得し、史上3人目の女流タイトルのグランドスラムを達成いたしました。(過去に小林泉美さん、謝依旻さんのお二方)
上野愛咲美さんのニックネームは「ハンマー」です。
「ハンマーをふり回すような碁で相手を一発でつぶしてしまう」という意味だそうです。
ユニークな愛咲美さんは対局日の朝、縄跳びを777回飛んでゲンを担いでいるとのことです。
上野愛咲美さんは、おじいさんから勧められて4才のとき囲碁を覚えたとのことです。
向井 千瑛さんのご紹介
向井千瑛さんは1987年生まれの現在36才。
向井三姉妹の三女であり、姉に三村芳織(三段)、長島梢恵(三段)がいらっしゃいます。
ちなみに姉の三村芳織さんの旦那さまが三村智保先生であり、義理の兄となります。
向井千瑛さんは、小学校4年生のとき、少年少女囲碁大会小学生の部にて井山裕太さんに敗れ5位入賞。
小学校5年生のとき、またも、井山裕太さんに敗れ6位入賞。
小学校6年生のとき、少年少女囲碁大会小学生の部にて女子では3人目となる優勝をしております。
小学生の頃から大活躍ですね。
2008年の第11期女流棋聖戦がタイトル戦初登場となります。梅沢由香里(女流棋聖)に敗れはいたしましたが、当時の最年少挑戦者記録でありました。
2010年からは女流タイトル戦の挑戦者の常連となりましたが、当時、最強を誇った謝依旻さんに、ことごとく跳ね返されてしまい、まさに無冠の帝王でありました。
2013年9月に杉本明(八段)とご結婚され、その11月に行われた第32期女流本因坊戦にて、当時6連覇中だった謝依旻さんを破り、タイトルに挑戦すること7回目にて(うち6回は謝依旻さん)、念願の初タイトルに輝きました。
タイトル戦への登場は、それ以来となります。
アンケート総得票は6票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
得票総数:6票
上野愛咲美さんを応援:2票(33.3%)
向井 千瑛さんを応援:3票(50.0%)
どちらもがんばれ!!:1票(16.7%)
ご投票をしていただいた皆さま、ありがとうございました。
投票数がもっともっと増えるよう、これからも努力いたしますので、今後とも応援のほど、よろしくお願いいたします。
黒:向井千瑛、白:上野愛咲美
後援:毎日新聞社
協賛:一般財団法人温知会
優勝賞金:700万
持時間:各3時間、秒読み残り5分前より
3時間は、世界戦の標準の持ち時間であります。
2024年6月15日、福島県会津若松市「今昔亭」にて
第11期会津中央病院・女流立葵杯第11期 会津中央病院・女流立葵杯第1局
黒:向井千瑛(六段)、白:上野愛咲美(女流立葵杯)
平成時代の布石
黒の二連星で始まり、黒の両バサミからの定石と平成時代の布石のようです。
白18は、ツケノビ定石で現れるこの形の攻めの急所と昭和の時代からされております。
白18と迫られると、ちょっと息苦しく感じますね。
次の黒19を絶芸先生に聞いてみましょう。
黒19ツケを学習
絶芸先生の参考図:黒19から白28まで
棋譜再生
絶芸先生の参考図:黒19から白28まで
絶芸先生は、なんと黒19のツケを示しておりました。
白が手抜いて白20がよくわかりませんが、白28まで互角の進行です。
白18と攻めの姿勢は見せたものの、左下隅の白の一団も、威張れた姿ではないので、攻めの対象にされないようにの白20なのでしょう。(勝ってヨミ)
とりあえず、この形での黒19ツケをインプットいたしました。
必争点は白38
黒35ハネと黒37ツギが絶芸先生の評価値を下げました。
中で縮こまって生きるより、外に頭を出した方が良いと昔からの教えがあります。
白38の地点が、お互いの急所。
いわゆる必争点でした。
白40の三々入りは、この一手という感がしましたが、絶芸先生は別の手を示しました。
AI流のシノギと攻め
絶芸先生の参考図:白40から黒49まで
棋譜再生
絶芸先生は、白40と打ち込みました。
黒41がAI流のぶっ飛んだ手ですね。驚きました。
根拠を絶対に与えないという手です。
形勢は白に傾く
右下隅の三々入り定石は、絶芸先生も黒の二段バネからのこの定石を示しておりました。
黒53のワリウチは、どちらから迫られても二間にヒラくことができる好位置です。
黒63は好点でした。
絶芸先生は早くからここを示しておりました。白も46の左に押す手を早くから示しておりました。
黒69の守りが絶芸先生の評価値を落としました。
絶芸先生の好手順
絶芸先生は、黒69とハネて白70を誘い、黒71としました。
白78は、黒の二間ビラキへの攻めの定石のような手です。
継続する白の好調な攻め
白82とキリが入り、白86と上辺を白一団の根拠を確保し、白90、92と真ん中の黒を攻めます。
白98と黒への攻めは継続しております。また、上辺黒4子もはっきりしておりません。
ここまで、攻めの棋風である向井千瑛さんの力が発揮されておりません。
絶芸先生の白98までの評価値は、白93%であります。
実戦図:黒119まで
実戦図:黒119まで
黒119まで上辺の黒一団と左辺の白一団とのフリカワリとなりました。
プロの対局では、この華麗なフリカワリはよく現れますが、残念ながら、私のようなへっぽこの対局では、フリカワリが現れることは全くありません。
黒119までの絶芸の評価値は、白90%を超えております。
90%というと大差のように感じてしまいますが、目数にしたら、白が3目ほどのリードでありました。
この碁は、213手まで打たれ、白番の上野愛咲美さんの6.5半勝ちとなっております。
盤面持碁ですね。
注目の第2局は、明日、行われます。
楽しみですね。
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