S級リーグ戦の成績
囲碁七大タイトルの序列1位である棋聖戦(優勝賞金4300万)の現タイトル保持者は、一力遼さんです。
一力さんへの挑戦権をかけて、棋聖戦S級リーグが行われております。
参考棋譜「第48期棋聖戦第七局」
2024年7月11日現在の成績
1.井山裕太(王座)2勝1敗
2.許 家元(九段)1勝2敗
3.芝野虎丸(名人)3勝0敗
4.高尾紳路(九段)0勝3敗
5.余 正麒(八段)1勝2敗
6.孫 喆(七段)2勝1敗
今回は、2024年7月11日に行われた、井山裕太さんと許家元さんの対局をご紹介いたします。
とても難解な対局でした。名局です。
黒:許家元、白:井山裕太
黒の二連星に対して、白は小目の連打の布石です。
黒7のカカリまでは、ありそうな布石です。
「okao囲碁研究所」のokaoさんによると、この二連星というのは、扱いがとても難しいとのことです。
最近は二連星に対しての研究が進んでいるとのことで、ある程度の知識がないと序盤で差をつけられるそうです。
もちろん、プロの最高レベルの話ですから、我々素人は気にすることもないでしょう。
お勧めの定石
白8のコスミツケを井山さんはよく打ちます。
変化がないので、とても分かりやすく、現代の定石でお勧めです。
白12の三々入りから白18に手抜いて、黒19と右下隅をシマリました、
これも現代の打ち方ですね。
部分部分にこだわらず、先手を取って、大場に回る。
この考え方は、布石においてとても大切なことのようです。
AI登場後に顕著に現れました。
意表を突くツケ
白20のハサミは、下辺の黒模様化を事前に防ぐ狙いです。
白36に手抜いて、黒37と入っていきました。
黒39のハサミツケがネライの一手だったのでしょう。
黒49まで、左下隅は黒地になってしまいました。
そこで、白50のツケ!
私には思いもつかない一手でした。
激しい戦闘の予感
実戦図:白56まで
棋譜再生
実戦図:白56まで
黒51、53と決めて、黒55のハサミツケ!
それに手抜きの白56キリ!
見るからに激しい戦闘が行われそうです。
評価値的には白優勢
黒77では、何かしら右上で戦いを継続しなければならなかったようです。
白78と切断し、この辺りでは、評価値的には、白が優勢なようですが半目勝負だと思われます。
評価値的には黒優勢に
黒131で白5子が取られてしまいました。
白130で評価値が黒に傾きました。
この白5子を逃げ出すのは重たいようですが、絶芸先生の参考図を見てみましょう。
参考図を見ても理解不能
白130の絶芸の参考図(白1~黒10まで)
白130の絶芸の参考図(白1~黒10まで)
白130では、絶芸先生は白1を示しました。
黒2に対して、白5子を逃げ出すことなく、白3から動き出しました。
正直、さっぱりわかりません。
この図で白72%です。実戦の白130で評価値は、白31%でした。
敗着は黒213だが・・
前図から黒の優勢が続き、評価値は90%を超えていました。
しかし、90%といっても半目勝負なのです。
手に汗握る熱戦なのです。
黒213が評価値的には、敗着となりました。
白216で黒191が呑み込まれて、白地がついてしまいました。
これで評価値は逆転です。
絶芸の深いヨミ
黒213の絶芸の参考図(黒1~白10まで)
黒213の絶芸の参考図(黒1~白10まで)
絶芸先生は黒213で黒1を示しました。
これ、攻め合いです。
この攻め合いを見越しての評価値90%超えでした。
黒9のホウリコミが妙手ですね。
絶芸の参考図の白10で、この黒9を取れば、セメアイは黒が負けるそうです。
しかし、攻め取りで、黒は左下隅に地が増えて黒よしとのことです。
参考図の白10に対しては、コウに弾きます。
黒には絶好のそばコウがありますので、コウも黒有利とのことでした。
これらの変化をすべて承知の上のAIの評価値90%超えでした。
恐ろしいですね。
ここの解説は「rido channel」で、ridoさんが詳しくなされています。
この碁は、244手まで打たれ、白番の井山裕太さんの半目勝ちとなっております。
中身の濃い熱戦で名局だと思います。
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コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。