第48期棋聖戦、第7局
一力 遼(棋聖)に井山 裕太(王座)が挑戦する第48期棋聖戦七番勝負の第7局が3月7日、8日の両日に山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われました。
対局場である常盤ホテルでは、数々のタイトル戦が行われてきました。
古くは、60年前になる坂田栄男先生の本因坊戦、また、将棋のタイトル戦では、大山vs升田の夢のカードの王将戦など囲碁界、将棋界はとてもお世話になっているホテルであります。
直近では、2023年7月11日、12日に井山本因坊に一力棋聖が挑戦した第78期本因坊戦第6局が行われております。その局は井山本因坊が勝利し、第7局にもつれこみました。
常盤ホテルさまのサイトに「タイトル戦 歴戦の系譜」がありますのでご覧ください。
昨年(2023年)も両者によるタイトル戦は、数多く行われました。
当ブログにおいても、本因坊戦、碁聖戦、阿含桐山杯などをご紹介しております。
現在の日本囲碁界において、最強のお二人の対決が2024年最初に棋聖戦という囲碁界最高のタイトルを賭けて行われております。
第1局は、一力さんが難局を制し、中押し勝ちを収めております。
第2局は、井山さんが中盤からのリードを保ち、中押し勝ちを収めております。
第3局は、一力さんが中盤で抜け出し、中押し勝ちを収めております。
第6局は、井山さんが中盤のわずかなリードを徐々に拡大し完勝いたしました。
七番勝負の対戦成績は、一力さん3勝、井山さん3勝です。
すべて、白番が勝っています。
第7局はにぎりで先後を決めます。
一力 遼さんのご紹介
一力遼さんは1997年生まれの26才。
一力遼、芝野虎丸、許家元のお三方は「令和三羽烏」と呼ばれておりますが、現在では一力さんが1歩リードといったところでしょうか。
棋聖、本因坊、天元、碁聖、阿含桐山杯、竜星戦、NHK杯など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は現在21と日本囲碁史に残る大棋士となりました。
また、新聞社「河北新報社」の創業家が一力家であり、一力さんは名門の家だとのことです。
一力遼さんのお父さんが現在の社長で、社主のおじいさんから5才のとき囲碁の手ほどきを受けたとのことです。
井山 裕太さんのご紹介
井山裕太さんは1989年生まれの34才。
20才で名人位についてからは、破竹の快進撃を続け、井山1強時代を築きました。
日本囲碁史上初の七冠(棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段)独占を2度も達成しております。
また、年間グランドスラム(その年の七大タイトルをすべて独占)という快挙も達成し遂げております。
日本囲碁史に燦然と輝く記録であることは、間違いありません。
一時代を築いた井山さんでありますが、30才を超え、現在は、令和三羽ガラス等、新時代の挑戦者から、必死の防戦を繰り広げております。
井山さんは5才のときにテレビゲームで囲碁を覚えたとのことです。
アンケート総投票数は11票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
投票総数:11票
一力 遼さんを応援:4票(36.4%)
井山裕太さんを応援:4票(36.4%)
どちらもがんばれ!:3票(27.3%)
ご投票していただいたみなさま、ありがとうございました。
一力さん
井山さん
ホットコーヒーのみ
一力さん
井山さん
ハヤシライス
一力さんは、生信玄餅がお気に入りのようです。
わたくしも、生信玄餅を食べてみたい!
一力さん
フルーツ盛り合わせとアイスコーヒー
井山さん
フルーツ盛り合わせとホットコーヒー
お2人とも、鉄板のフルーツ盛り合わせは、外しません。
黒:一力遼、白:井山裕太
主催:読売新聞社
特別協賛:サントリーホールディングス
優勝賞金:4,300万円
持ち時間:各8時間
2024年3月7日、8日、山梨県甲府市「常磐ホテル」にて
黒:一力 遼(棋聖)、白:井山裕太(王座)
持ち時間は各8時間、1日目の消費時間は、黒番の一力遼(棋聖)が3時間50分、白番の井山裕太(王座)が4時間10分でした。20分の差であります。
なお、今回の126手目での封じ手は、棋聖戦の封じ手最長手数記録だとのことです。
封じ手はコスミ
封じ手の白126はコスミで中央の白石の逃げ出しを優先いたしました。
絶芸の予想が当たりました。
逆に黒にここに打たれると苦しそうですからね。
真正面から黒147
難しい戦いが続いております。
どうやら、白144、146の連打で右下隅の黒は取られたようです。
その代わりに真ん中の白の大石がピンチになります。
黒147と真正面から迫られると白は逃げ道がないように見えます。
取られた白12子
局面は進行し、黒165で白の連絡が絶たれました。
自動的に真ん中の白の大石が取られたようです。
封じ手の126まで取られていますから、やはり、白が苦しいのかなと思われます。
白投了の図
この285手が最終手で、白の井山さんはここで投了いたしました。
この黒285も遮られたらどうするの?と思うかもしれません。
投了図以降の参考図
白1と遮ると黒2から左上隅の白が取られてしまいます。
右下隅の白は生きることができましたが、地合いは黒がよく投了となりました。
井山さん、お疲れさまでした。
一力さん、棋聖位三連覇、おめでとうございます。
現在の最強のお二人が力を出し合い、手に汗握るシリーズとなりました。
名勝負でありました。
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