第48期棋聖戦第5局
一力 遼(棋聖)に井山 裕太(王座)が挑戦する第48期棋聖戦七番勝負の第5局が2月15日、16日の両日に千葉県勝浦市「三日月シーパークホテル勝浦」で行われました。
昨年(2023年)も両者によるタイトル戦は、数多く行われました。
当ブログにおいても、本因坊戦、碁聖戦、阿含桐山杯などをご紹介しております。
現在の日本囲碁界において、最強のお二人の対決が2024年最初に棋聖戦という囲碁界最高のタイトルを賭けて行われております。
第1局は、一力さんが難局を制し、中押し勝ちを収めております。
第2局は、井山さんが中盤からのリードを保ち、中押し勝ちを収めております。
第3局は、一力さんが中盤で抜け出し、中押し勝ちを収めております。
七番勝負の対戦成績は、一力さん2勝、井山さん2勝です。
一力 遼さんのご紹介
一力遼さんは1997年生まれの26才。
一力遼、芝野虎丸、許家元のお三方は「令和三羽烏」と呼ばれておりますが、現在では一力さんが1歩リードといったところでしょうか。
棋聖、本因坊、天元、碁聖、阿含桐山杯、竜星戦、NHK杯など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は現在21と日本囲碁史に残る大棋士となりました。
また、新聞社「河北新報社」の創業家が一力家であり、一力さんは名門の家だとのことです。
一力遼さんのお父さんが現在の社長で、社主のおじいさんから5才のとき囲碁の手ほどきを受けたとのことです。
井山 裕太さんのご紹介
井山裕太さんは1989年生まれの34才。
20才で名人位についてからは、破竹の快進撃を続け、井山1強時代を築きました。
日本囲碁史上初の七冠(棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段)独占を2度も達成しております。
また、年間グランドスラム(その年の七大タイトルをすべて独占)という快挙も達成し遂げております。
日本囲碁史に燦然と輝く記録であることは、間違いありません。
一時代を築いた井山さんでありますが、30才を超え、現在は、令和三羽ガラス等、新時代の挑戦者から、必死の防戦を繰り広げております。
井山さんは5才のときにテレビゲームで囲碁を覚えたとのことです。
アンケート総投票数は6票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
投票総数:6票
一力 遼さんを応援:2票(33.3%)
井山裕太さんを応援:2票(33.3%)
どちらもがんばれ!:2票(33.3%)
ご投票していただいたみなさま、ありがとうございました。
黒:井山裕太、白:一力遼
主催:読売新聞社
特別協賛:サントリーホールディングス
優勝賞金:4,300万円
持ち時間:各8時間
2024年2月15日、16日、千葉県勝浦市「三日月シーパークホテル勝浦」にて
黒:井山裕太(王座)、白:一力 遼(棋聖)
持ち時間は各8時間、1日目の消費時間は、白番の一力遼(棋聖)が4時間22分、黒番の井山裕太(王座)が3時間38分でした。44分の差がありました。
封じ手は白88
封じ手は上辺白88のハネでした。
残念ながら全員外れでした。
もう一度絶芸の封じ手の参考図を見てみましょう。
絶芸の封じ手参考図
絶芸の参考図と実戦は手順が違っているもののとても似ています。
強烈な白94のキリ
白94のキリから、難しい戦いが続いております。
難しすぎて私には全く理解できていませんが、黒109で白2子を取れたので、1眼はできました。
しかし、もうひとつ眼は必要です。
黒109までの絶芸の評価値は、白73%ですから、ほとんど差はなく激戦のようです。
一手のミスが勝敗を分けそうです。
絶芸の思わせぶりな参考図
実戦の黒113の絶芸の参考図
実戦の黒113の絶芸の参考図
実戦図より前に絶芸の参考図を示します。
黒1、3とダメを実戦の黒113である黒5。
そして、黒7のワリコミ。
白のダメが実戦より詰まっております。
攻め合いはどうなっているのでしょうか?
この参考図で、絶芸の評価値は、白71%です。
実戦の黒113では、白81%となってしまいました。
コウでがんばる黒137
黒137とコウでがんばりますが、真ん中の黒10子も囲まれていますので、いかにも苦しそうです。
絶芸の評価値は、白99.7%となっております。
この碁は178手で打たれ、白番の一力さんの中押し勝ちとなっております。
一力さんの攻めの名局だと思います。
これで、七番勝負の対戦成績は、一力さん3勝、井山さん2勝となりました。
第6局は、2月29日、3月1日の両日に神奈川県箱根町「ホテル花月園」で行われます。
楽しみですね。
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コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。