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管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ
今回は、「第49期棋聖戦Sリーグ(2024年9月12日)」をご紹介いたします。
49th Kiseisen S League (September 12, 2024)
S級優勝は井山裕太さん
第10回応氏杯世界選手権者であり、棋聖三連覇中の一力遼(棋聖)への挑戦権を争う第49期棋聖戦Sリーグの大一番が2024年9月12日に行われました。
この大一番の対局者は、序列1位の井山裕太(3勝1敗)さんと序列3位の芝野虎丸(4勝0敗)さんです。
結果からお伝えいたします。
黒番の井山裕太さんが2目半勝ちを収めました。
この結果、井山裕太さんと芝野虎丸さんが4勝1敗でSリーグ戦を終了いたしましたが、序列1位の井山さんが1位となりました。
2024年9月12日現在の棋聖戦Sリーグの成績
序列1位:井山 裕太 王座(4-1)1位
序列2位:許 家元 九段(3-2)3位
序列3位:芝野 虎丸 名人(4-1)2位
序列4位:高尾 紳路 九段(0-4)
序列5位:余 正麒 八段(1-3)
序列6位:孫 喆 七段(2-3)
(注)9月16日に高尾紳路 九段、余正麒 八段の最終戦が行われます。
S級降格者は下位2名で、A級上位2名と次回入れ替わりとなりますので、9月16日の最終戦は余正麒さんにとって大一番となります。
棋聖戦はパラマストーナメント
棋聖戦は囲碁の七大タイトルの中で一番上位とされているタイトルで、優勝賞金は4300万円です。
棋聖戦のシステムについて簡単にご説明いたします。
棋聖戦は、S、A、B1、B2、Cの各リーグがあり、Cリーグ入りを賭けてファーストトーナメント予選があります。
このファーストトーナメント予選には、アマチュアのネット棋聖戦の最上位クラスのトーナメント戦上位4名にも出場権が与えられます。
予選トーナメントは約400名、Cリーグ32名、B1、B2、Aの各リーグが8名、Sリーグが6名で行われます。
Cリーグ優勝者とBリーグ優勝者の対局の勝者がAリーグ優勝者と上位進出を賭けて対局します。
その勝者がSリーグ2位(今回は、芝野虎丸さん)と対局します。
そして、その勝者がSリーグ1位(今回は、井山裕太さん)と変則三番勝負を行い、その勝者が、一力遼さんの持つ棋聖のタイトルへの挑戦権を得ることができます。
変則三番勝負とは、Sリーグ1位に(今回は、井山裕太さん)1勝のアドバンテージを与えることです。
ですので、この対局での勝利で、井山裕太さんが一力棋聖への挑戦権に一歩近づいたことになりました。
黒:井山裕太、白:芝野虎丸
実戦図:白12まで
棋譜再生
黒小目、白二連星の布石です。
昔は、実戦のように白の星に向かっての黒の小目の向きはよくないとされていました。
しかし、現代では実戦のように平気で打たれるようになりました。
それは、白のツケヒキ定石の構えに対して、黒からの荒らしの手段がいくつもあるので、白模様が見た目ほど脅威とならないとされたからであります。
最近は、白12と構えるのを多く見るようになりました。
一時期は白12では、左上白大ゲイマに構えるのが多く見受けられました。
私は今でも白12では、左上白大ゲイマにシマりたく思います。
ところで、白12でその上(K17)をぜんぜん見なくなりました。
プロ棋士が打たなくなったということは、AI研究で結論が出た結果からだと思われます。
私としては、打たれなくなった理由(攻略手段)を早く知りたいですね。
厚みを重複させる作戦
実戦図:白44まで
棋譜再生
実戦図:白44まで
左上隅で三々入り定石の途中で手抜いて、白20とカカりました。
構わず、井山さんは左下隅に三々入り。
井山さんは地が大好きですから、4隅取ってホクホクだと思います。
白34のカケツギが弾力性に富んでおり、いろんな場面で応用がききますので覚えておいて損はないかと思います。
黒43まで左上隅と左下隅が同じ形になりました。
ポンヌキはとても厚い形なのですが、その厚いポンヌキの形を重複させようとの作戦です。
これは勉強になります。
白44とコウを仕掛けました。
芝野さんの挑発
白46のコウダテが小さかったようで、黒47と打ち抜き、黒の評価値が上がりました。
白はアタリの絶対のコウダテがあるので、コウをがんばるほかなかったようです。
逆に黒にはコウダテがなく、黒はコウを謝るほかなかったようです。
ところで、私は実戦で白46に手抜かれたことがなかったので、その後続手段が白48のワリコミから、白50、52とするのを知って、とても勉強になりました。
白56のハネはとても大きなところです。
黒57と取る一手に白58、60は気持ちが良いです。
芝野さんは、白62と上辺を宇宙流にして、井山さんに「入ってこい!」と挑発しています。
互角の半目勝負
実戦図:黒119まで
実戦図:黒119まで
井山さんは黒69とドカンと打ち込みました。
私などは、白72とされるともう生きた心地はいたしません。
黒73などはプロの手ですね。
自然な補強に見える黒89が評価値を落としました。
白90と味良く右上隅の黒4子を捕獲されたのが大きかったようです。
ここは、この黒4子を助ける方が良かったようです。
黒119とキリ、あら不思議。中央に巨大な黒模様が出現しました。
もちろん、この模様がそっくり地になっては、黒の勝ちです。
黒119までの絶芸(最強のAI)の評価値は、白51%となっており、まったくの互角の形勢となっております。
最大の勝負所のコウ争い
激闘が続いております。
黒183から巨大なコウ争いが始まりましたが、形勢は互角です。
終盤200手を超えても形勢互角の半目勝負が続いております。
近年まれにみる名局ですね。
白224までの評価値は、黒45.2%
黒225までの評価値は、白93.5%
白226までの評価値は、黒87.6%
黒225で、絶芸はG13の二目アタリを示していました。
白226では、コウの解消のチャンスだったようです。
絶芸の参考図
白226の絶芸の参考図
白226の絶芸の参考図
絶芸は、白1とコウを解消しました。
黒2の突き出しに、白3がAIのくせに芸が細かいですね。
白5を効かして、大場の白7にまわりました。
絶芸の参考図の進行で、このあと間違いなく打てば白にわずかに残るようですが、黒8に白9で、またもや大きなコウが始まりました。
この進行でも、やはり、細かいヨセ勝負だと思います。
この碁は、298手まで打たれ、黒番の井山さんの二目半勝ちとなっております。
名局でした。
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