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管理人の柿門です。(｡･(ｴ)･｡)ﾉ
今回は、「第51期天元戦予選Ａ（2024年11月28日）」をご紹介いたします。
湯飲み格言「右を打てば左に手あり」
黒：張栩、白：三村智保
本日（2024年11月28日）第50期天元戦第４局が行われ、一力 遼（天元）が芝野 虎丸（九段）に勝利し、シリーズ３勝１敗で、一力 遼（天元）がタイトルを防衛いたしました。
そして、一力 遼（天元）への挑戦者争いは、すでに始まっております。
予選C、Bの勝ち上がり者で予選Ａが始まっております。
予選Ａは、東京15枠60名、関西・中部枠6枠26名で、各枠の優勝者が本戦トーナメントに進出できます。
その本戦トーナメント優勝者が、一力遼（天元）への挑戦者となり、第51期天元位を争うことになります。
とにかく、天元位挑戦者になるまでの道のりは実に険しいのであります。
今回は、本日（2024年11月28日）行われた東京13枠の決勝戦をご紹介いたします。
張 栩（九段）、三村 智保（九段）の一戦です。
張栩先生は、史上初の五冠王、史上二人目のグランドスラム達成、世界タイトル２、タイトル総獲得数41、と大棋士であります。
長く日本囲碁界を牽引されてきました。
三村先生は、NHK杯などタイトル獲得数は４、秀行先生の門下です。
2004年から子ども教室「市川こども囲碁道場」を主宰されており、卒業生の中には、プロ棋士になられた方も多数いらっしゃいます。
また、YouTubeで日本棋士のレーティング等の囲碁情報を配信されております。
流行の布石
実戦図：白16まで
棋譜再生
実戦図：白16まで
黒は星と小目の一間ジマリ、白は二連星の布石で始まりました。
そして、白三々入りから、黒15までは現在の流行の布石であります。
白12で、黒は手抜いて他の大場にまわる打ち方がこれまでの主流でしたが、最近は後手でも黒15まで厚くする打ち方が多く見られるようになりました。
三村先生は、白16と左下隅をシマりました。
左上か左下か迷うところですよね。
ここは、絶芸先生に聞いてみましょう。
向きが違った絶芸先生
実戦の白16で、絶芸先生は上図の左上隅白16を示しました。
以下、黒25まで。
白16は向きが違うのではない？
と思いましたが、すぐに白18と迫っていますね。
また、黒19のカカリに白20の二間バサミ、黒21のツメ、黒23のワリコミ。
なるほど。なるほど。このように打つものなのですね。
一昔前のプロの対局では絶対に見られない進行です。
互角の形勢
右上隅の厚みを白26から消しに行き、小競り合いが始まりました。
黒は白３目を、白は黒４目を捕獲しました。
実戦の白64まで、絶芸（最強AI）の評価値は、黒52.3％ですから、全くの互角の形勢です。
張栩先生の猛攻
黒65、そして、黒69と張栩先生の猛攻が始まりました。
当然と思える白66ツギで絶芸は、３子を捨て早逃げを示していました。
実戦でも互角の競り合いで、黒97までの評価値は、白55.3％でした。
次の白98が評価値を落としました。
黒107までの絶芸の評価値は、黒約74％となっております。
白106でこの白の大石は生きているのでしょう。私には見えていませんが・・
猫の目のような評価値
難解な戦いが続いております。
死活がらみなので、プロ棋士の詳細な解説があったとしても、私の棋力ではついていけないことでしょう。
白158ツギまでの評価値は、黒93.8％です。
黒163アタリまでの評価値は、黒53.0％です。
黒165までの評価値は、白74.7％です。黒165では一眼を確保する方がよかったようです。
黒169までの評価値は、白59.0％です。
黒175までの評価値は、白63.2％です。
白176までの評価値は、黒86.0％です。
黒177までの評価値は、白79.8％です。
白178までの評価値は、黒80.0％です。
評価値が、猫の目のように変わっていますが、私には何が起こっているのかさっぱり分かりませんでした。
絶芸の参考図
絶芸は、実戦の白178で上図の白１を示しました。
この後の進行が見えませんが、白トリ黒二眼作って、白キリで中央に白地を作るのでしょうか？
それとも、眼を奪ってコウ争い継続でしょうか？
この参考図で絶芸の評価値は、白79.8％でした。
いずれにしても、難解な戦いであったことには間違いありません。
この碁は、262手まで打たれ、黒番の張栩先生の３目半勝ちとなっております。
張栩先生が本戦トーナメントに進出しました。
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