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管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ
今回は、「第43期 女流本因坊戦五番勝負第4局(2024年11月06日)」をご紹介いたします。
43rd Women's Honinbo Match 5th Match 4th Game (November 6, 2024)
第43期女流本因坊戦第4局
藤沢里菜(女流本因坊)に牛栄子(四段)が挑戦する第43期女流本因坊戦五番勝負の第4局が11月6日に東京都千代田区「日本棋院」で行われました。
藤沢里菜さんは、女流本因坊のタイトル四連覇中で、五連覇すると名誉女流本因坊の永世称号を獲得することができます。
すでに「名誉女流名人」「名誉女流立葵杯」の称号は持っていますので、ぜひとも欲しい永世称号であります。
挑戦者の牛 英子(にゅう えいこ)さんは、挑戦者決定トーナメントにて、準決勝戦で上野愛咲美さん、決勝戦で上野梨紗さんと姉妹を破っての堂々のタイトル挑戦です。
現在の女流四天王は、藤沢さん、上野愛咲美さん、梨紗さん姉妹、そして牛さんとなっています。
牛さんは扇興杯での優勝経験はありますが、五番勝負のタイトル戦は初出場となります。
藤沢さん2連勝、牛さん1勝で迎えた注目の第4局。後がない牛さんの巻き返しに期待がかかります。
【参考記事】
藤沢 里菜さんのご紹介
藤沢里菜さんは1998年生まれの現在26才。
7才の時に洪清泉先生が主宰する洪道場に入門して、本格的に囲碁を始めました。
15才9か月で第1回会津中央病院杯にて優勝して、当時の女流棋戦最年少優勝記録を樹立し、16才1か月で女流本因坊を獲得いたしました。
現在すでに女流棋士タイトル獲得数は25期となり、日本囲碁史に残る女流棋士となりました。
前回の第71回NHK杯でのベスト8進出は、記憶に新しいと思います。
昨年は世界戦の呉清源杯で、大活躍され準優勝いたしました。
現在の日本囲碁界の悲願である世界戦での優勝も期待されております。
また、藤沢里菜さんは、父に藤澤一就八段、祖父に藤沢秀行名誉棋聖、伯従父に藤沢朋斎九段をもち、囲碁のエリート血統でもあります。
終盤が強いこと、半目勝負に強いことなどから「りーなゼロ」と呼ばれております。
藤沢里菜さんは6才の時にお兄さんが碁を打つ姿を見て面白そうと思い碁を始めたとのことです。
牛 英子さんのご紹介
牛 英子(にゅう えいこ)さんは1999年生まれの現在25才。
中国の棋士であったお母さんが日本に渡り、晩年の呉清源先生の助手として支えたとWikipediaにありました。
おかあさんと呉清源先生を見て自然と囲碁に興味を覚え、5才のときに囲碁を始めたそうです。
少年少女囲碁大会では、中学1年生、2年生で5位入賞。3年生で準優勝しております。
2015年4月に15才で入段プロ入り。
2022年第7回扇興杯にて初タイトル。翌年2023年第8回扇興杯も優勝し連破となりました。
扇興杯はトーナメント戦のため、タイトル戦の番碁は初挑戦となります。
アンケート総得票は10票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
得票総数:10票
藤沢里菜さんを応援:3票(30.0%)
牛 英子さんを応援:4票(40.0%)
どちらもがんばれ!:3票(30.0%)
目標の10票到達です。\(^ ^)/ バンザーイ
ご投票をしていただいた皆さま、ありがとうございました。
引き続き、ご声援をよろしくお願いいたします。
黒:藤沢里菜、白:牛英子
後援:共同通信社、日本棋院
優勝賞金:550万
持時間:各4時間、秒読み残り5分前より
タイトル戦での持ち時間各4時間は、長い部類に入ります。
2024年11月06日、東京都千代田区「日本棋院」にて
黒:藤沢 里菜(女流本因坊)、白:牛 英子(四段)
現代は序盤が速い
黒は金毛流、白は二連星の布石で始まりました。
金毛流は、最近のタイトル戦でよく打たれていますね。
里菜さんは、黒9までほとんどノータイム。
牛さんは少し考えて、白10のヒラキ。
白12のカタツキは、現代では見慣れた手法のひとつとなりました。
21世紀の碁を先取りして、呉清源先生が白12のカタツキを推奨しても、当時のプロ棋士は見向きもしませんでした。
今では私でも白12のカタツキがとてもよく見えるようになりました。
私は、呉清源先生と木谷実先生が現代のAIの感性に一番近いと思っています。
白16の下ツケで初めて里菜さんの手が止まりました。
「今日のハマグリは重い」は、梶原武雄先生の名セリフとされております。
二日制の対局で持ち時間があるとはいえ、一日目に9手しか進まなかった時のセリフです。
ちなみにハマグリとは白石の素材です。
現代では、序盤は研究成果を披露する場であり、序盤で時間を使わざる得ない状況とは、研究が足りないことの証明でもあります。
ゆえに、現代のプロ棋士の対局では、序盤に時間を使うことはあまりありません。
これは、将棋界でも同じです。
現代では序盤の研究量で勝率が大きく変わることになりました。
牛さんの名局
実戦図:黒99まで
棋譜再生
実戦図:黒99まで
黒35を打ったあとイスにも関わらず里菜さんは正座いたしました。
私も若いころ、会社で集中するときは、椅子の上に正座していました。
牛さんは、初めての番碁で第1局、第2局は実力を出し切れずにずるずると終わったように私には見えました。
第3局の逆転劇で、それが一気に吹っ切れたかのようにここまで、牛さんの名局です。
白92、94、96と、冴えに冴えています。
黒99までの絶芸の評価値は、白75.4%であります。
気になる残り時間
大石の死活がからみ難局でありますが、黒145まで絶芸の評価値は、白99.1%とこのまま、終局に向かいそうな進行でした。
唯一の気がかりは、牛さんの残り時間が20分。対する藤沢さんは1時間12分と残り時間に差があることでした。
形勢は互角に
黒155とコウに弾いてコウ争いが始まりました。
お互いの中央の大石、上辺の黒石、左下隅の黒石の死活がからむ激戦が続いています。
牛さんは持ち時間を使い切り、白178から秒読みとなりました。
対する藤沢さんは、残り1時間ありました。
黒183まで白99.3%
黒189まで白90.1%
白192まで白55.0%
ここで、とうとう形勢不明となりました。
藤沢さんの終盤の追い込みもさすがであります。
里菜さんの錯覚
互角の形勢でしたが、白198で評価値が黒に傾きました。
白204までの絶芸の評価値は、黒93.5%となりました。
評価値的には黒勝勢となりましたが、藤沢さんは大きな錯覚をしていました。
白208に石が来ると左下隅黒の眼が怪しくなってしまいます。
錯覚の証明図
黒がカケツギを打った場合の図:黒1から白4まで
黒がカケツギを打った場合の図:黒1から白4まで
単純に白2から白4まで。
白208に石が来ると白4が成立してしまいます。
隅の黒石が取られてしまいます。
黒205で、絶芸は次の図を示していました。
絶芸の参考図
黒1と二目にして捨てることにより、先手で黒3に石を持っていき、左下隅の黒生きを確保しました。
さすがに上手ですね。
この碁は、226手まで打たれ、白番の牛英子さんの中押し勝ちとなっております。
これで五番勝負の戦績は、2勝2敗となりました。
最終決戦の第5局は、11月15日に、日本棋院で行われます。
楽しみですね。
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大切に読ませていただきます。