福岡に帰省した際(2013年頃)に父より西日本新聞の連載の切抜きをもらいました。
日経新聞でいえば「私の履歴書」のようなもので、大竹英雄先生の「石心」です。
(せきしん と読みます。大竹先生の座右にある言葉であります。)
79回の長期連載で、これは、連載18回目にして、初めて紹介された棋譜です。
大竹先生(18才)が木谷先生の内弟子になった試験碁から10年目の対局です。
内弟子が師匠に対局で教わるのは、入門時の対局と内弟子卒業時の対局の2局だけでありました。
黒:大竹英雄 白:木谷実 2子局 1960年10月の対局です。
(左図)
黒18は、良い雰囲気です。
黒42は、白43と愚形で謝るところを見るとこう打つ一手なのでしょう。
私だとノータイムで44とノビてますね。
黒48とオシて、調子で50とハザマを衝きます。
(右図)
西日本新聞(2012年11月10日)の石心より、大竹先生の解説。
木谷先生は白51を捨て石に手順を尽くして対抗し、黒50の石を取り込みながら、逃げ切ります。
しかも攻めていたはずの左右の白石がつながり、黒はもう攻められません。
しかし、白石を攻めたことによって白石の周りに黒石の壁ができています。
これが「厚み」です。
地になっていませんが、壁が周囲を威圧し、白は容易に近づけません。白69と隅っこから侵入します。
黒は悠然とこれを追い出します。
白は71から77と逃げますが、いつの間にか下辺の白2子が黒に包囲される。
黒82から逆襲に転じ、この白を撃破するのです。
以下、276手まで続きますが、黒82が決め手。
黒が16目勝ちとなりました。地にこだわらず、伸び伸びと打てた一局。
局後に木谷先生から褒めていただいた手も何手かありました。
この対局は、2子局の名局として有名であり、現在でも院生の教材に使われているいるとのことです。
アマチュアにとっても、お手本となる厚い碁です。
高木祥一九段がまだ院生のころ、この碁をくり返し、くり返し、並べて2目上達したとのことです。
総譜は外部リンクいたしましたので、そちらで終局までご確認ください。
つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
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