井山裕太(本因坊)に一力遼(棋聖)が挑戦した第78期本因坊戦は、井山本因坊が2度のカド番をシノギ、7番勝負の行方は最終の第7局にもつれこみました。
最終の第7局が、2023年7月20日、三重県鳥羽市にある伊勢志摩国立公園/鳥羽温泉郷 戸田家で行われました。
「戸田家」の開業は1830年と約200年の歴史がある老舗の旅館であります。
こちらでは、本因坊戦、名人戦、王座戦など数々のタイトル戦が行われてきました。
本因坊戦が行われるのは、2021年の第76期第6局以来で2年ぶり。
囲碁界が、とてもお世話になっている旅館であります。
この最終の第7局で使用される碁盤と碁石は、戸田家所蔵のものになりますので、両対局者が一昨日、箱に揮毫(きごう)しております。古くは、昭和29年(1954年)の本因坊戦挑戦手合、本因坊秀格、杉内雅男戦において使用された立派な碁盤と碁石も所蔵されております。
また、この対局は、戸田家、嬉春亭の15階の貴賓室、万景の間にて行われました。
万景の間よりの見晴らしは、それはそれは素晴らしいものだそうです。
前夜祭でのコメント
*井山裕太本因坊
「何度も戸田家で対局し、お世話になってきた。安心して対局に臨める。
自分なりにベストを尽くし、今期お世話になった人たちへの感謝を込めて戦う。」
自分なりにベストを尽くし、今期お世話になった人たちへの感謝を込めて戦う。」
*一力遼棋聖
「三重県には対局で来ているが、戸田家は初めて。
由緒ある会場で対局できて光栄。最後なので、悔いのないようにやれれば。」
由緒ある会場で対局できて光栄。最後なので、悔いのないようにやれれば。」
井山本因坊の不滅の12連覇なるか!
一力棋聖が初の本因坊のタイトルを獲得するのか!
両者の最終決戦です!
持ち時間は、各8時間です。
1日目の消費時間は、井山裕太(黒)3時間49分、一力遼(白)3時間12分でした。
それでは、2日目の対局を見ていきましょう。
(10時のおやつ)
井山さんは、アイスコーヒーのみ。
一力さんは、アイスレモンティーと完熟マンゴープリン。
井山さんは、アイスコーヒーのみ。
一力さんは、アイスレモンティーと完熟マンゴープリン。
(お昼ごはん)
井山さん
キノコと海鮮のパスタ(エビ、アサリ、アワビ)、冷パンプキンスープ、ミニサラダ彩り野菜、白桃シャーベットフルーツ添え。
一力さん
ムクゲの花が添えられた伊勢茶そば(ざるそば)、玉子豆腐、鰻胡巻き、彩り稲荷、フレッシュサラダ、白桃シャーベットフルーツ添え。
井山さん
キノコと海鮮のパスタ(エビ、アサリ、アワビ)、冷パンプキンスープ、ミニサラダ彩り野菜、白桃シャーベットフルーツ添え。
一力さん
ムクゲの花が添えられた伊勢茶そば(ざるそば)、玉子豆腐、鰻胡巻き、彩り稲荷、フレッシュサラダ、白桃シャーベットフルーツ添え。
(3時のおやつ)
両対局者ともに、季節のフルーツ盛り合わせとアイスコーヒー。
昨日とは中身が違います。
両対局者ともフルーツ盛り合わせは、大好物のようですね。
両対局者ともに、季節のフルーツ盛り合わせとアイスコーヒー。
昨日とは中身が違います。
両対局者ともフルーツ盛り合わせは、大好物のようですね。
黒:井山、白:一力
封じ手は黒71(E16)
(左図)
封じ手は黒71(E16)のツケでした。
4人とも予想は外しました。
この黒71は、絶芸と考え方は同じで、この辺に黒石を持ってきて、黒73のキリを強烈にする狙いだと私は思っていました。
すぐに黒73とキリを入れたので、、ここからいつもの派手なドンパチが始まるものと思っていたのですが、そのような進行にはなりませんでした。
左図終了の白82(P15)の時点で、絶芸(最強の囲碁AI)の評価値は黒81.1%でした。
普通に見える黒85が
(右図)
黒85(O14)で、一気に黒の評価値が、62.8%まで落ち込みました。
わずか3手の進行で18.3%も落ちてしまいました。
黒85が、そんなに悪い手に見えるでしょうか?
囲碁の難しさが実感できますね。
では、黒85での絶芸(最強の囲碁AI)の参考図を次図で見てみましょう。
絶芸の参考図
(左図)
絶芸は、黒1、3で白4と受けさせてから、黒5と上辺を消しに行きました。
白10まで示して、この参考図の進行であれば、黒77.7%の評価値でありました。
黒5と上辺を消しに行かなければならないのであれば、そもそも、左白を厚くせずに、封じ手の段階で、上辺に黒石を持って行った方が良かったのではないかと素人考えをしてしまいます。
ついに白が逆転
(右図)
黒93(D13)のハネで逆転してしまいました。
白が評価値60.9%となりました。
次図で、絶芸の参考図を見てみましょう。
続:絶芸の参考図で黒62.9%
(左図)
黒1からアジをつけて、黒7と上辺に飛び込みます。
AIであれば、このような死活は、お手の物でしょうが、人間ではなかなか、生きるのに骨をおりそうです。
私であれば、ほとんど取られると思います。
この絶芸の参考図の進行で、黒62.9%ですから、ほとんど互角と言えます。
やはり、上辺を決死な思いをして飛び込まなければならない状況にしたことが黒の苦戦の一因ではないかと思います。
一力本因坊誕生!
(右図)
白106で、黒2子捨て、白112で黒3子捨てて、黒113とツナぎました。
後手で上辺を荒らしましたが、犠牲の方が大きかったようです。
白に114と最後の大場を占められて、白の評価値が88%となりました。
これ以降は、黒にチャンスはなかったようです。
この碁は、218手まで打たれ、白の中押し勝ちとなっております。
井山さんは、12連覇ならず!
井山さん、おつかれさまでした。
一力さんが初の本因坊のタイトルを獲得をいたしました。
一力さん、おめでとうございます!
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