購買層が限られておりますので、出版してしばらくすると絶版になってしまいます。
ゆえに、ここでご紹介した棋書もすでに書店の店頭にはないかもしれません。
その点はご了承をお願いいたします。
古典名局選集 「剛腕丈和」
著者:高木祥一(九段)日本棋院
先、井上安節、本因坊丈和
時に丈和35才、安節24才です。
丈和は晩年、この年代の頃が打ち盛りだったと振り反っておりますので、全盛期と言えると思います。
安節(幻庵因碩)は、この碁を後年の自書である「囲碁妙伝」で猛烈に自己批判しているそうです。囲碁妙伝は、自らの打碁に、血を吐くような自省の評をたたきつけ、碁打ちの本音へとせまる名著とされております。
妙手!白54!
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(左図):実戦図、白34まで
小林光一先生は、黒31の二間トビに関して、「ここまで進めたいね。一間だと出足が遅いから」
そして、「白32,白34がなんとも鋭い突っ込みです。」と解説されています。
(右図):実戦図、白54まで
「堂々の戦いだけど、白42など丈和の石にはねばりがあります。そして、黒が51、53といい気になっているところへ、白54!の妙手が出ました。」との小林光一先生の解説です。
黒51は打ちすぎで、M11(44の下)とハネるべきだったと高木祥一先生の解説です。
「白54は大妙手です。こんな手、気がつけってのが無理だもの。子供の頃、並べて感動したのを覚えていますよ。しかも、これに似た妙手がもう一回出るんですね。」と小林光一先生が述べています。
(左図):黒55の参考図その1、(右図):黒55の参考図その2
(左図):参考図
黒1、3は、白4子を取っても、白まで外側をがっちりと決められてだめ。
(右図):参考図
黒1は、白2、4の反撃にあい、黒ツブレです。
妙手!白80!
白80!これにも子供の頃、感心した記憶があります。
先の白54もそうだけど、こういう手は、碁になかなか出てこないスジでしょう。それが大事なお城碁で出るところが、丈和の丈和たるゆえんです。
私も一時期、ずいぶんと丈和を並べましたよ。とくに全盛時代の全集第二巻をね。
とにかく手筋が絶妙でしょう。戦いの手筋を学ぶには丈和、というのは本当ですね。(右図):実戦図、黒161(J2)まで、(注:百の位が表示されていません)
高木先生「下辺の攻防もいろいろあるけど、見事なものですよ。何か二人の心理的な確執といったものを感じるね。」
小林先生「悪ライバルだから、どうしても感情的になるのでしょう。丈和と幻庵因碩といえば、必ずこんな碁になってしまう。(笑)」
高木先生「この二人は、若いころからこういう碁ばかり打ってるからね。(笑)こういう碁は、現代じゃなかなか出来ない、」
この碁は、296手まで打たれ、白の12目勝ちとなっております。
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