碁界をあげての議論に発展
1928年秋の大手合の対局にて、万年コウ問題が持ち上がり、碁界をあげての議論となった。そのため、大手合が一か月中止される騒ぎに発展した。
事件の背景には、東西の対抗意識が過熱した異常な盛り上がりにあったとされている。
黒:高橋重行、白:瀬越憲作の2子局
黒:高橋重行 白:瀬越憲作 2子局 1928年10月10日、11日の秋期大手合
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セキにしていれば
(左図)の白187(T10)を、右図、白1とへこみ、白5までセキにしていれば、何も問題が起こることもなく、白の圧勝でした。
(注:盤面図の手順は、3桁表示しないようです。百の位が表示されていません。)
終局の確認を怠る
左図が終局図(302手、O2)です。
問題点は、次のように記載されています。
問題をこじらせたのは、左図の黒302(O2)で終局しているのに、(右図)瀬越が白1とダメつめ始めたことと黒も2以下これに応じて、黒の手番でダメつめ作業が終わったことにあった。
白が302で終局を確認すれば、恐らく事は重大にならなかった、といわれる。
隅の万年コウと同じ形が生じているが、盤面をみると黒が20目ほど足りない。岩佐は変だと思いながら見ていると、しまいにはダメまでつめ合い、黒の手でダメを打ちきった。
岩佐は(対局者の)高橋に向かって「もう碁はすんだから、君はコウを取ってツイで作るが良い。そうするものだ。」と告げた。
すると隣で対局していた久保松勝喜代が立ってきて、「コウのある以上は、まだ碁はすんでいない。私は無勝負を主張します。」と言い出した。
岩佐は「そういう疑義があるのなら、本因坊先生(秀哉名人)に裁定をお願いしよう。」と勝負をあずかりの形にして、その日は別れた。
秀哉名人は「302手で碁は終局し、白の勝ちと認めるが、その後終局を宣言せずに白がダメを打ったのは慣習に反し、本来の日本の碁ではない。」と主張した。
また、長老の中川亀三郎も「問題の個所はコウセキなので、白の勝ちはむろんである。しかし、白がダメまで打ったのは面白くない。」と語った。
ルールの成文化に20年要した
万年コウの問題とは別に、終局の確認についての議論が起こったわけで、このため事態は、一層紛糾しました。
四週にもわたる審査会での討論と、雑誌「棋道」の読者から寄せられる様々な反響で、一躍、この事件は、碁界の主役となりました。
対抗意識が強い、東西制は廃止されることとなりましたが、ルールの成文化には、その後20年の歳月を要したとあります。
終局については、Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説の第九条に説明されております。
総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
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