ナダレ定石とは
ナダレ定石は、囲碁の三大難解定石のひとつであります。
昭和の初めに雑誌「棋道」でのアマチュアからの質問を受ける形で長谷川章(名誉八段)が研究し、実戦に用いて定石化されたとされています。
呉清源vs高川格
(左図)
総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。 つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。 つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。
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当時、黒25はシチョウが良い時に用いる手法で、シチョウが悪い時は、27とツグのが定石とされていました。
呉清源先生は、そんな常識にとらわれず、あえて、シチョウにかかえさせて、シチョウアタリを打つ、足早な作戦です。
呉清源先生の感想では、「黒29では、Aとサガるべきだだった」とあります。
外マガリに誘導
(右図)
白32と大ナダレ定石に導こうとしますが、現代の感覚ですと、黒29があるため、定石の選択としては不適切だとのことです。
しかし、当時は、外マガリしか考えられていなかったので、外マガリであれば、ベストな定石選択となります。
(左図)
黒37が呉清源先生の新手「内マガリ」です。呉清源先生は次のように語っています。
「実は、この手があるということは前に研究したことがあります。ところがぜんぜん忘れていたのを、ふっと思い出して打ってみたのです。」
呉清源先生が打った黒37の内マガリが、それまでの研究の盲点になっていたとの事で、高川先生は「ぼくが相手のとき、こんな手を打たなくていいのに」とぼやいたそうです。
外マガリの参考図
(右図)
これは、参考図です。
当時は、黒37の「外マガリ」が定石とされていました。
(左図)
白46のオキは、ヨセ、または、コウダテとして打つ手でした。
呉清源先生は、黒51を悔やみました。
呉清源の反省
(右図)
これは、参考図です。
呉清源先生の感想は、次のとおりです。
「左図の黒51では、右図の黒51が厳しかった。白46,黒47の交換があるので、白Aがキカない」
黒53では、右図のように攻めるのが厳しかったようです。
結城九段の解説
(右図)
これは、参考図です。
結城聡九段は、次のように語っております。
左図の黒53では、黒の勢力圏なので黒53と戦いたい。黒29があるので、黒57のキリが成立します。白54でAならば、黒54、白B、黒Cとハサむ調子。白56でAのカケツギならば、黒Dで黒がやれます。
(左図)
白84(Q15)が敗着とのことです。
白84では、白A、黒84,白B、黒C、白Dの進行が良かったとのことです。
(右図)
黒95から101のカケが強烈で、白の厚みが自然と消え、黒勝勢とのことです。
この碁は、151手まで打たれ、黒番の呉清源先生の中押し勝ちとなっております。
内マガリ誕生の局で、これ以降、ナダレ定石は、内マガリが主流となりました。
ちなみにこの対局は、第1期最強戦のリーグ戦で、呉清源先生は、8勝2敗の成績で優勝されております。
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