丈和、米蔵、十番碁その4(中押し勝ち)

2024/01/31

06.名局鑑賞

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こんにちは。こんばんは。

ご訪問いただきありがとうございます。

管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ

今回は、「丈和、米蔵、十番碁その4(中押し勝ち)」をご紹介いたします。


四宮米蔵の評価

藤沢秀行先生が、並べることを勧めた棋譜は、本因坊丈和と真剣師の四宮米蔵との十番碁でした。

藤沢秀行先生は、この十番碁には名局が何局もあるとし、米蔵を現代の九段に劣らない実力と評価しております。

本因坊丈和は、自選打碁集である「国技観光」に、米蔵との対局棋譜11局の全てを載せています。このことは、丈和もまた米蔵の碁を認めていると言えるでしょう。

高木祥一先生は、「力のない専門家との打碁よりも、魂をこめて打った素人との二子局を重視した丈和の気持ち、理解できるような気がする。」と述べられています。


日本の国技である囲碁

本因坊丈和の自選打碁集である「国技観光」の国技とは、「囲碁」のことです。

とても大切なところなので、もう一度言います。

国技とは「囲碁」のことです。

1626年に御城碁がはじまり、それ以来、囲碁は、日本の国技として発展していきました。

200年前の日本人は、丈和のように囲碁は、国技との認識でありました。

そう、囲碁は国技だったのですよ。

みなさん、知っていらっしゃいましたか?

日本棋院は、2020年になって慌てて、次のように定款変更を行っております。

棋院の目的を記す、定款第3条

「我が国の伝統文化である棋道」を

「我が国の国技であり伝統文化である棋道」

に改めました。


観光とは旅行するということではなく、「光を観る」です。

「国技観光」とは、「自分の碁に囲碁の光を観る!」ですか。

自分の打碁集に自信たっぷりな、すてきなタイトルですね。


丈和34才、米蔵52才。

丈和は、当時六段でありましたが、後に「米蔵と対局した文政時代の頃が自分の全盛期だった。」と振り返っています。

それに比べると米蔵は全盛期を過ぎていたのかもしれません。

この十番碁は、米蔵の体力を考慮してか、すべて一日で打ちきったとありました。


第1局、第2局を丈和、第3局を米蔵と1勝2敗で迎えた第4局であります。

米蔵としては、前局の勝利の勢いに乗って、対戦成績を五分にしたいところであります。

二子:四宮米蔵、本因坊丈和、十番碁第4局、1820年(文政三年)12月28日


二子:四宮米蔵、本因坊丈和

実戦譜1:黒10まで


棋譜解説図(数字、記号入り)

棋譜再生

実戦譜1:黒10まで

黒10はアマチュアがよく犯す過ちです。

すぐにアタリしたくなるのがアマチュアの常であります。

ここは単に黒イとツグのが石の形です。


米蔵の狙い

実戦譜2:黒34まで


実戦譜2:黒34まで

黒34が、AIの一手(無料のAIソフト)の評価値を7目下げました。

白33に対しては、ほとんどの方が黒イと断点を守ると思います。

米蔵は中央を意識したのでしょうか。


丈和のサバキ

実戦譜3:白51まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜3:白51まで

米蔵は白35のキリを許しても、上辺黒36からの攻撃を狙っていたようです。

黒50のコスミツケに対して、丈和の白51はサバキの手ですね。

見た目でカッコイイ手に映りました。


ただでは済まない碁形

実戦譜4:黒80まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜4:黒80まで

米蔵の攻めが続きます。

黒80で白6子が閉じ込められてしまいました。

これは、ただでは済まない碁形となりました。


戦線拡大

実戦譜5:白99まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜5:白99まで

難解な戦いから白99とまたもや難解に。

私にはさっぱりわからない戦いが続いております。

白99までほぼ互角で、二子の置石のリードを黒が守っている形勢であります。

このようなヨミの戦いになると普通は、上手が勝つとしたものであります。


敗着か白109

実戦譜6:白109まで


実戦譜6:白109まで

白109が評価値を16.6目下げました。

AIの一手は、白109で、白Aを示しておりました。

おそらく、この手が敗着となるのでしょう。

この碁は134手まで打たれ、黒番、四宮米蔵の中押し勝ちとなっております。

これで十番碁の成績は、2勝2敗となりました。

1820年(文政三年)の対局はこれにて終わり、第5局は、翌年、1821年(文政四年)の1月14日に行われました、これは、またいずれご紹介いたします。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

  • 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
    よろしかったら、ご感想などをコメントでお聞かせください。



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