第49期名人戦挑戦者決定リーグ戦の成績
第49期名人戦挑戦者決定リーグ戦の最終戦が2024年7月22日に行われました。
一力遼(棋聖)が8戦全勝の好成績で、芝野虎丸(名人)への挑戦を決めました。
一力さんには勢いを感じます。
もし、一力さんが名人位を取ることになれば、四冠となり、一力、井山の二強時代に突入することになります。
第49期名人戦挑戦者決定リーグ戦の成績は、次のとおりであります。
井山 裕太 王座 6勝2敗 3位
一力 遼 棋聖 8勝0敗 挑戦者
余 正麒 八段 7勝1敗 2位
山下 敬吾 九段 4勝4敗 5位
許 家元 九段 5勝3敗 4位
関 航太郎 天元 1勝7敗 陥落
張 栩 九段 2勝6敗 陥落
志田 達哉 八段 0勝8敗 陥落
富士田明彦 七段 3勝5敗 陥落
挑戦者は一力遼さん
余正麒さんの7勝1敗の好成績は、一力、井山、芝野の次の位置である4番手の証明です。
平成四天王のひとりである、山下敬吾さんの4勝4敗のリーグ残留もお見事です。
昭和の時代から、タイトル戦挑戦者決定リーグ戦に入ることは、一流棋士の証とされてきました。
上記メンバー、他のタイトル戦挑戦者決定戦リーグのメンバーが、現在の一流棋士ということであります。
今回は、一力遼さんと余正麒さんとの対局をご紹介いたします。
結果的に今回のリーグ戦の大一番であった全勝同士の激突です。
金毛流布石
実戦図:黒5まで
棋譜再生
実戦図:黒5まで
黒5と星から小ゲイマにシマる金毛流の布石です。
当時、連戦連勝を重ねていた金毛というAIが愛用していた布石です。
昭和平成時代までは、星は一手で隅を完結しているので、星からはシマるのでななく、辺へ足早に展開するものだと教えられてきました。
ゆえに、実戦図であれば、右下隅の小目からのシマりか、中国流が多く打たれていました。
その常識を金毛が打ち破りました。
金毛流対策のスソガカリ
実戦図:白8まで
棋譜再生
実戦図:白8まで
白8とここでスソガカリです。
昭和の時代であれば、怒られそうな、超序盤の二線打ちですが、金毛流対策として、早めのこのスソガカリか、小ゲイマかかりが推奨されているとのことです。
私は、シマったところへ後からカカるのに最初は違和感がありましたが、それにも、だんだんと慣れてきたところです。
勉強になる布石
黒9に手抜いて、白10のカタツキ。
黒11に手抜いて、白12のかまえ。かっこいいです。
固いところを固めても損はない、キカシと見ています。
黒17の三間でなく、二間のかまえも注目した一手です。
対して、白18の五線のカタツキも現代流です。
白22のキリチガイも定石として覚えておきたい一手です。
黒27に対して、私はいつもツケノビていますが、実戦の白28と守ってもよいのですね。
白32のハサミに対しては、私は上へ飛ぶしか発想がありませんでしたが、黒33のサガリもあるのですね。
ここまで、勉強になる手が数多くあります。
黒45は昔からある攻撃手段です。
ここから、激戦が始まります。
ここまでの形勢は、全くの互角であります。
激闘の始まり
実戦図をご覧ください。
黒の弱い大石が2つ。
白の弱い大石が2つ。
どちらが攻めているのか分からない状況です。
一手のミスが致命傷になりそうな、激闘となりました。
勝着は黒109か
黒95、白96、黒97、白98。
白100、黒101、白102、黒103、白104、黒105。
まるで、覚えたての初心者のような打ち方ですが、逆に凄みを感じます。
激闘です。
黒109がとてもかっこいい好手でした。
私には白の敗着は分かりませんが、おそらく、黒109が黒の勝着でしょう。
この碁は、131手まで打たれ、黒番の一力遼さんの中押し勝ちとなっております。
八戦全勝の完全勝利で、一力遼さんは、芝野虎丸さんの名人位に挑戦いたします。
注目の第49期名人戦第1局は、8月27日、28日の両日に神奈川県相模原市「杜のホールはしもと」で行われます。
楽しみですね。
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大切に読ませていただきます。