丈和、米蔵十番碁その9(14目負け)

2024/07/27

06.名局鑑賞

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こんにちは。こんばんは。

ご訪問いただきありがとうございます。

管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ

今回は、「丈和、米蔵、十番碁その9(14目負け)」をご紹介いたします。


四宮米蔵の評価

藤沢秀行先生が、並べることを勧めた棋譜は、本因坊丈和と真剣師の四宮米蔵との十番碁でした。

藤沢秀行先生は、この十番碁には名局が何局もあるとし、米蔵を現代の九段に劣らない実力と評価しております。

本因坊丈和は、自選打碁集である「国技観光」に、米蔵との対局棋譜11局の全てを載せています。このことは、丈和もまた米蔵の碁を認めていると言えるでしょう。

高木祥一先生は、「力のない専門家との打碁よりも、魂をこめて打った素人との二子局を重視した丈和の気持ち、理解できるような気がする。」と述べられています。


日本の国技である囲碁

本因坊丈和の自選打碁集である「国技観光」の国技とは、「囲碁」のことです。

とても大切なところなので、もう一度言います。

国技とは「囲碁」のことです。

1626年に御城碁がはじまり、それ以来、囲碁は、日本の国技として発展していきました。

200年前の日本人は、丈和のように囲碁は、国技との認識でありました。

そう、囲碁は国技だったのですよ。

みなさん、知っていらっしゃいましたか?

日本棋院は、2020年になって慌てて、次のように定款変更を行っております。

棋院の目的を記す、定款第3条

「我が国の伝統文化である棋道」を

「我が国の国技であり伝統文化である棋道」

に改めました。


観光とは旅行するということではなく、「光を観る」です。

「国技観光」とは、「自分の碁に囲碁の光を観る!」ですか。

自分の打碁集に自信たっぷりな、すてきなタイトルですね。


丈和34才、米蔵52才。

丈和は、当時六段でありましたが、後年「米蔵と対局した文政時代の頃が自分の全盛期だった。」と振り返っています。

それに比べると米蔵は全盛期を過ぎていたのかもしれません。

この十番碁は、米蔵の体力を考慮してか、すべて一日で打ちきったとありました。


全盛期の丈和に対して、真剣師といえど素人の米蔵が五分の成績は立派だと思います。

十番碁、3勝4敗1持碁で迎えた第9局。

米蔵としては、なんとしても成績をタイに戻したいところです。

二子:四宮米蔵、本因坊丈和、十番碁第9局、1821年(文政四年)2月15日

【参考譜】

十番碁第1局

十番碁第2局

十番碁第3局

十番碁第4局

十番碁第5局

十番碁第6局

十番碁第7局

十番碁第8局


二子:四宮米蔵、本因坊丈和

実戦譜:黒20まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜:黒20まで

昔の布石は、星打ち、三々打ちが打たれることはありませんでした。

三々は鬼門とされていたようですが、星が打たれなかったのは何故なのでしょうかね。

本因坊秀栄が星打ち始め、昭和の時代になってから急速に布石の主流になりました。

この二子局では、普段見られない星への攻防が見られるのがよいですね。

黒8とコスミツケ打法です。

丈和はしっかりと白9と二間に構えます。

黒20は、この一手というくらい気持ちのよいマガリ飛びです。


シチョウ

実戦譜:黒40まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜:黒40まで

白21の二間トビは何気にAI流です。

攻めの米蔵は、すかさず黒22と二間トビの薄みを突いてきます。

白23の三々入りに黒24のグズミ受けならば、白はキカシとみます。

黒32、34は、米蔵の強引な攻めですが、黒40とシチョウにかかえた局面は黒がよく見えます。


シチョウアタリ

実戦譜:白69まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜:白69まで

白41から隅を動き始めましたが、この形は白45とコスミから動き出すところですが、それは後の研究結果なのでしょう。

白は生きることはできますが、後手なので急ぎません。

白67はシチョウアタリで、白69と連打しましたが、白69は普通は上(三々)に向かうところですね。右辺を意識した手です。


急場A

実戦譜:黒96まで


実戦譜:黒96まで

米蔵は深く黒82と入りました。

左辺の白一団を大きく攻めようという手ですが、右上隅から動いても良かったかと思いますし、そろそろ、Aと打って左下隅を取り切るのも大きなところとなっています。

白95のサガリは、その上の黒3子を切り取ろうとしていますので、黒96とカケツギます。

ここからは、お互いにAの地点が急務です。


右辺が黒模様

実戦譜:黒132まで


実戦譜:黒132まで

白が急場の101にまわり、形勢は急接近いたしますが、米蔵は右下隅にも、かまわず黒110と白を攻め続けます。

黒126、黒132と右辺を模様化し、黒優勢であります。


攻めの米蔵

実戦譜:黒140まで


実戦譜:黒140まで

米蔵の碁は攻めの碁です。

黒134から140と右下隅に手をつけていきました。

黒140では、普通に黒A、白B、黒Cくらいで十分だったのではないでしょうか。

この碁は353手まで打たれ、白番の本因坊丈和の14目勝ちとなっております。

この碁も米蔵にとっては惜しい碁でした。

この結果、十番碁の成績は、丈和の5勝3敗1持碁となりました。

残すは最終の第10局です。

米蔵の勝ち越しはなくなりましたが、次を勝つか負けるかの差はとても大きなものです。

私は米蔵を応援しています。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

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