丈和、米蔵、十番碁その5(10目負け)

2024/03/10

06.名局鑑賞

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こんにちは。こんばんは。

ご訪問いただきありがとうございます。

管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ

今回は、「丈和、米蔵、十番碁その5(10目負け)」をご紹介いたします。


四宮米蔵の評価

藤沢秀行先生が、並べることを勧めた棋譜は、本因坊丈和と真剣師の四宮米蔵との十番碁でした。

藤沢秀行先生は、この十番碁には名局が何局もあるとし、米蔵を現代の九段に劣らない実力と評価しております。

本因坊丈和は、自選打碁集である「国技観光」に、米蔵との対局棋譜11局の全てを載せています。このことは、丈和もまた米蔵の碁を認めていると言えるでしょう。

高木祥一先生は、「力のない専門家との打碁よりも、魂をこめて打った素人との二子局を重視した丈和の気持ち、理解できるような気がする。」と述べられています。


日本の国技である囲碁

本因坊丈和の自選打碁集である「国技観光」の国技とは、「囲碁」のことです。

とても大切なところなので、もう一度言います。

国技とは「囲碁」のことです。

1626年に御城碁がはじまり、それ以来、囲碁は、日本の国技として発展していきました。

200年前の日本人は、丈和のように囲碁は、国技との認識でありました。

そう、囲碁は国技だったのですよ。

みなさん、知っていらっしゃいましたか?

日本棋院は、2020年になって慌てて、次のように定款変更を行っております。

棋院の目的を記す、定款第3条

「我が国の伝統文化である棋道」を

「我が国の国技であり伝統文化である棋道」

に改めました。


観光とは旅行するということではなく、「光を観る」です。

「国技観光」とは、「自分の碁に囲碁の光を観る!」ですか。

自分の打碁集に自信たっぷりな、すてきなタイトルですね。


丈和34才、米蔵52才。

丈和は、当時六段でありましたが、後に「米蔵と対局した文政時代の頃が自分の全盛期だった。」と振り返っています。

それに比べると米蔵は全盛期を過ぎていたのかもしれません。

この十番碁は、米蔵の体力を考慮してか、すべて一日で打ちきったとありました。


全盛期の丈和に対して、真剣師といえど素人の米蔵が五分の成績は立派だと思います。

十番碁、2勝2敗で迎えた第5局。両者にとって、とても大切な局となりました。

二子:四宮米蔵、本因坊丈和、十番碁第5局、1821年(文政四年)1月14日


二子:四宮米蔵、本因坊丈和

実戦譜1:黒10まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜1:黒10まで

古碁では、隅の星打ちはほとんどありません。

時代が下がって、秀栄が数局打ってたかなってほどの、私のかすかな記憶です。

その点、置碁であれば、最初から星にあるので現代視点で分かりやすいです。

黒8、白9からの定石は、昭和のころまではよくある定石でした。


ガードを固める両者

実戦譜2:黒22まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜2:黒22まで

丈和は、白19としっかりと守りました。

米蔵も、黒22としっかり守りました。

攻撃型の二人がガードを固めているところをから、この局の重要性が感じられます。


お互いに堂々の布石

実戦譜3:白39まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜3:白39まで

これまでの4局は序盤から激しい戦闘が行われましたが、この対局は両者落ち着いた序盤となりました。

このへんは、お互いを意識してのあうんの呼吸なのでしょうか。


丈和のスソガカリ

実戦譜4:白53まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜4:白53まで

置碁でないと星打ちが見られないこの時代で、白43のスソガカリが打たれているとは驚きました。

この対局は両者、横綱相撲で勝とうとしているかのような展開です。

白53までAIの一手(無料のAIソフト)評価値は、黒が約14目リードとなっておりましたので、開始からは白が少し差を縮めております。


攻める丈和、シノぐ米蔵

実戦譜5:白79まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜5:白79まで

白57の打込みから、戦端が開かれました。

黒66が疑問手だったかもしれません。黒66では67の方が働いたかと感じます。

白79と攻められて、黒が苦しくなりました。

白79までのAIの一手(無料のAIソフト)の評価値は、黒が約5目リードと接近されております。


敗着か、黒92

実戦譜6:白97まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜6:白97まで

黒92は眼を取りに行ったのか?

白93と換わって損のように見えますがいかがなものでしょうか。

すでに評価値は白に傾いております。

この対局は米蔵のよい所がまったく見られなかったです。

丈和の下手にたいする打ち回しが絶妙だったのかもしれません。


最後の大場白141

実戦譜7:白141まで


実戦譜7:白141まで

黒140とコウをツギ、黒は二眼を確保しました。

白は最後の大場の白141にまわり、白の勝勢となりました。

一般論でありますが、黒140のような後手でギリギリ生かされる展開は負けとしたものです。

白141までのAIの一手の評価値は、白の7目リードとなっております。この後のヨセはお互いに正確で、150手以降、白10目の評価値から変動はほとんどありませんでした。

この碁は、278手まで打たれ、白番の丈和の10目勝ちとなっております。

これで十番碁の戦績は、丈和の3勝、米蔵2勝となりました。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

  • 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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