丈和、米蔵、十番碁その6(中押し勝ち)

2024/04/25

06.名局鑑賞

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こんにちは。こんばんは。

ご訪問いただきありがとうございます。

管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ

今回は、「丈和、米蔵、十番碁その6(中押し勝ち)」をご紹介いたします。


四宮米蔵の評価

藤沢秀行先生が、並べることを勧めた棋譜は、本因坊丈和と真剣師の四宮米蔵との十番碁でした。

藤沢秀行先生は、この十番碁には名局が何局もあるとし、米蔵を現代の九段に劣らない実力と評価しております。

本因坊丈和は、自選打碁集である「国技観光」に、米蔵との対局棋譜11局の全てを載せています。このことは、丈和もまた米蔵の碁を認めていると言えるでしょう。

高木祥一先生は、「力のない専門家との打碁よりも、魂をこめて打った素人との二子局を重視した丈和の気持ち、理解できるような気がする。」と述べられています。


日本の国技である囲碁

本因坊丈和の自選打碁集である「国技観光」の国技とは、「囲碁」のことです。

とても大切なところなので、もう一度言います。

国技とは「囲碁」のことです。

1626年に御城碁がはじまり、それ以来、囲碁は、日本の国技として発展していきました。

200年前の日本人は、丈和のように囲碁は、国技との認識でありました。

そう、囲碁は国技だったのですよ。

みなさん、知っていらっしゃいましたか?

日本棋院は、2020年になって慌てて、次のように定款変更を行っております。

棋院の目的を記す、定款第3条

「我が国の伝統文化である棋道」を

「我が国の国技であり伝統文化である棋道」

に改めました。


観光とは旅行するということではなく、「光を観る」です。

「国技観光」とは、「自分の碁に囲碁の光を観る!」ですか。

自分の打碁集に自信たっぷりな、すてきなタイトルですね。


丈和34才、米蔵52才。

丈和は、当時六段でありましたが、後に「米蔵と対局した文政時代の頃が自分の全盛期だった。」と振り返っています。

それに比べると米蔵は全盛期を過ぎていたのかもしれません。

この十番碁は、米蔵の体力を考慮してか、すべて一日で打ちきったとありました。


十番碁、3勝2敗で迎えた第6局。両者にとって、とても大切な局となりました。

二子:四宮米蔵、本因坊丈和、十番碁第6局、1821年(文政四年)1月23日


二子:四宮米蔵、本因坊丈和

実戦譜1:黒10まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜1:黒10まで

そういえば、最近は白7の三間ビラキを見ることがなくなりました。

私は以前から、この三間ビラキ派だったのですが、こうも見ることがなくなると、たぶん、二間ビラキの方がよいとの結論が出たのでしょう。

黒8のハサミですが、現代では右下隅へのカカりを優先いたします。


勉強になる数手

実戦譜2:白27まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜2:白27まで

白21から23、25と白の形がカッコヨイです。

黒24の構えも形のようです。

この数手の進行は勉強になります。


キリチガエから戦闘開始

実戦譜3:白35まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜3:白35まで

両者がいつものように、黒32、白33、黒34とキリチガエましたが、白は、白5、白21を軽く見てもよかったかもしれません。

白35と断点を守りましたが、黒の方が戦えそうに見えます。


米蔵の連続攻撃

実戦譜4:黒52まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜4:黒52まで

米蔵は黒38から直線的に攻めてきました。

前局とは打って変わって、米蔵本来の攻めの碁です。

白の丈和は、あっさりと米蔵の攻めをかわし、白6子をあっさりと捨てました。

白47とポン抜いた形も厚く、互角の分かれです。

白49の大場に対して、黒50、黒52と米蔵の攻めは続きます。

黒50は、好手だと思いました。


アキ三角は愚形の見本

実戦譜4:黒70まで


実戦譜4:黒70まで

米蔵の猛攻が続きますが、黒70は、形が悪いです。形が悪い手によい手はありません。

ここは、黒イと二目の頭をたたく方がよいかと思われます。

白ロをキカして、黒Aと急所に置くか、または、黒Bとノゾキ、自軍の補強と白への絡み攻めを目指す方が、アキ三角よりはよかったかと思います。


形勢は接近中

実戦譜5:白107まで


実戦譜5:白107まで

米蔵の攻めの効果で、左上隅は大きく黒地になりましたが、白107で中央の黒8子がほとんど取られてしまいました。

ここまで、AIの一手(無料のAIソフト)の評価値は、約黒8目のリードとなっております。

次は右辺の白を攻めることになり、米蔵の連続攻撃が止まりません。


終局は突然に

実戦譜6:黒172まで

棋譜解説図(数字、記号入り)

実戦譜6:黒172まで

白171は何かの勘違いでしょう。敗着となりました。

ここは白172と取り切る一手だったと思います。

この碁は184手まで打たれ、黒番の米蔵の中押し勝ちとなっております。

この碁は米蔵の攻めの名局といえるでしょう。

これで十番碁の対戦成績は3勝3敗の五分となりました。

米蔵の善戦が光ります。

次の第7局は、この十番碁の勝敗の行方を左右した、とくに有名な局となっております。

次回もお楽しみください。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

  • 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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