




【「今日の格言」と「漢字の読み方」】
有名格言「厚みに近寄るな」
漢字の読み方「挫ける」(くじける):「いじける」ではありません。
手足の関節に無理な力が加わって関節やその周りを痛める。ねんざする。勢いがなくなる。
白:秀甫、黒:秀栄
十番碁第5局、白:秀甫、黒:秀栄
明治18年(1885年)3月15日、方円社にて、秀栄の定先
過去記事にて、本因坊秀策、秀甫の十番碁をご紹介いたしましたが、その十番碁から約23年後に、秀甫、秀栄の十番碁が実現いたしました。
時に秀甫は47才。秀栄は32才。
秀栄は、秀策、秀甫の師匠である、本因坊秀和の次男です。
秀栄は、林家の養子となり十三世を継ぎましたが、十五世本因坊の長男の秀悦の急死、十六世本因坊の三男の秀元の実力不足などがあり、林家を絶家として、十七世本因坊に就くとともに方円社の秀甫を訪れ、十番碁を申し込みます。
秀甫は八段(方円社の八段)、秀栄は五段ながら定先で立ち向かいます。
しかし、この二人、12年ほど前には、年齢差はあるものの2人で美濃、尾張、伊勢などを遊歴し、あまりの放埓に宿賃に窮し人質になった逸話があるとのことで、元々は仲が良かったものと思われます。
まるで、落語の「居残り佐平次」のようですね。
十番碁第9局終了後、秀甫が第一人者であるのは明らかとして、秀栄は、宗家として秀甫に八段を贈り、同時に十八世本因坊を譲りました。
十八世本因坊となった秀甫は、即日その名において秀栄に七段を進めました。
生涯の夢が叶った秀甫は、それはそれは喜んだとのことです。
「ひと戦(いくさ)して隈(くま)もなし竹の月」と詠んだ秀甫は、最終の第10局の2か月後に亡くなりました。
十八世本因坊として残した棋譜は、十番碁の第10局のみでありました。
その第10局は「絶局」としても有名であります。
十番碁の成績
【十番碁の成績:秀栄の定先】
秀甫、秀栄ともに早打ちで、この十番碁はすべて一日で打ちきったとあります。
十番碁第5局:秀栄3目勝ち
十番碁第6局:秀甫中押し勝ち
十番碁第7局:秀栄7目勝ち
十番碁第8局:秀甫2目勝ち
十番碁第9局:秀栄12目勝ち
十番碁第10局:秀栄4目勝ち
秀甫が好きな白10
実戦図:白14まで

棋譜再生
実戦図:白14まで
黒29の打ち込みに対して、秀甫は左辺を捨てて、上辺の模様で勝負する作戦を取りました。
秀甫のコメント
「白30で白18の石を棄つるは当初からの予定も、熟考するに白38のカケが優れるを覚す」
AIの一手(無料のAIソフト)も白30では、38のカケを示していました。
黒39までの形勢は、黒が先番の利を広げています。
四連敗を免れた秀栄
上辺の白模様に対して、黒45と突入します。
勝負所です。
白56では単に58とツグ方が良かったようです。
黒61が好手で気持ちよく整形できました。
秀甫は、白88と、とんでもない所に手をつけてきました。
しかし、黒93が好手で何も事件は起こりそうにありません。
この対局の棋譜は205手まで残っており、黒番の本因坊秀栄の3目勝ちとなっております。
秀栄は、四連敗を免れ、ほっと一息だったと思われます。
近代非凡人三十一人
ところで、歴史の教科書に登場する中江兆民(東洋のルソー)の著書「一年有半」(明治34年発行)の中で「近代非凡人三十一人」を選出しております。
「余近代において非凡人を精選して、三十一人を得たり」
31人は次のとおりです。
藤田東湖、東京亭猫八(物真似)、紅屋勘兵衛(三味線)、坂本竜馬、麗々亭柳橋(落語)、竹本春太夫(三味線)、橋本左内、豊沢団平(三味線)、大久保利通、杵屋六翁(勧進帳を作曲)、北里柴三郎(生物学者)、桃川如燕(講釈)、陣幕久五郎(相撲)、梅ケ谷藤太郎(相撲)、勝安房(勝海舟)、三遊亭円朝(落語)、松林伯円(講釈)、西郷隆盛、松永和楓(長唄)、常磐津林中(浄瑠璃)、岩崎弥太郎(実業家)、福沢、越路太夫(三味線)、大隅太夫(三味線)、市川団洲(歌舞伎)、村瀬秀甫(囲碁)、市川九女八(歌舞伎)、星亨、大村益次郎、雨宮敬次郎(実業家)、古川市兵衛(実業家)
(。・(エ)・。)ノ↓ランキング参加中、ポチ応援をいただけると励みになります。




![]() マイナビ 天頂の囲碁7 Zen(対応OS:その他) 目安在庫=△ |
![]() 基本布石事典(下巻)新版 星、小目、その他 [ 依田紀基 ] |
![]() ヒカルの囲碁入門 ヒカルと初段になろう! [ 石倉昇 ] |
![]() ひと目の詰碁 (マイナビ囲碁文庫) [ 趙治勲 ] |
こんばんは ☆
返信削除「秀甫、秀栄、十番碁第5局」を拝見しました。
このごろ、関節やその周りを痛めています。 (;´Д`)
Ounaさま、いつもコメントをありがとうございます。関節が痛いのは大変ですね。早く痛みが取れますよう祈っております。_(._.)_
削除