ヒカルとアキラの3局目(ヒカルの碁より)

2023/08/04

09.古碁を楽しむ

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たぬさん
ヒカルの碁は、楽しかったよね~
佐為がいるときの方が好きだったよ。


ぱんさん
そうそう。楽しかった。漫画の効果は偉大です。
あのような囲碁ブームの再来を夢見ていますよ。





ヒカルの碁は日本だけでなく、海外でも多く出版され愛された漫画です。

碁のルールが分からずとも楽しく読めるこの作品は、碁に対して世界中の子供たちに興味を持たせ、碁の発展に大きく寄与いたしました。

以下は、ウィキペディアより、要約です。

ヒカルの碁の作者と監修

『ヒカルの碁』(ヒカルのご)は、ほったゆみ(原作)と小畑健(漫画)による囲碁を題材にした日本の少年漫画。
日本棋院所属の女流棋士・梅沢由香里が監修を務めた。

ヒカルの碁の概要

平凡な小学生の少年が天才囲碁棋士の霊に取り憑かれたことで囲碁の世界に巻き込まれ、「神の一手」を目指す姿を描く作品。
話の主軸は少年の成長であり、緻密で繊細な作画と熟考されたストーリーで人気を博した。
主人公ヒカルと佐為の出会いやアキラとのライバル関係を描いた第一部「佐為編」、その後のヒカルの活躍を描いた第二部「北斗杯編」からなっている。

ヒカルの碁のあらすじ

運動好きで頭を使うことが嫌いなごく普通の小学校6年生である進藤ヒカルは、祖父の家で古い碁盤を見つける。
碁盤の血痕に気づいたヒカルは、その碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)の霊に取り憑かれる。
非業の死を遂げたという佐為はかつて棋聖・本因坊秀策にも取り憑いていたという。囲碁のルールも歴史も知らないヒカルであったが、「神の一手を極める」という佐為にせがまれて碁を打ち始める。
以降、佐為はヒカル以外には姿も見えず会話もできず、物を動かすことすら出来ない存在であることを前提に物語は進む。

今回の対局のあらすじ

*今回の対局のあらすじ
ヒカルは、ひょんなことから小学生なのに中学の囲碁大会に葉瀬中の三将として出場し、佐為の力で強豪・海王中を降して活躍する。
そして4月になり葉瀬中に入学すると囲碁部に入り、今度こそ自分の実力での団体戦勝利を目標とする。
一方、海王中に入るも、その力量差により中学囲碁に興味のなかったアキラは、自分より強いはずのヒカルが囲碁部に入ったと知って驚く。
さらに、アキラはヒカルとの再対局を望むものの、佐為ではなく自分の力で勝負したい彼によって対局を拒絶されたため、彼と戦いたいという一心で力量的に不相応な中学囲碁の大会へ出ることを決め、周りと軋轢を起こす。
紆余曲折の後、大会でヒカルとアキラの対局が実現する。
当初、アキラの熱意に負けて佐為に打たせていたヒカルであったが、やはり自分の実力で戦いたいと途中から自らの考えで打ち始める。
しかし、素のヒカルの力量ではアキラに勝てるはずもなく、また、念願の勝負が叶ったアキラは声を荒げて失望し場を去る。
だが、その石運びはヒカルの才能の片鱗を見せていると佐為は捉える。
ヒカルに失望したアキラは早くプロとなることを誓い、改めて父の背中を目標に定めるが、かつてのヒカルとの勝負は疑問に残ったままであった。


囲碁の団体戦

葉瀬中と海王中の団体戦(3人)で、大将が三谷、副将は筒井さん、三将がヒカルです。そして、海王中の三将がアキラです。

結果、葉瀬中は0-3で完敗するのですが、筒井さんの涙は、作品の中でも屈指の感動シーンでありました。

囲碁は個人の競技ですが、このシーンを見ると団体戦でがんばりたくなります。また、団体戦を経験できることが羨ましく思えます。

最初は佐為の指示どおりに打っていたヒカルですが、対局の最中、自分の考えた手を打ちたくて、打ちたくて、たまらなくなりました。その手が11の八(L12)とありました。


秀策vs秀甫

ヒカルの碁での対局は、実在の棋譜を使っております。

監修が由香里先生ですから棋譜の再現については、完璧かと思います。

調べたところ、3回目のヒカルとアキラの対局(実質の初対局)の棋譜は、本因坊秀策と秀甫(村瀬秀甫)のもののようです。

残念ながら私の棋書では、この棋譜を確認することができませんでしたので「棋譜ぅ」より対局日を手掛かりに探してまいりました。

秀甫(幼名は弥吉)は、秀策の弟弟子となります。
(注:はたちを迎えるまで、幼名の弥吉)

秀和ー秀策ー秀甫の年齢差は、調べてみると、ちょうど9歳違いでした。
この当時、師匠や兄弟子が直接教えることは、ほとんどありませんでしたが、弥吉はその人柄を愛されたか、棋才を認められたか、秀和、秀策に数多く打ってもらっているとのことです。
秀甫は、秀策と十番碁(秀甫の定先)を、6勝3敗1ジゴと勝ち越しています。
(注:ここで紹介する対局の翌年に、十番碁が行われております。また、この十番碁の第5局は、「秀策白の名局」とされております。)

この頃、秀策と秀甫は、「坊門の竜虎」、「碁界の圭玉(けいぎょく)」と称されていたとのことです。

秀和、秀策、秀甫は、それぞれ、名人級の実力者であり、棋譜も多く残されています。秀行先生は、秀甫をよく並べたと聞いております。

蛇足ですが、上記3名の外に本因坊家でこのブログに登場するであろう実力者は、今から350年前の本因坊道策、秀和の師匠である本因坊丈和、秀和のご子息である本因坊秀栄、世襲制最後の本因坊である、本因坊秀哉の4名であります。計7名の本因坊は、それぞれ強く有名でありますので、名前は丸暗記しましょう。


黒:村瀬秀甫、白:本因坊秀策 1860年8月18日

棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜解説(数字、記号入り)

(左図)

きれいな布石です。現代碁と変わらないですね。

ここまで全くの互角です。

最近は、AIにより白16のツギが、F18のハイに変わりつつあります。黒7の動き出しが煩いとの評価です。


(右図)

白46のスベリはおおきな所ではありますが、黒47がお互いの必争点でした。黒が先着することにより、黒の弥吉が一本取った展開です。


棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜解説(数字、記号入り)

白78が11の八

(左図)

白78(L12)が11の八です。
(注:碁盤の座標表示で、L12が国際式、11の八が日本式です。

この棋譜が正しければ、ヒカルが打ちたくて打ちたくてたまらなかった手が白78です。

漫画では、白76までが佐為、白78からは、ヒカルが打っていることになっています。ちなみに黒77までの形勢は、全くの互角です。コミがないので、コミ分黒良しの形勢です。

白78とヒカルは、ゲタでしっかり取りたかったのでしょう。


(右図)

漫画では、佐為からヒカルに変わり、ヒカルが碁を滅茶苦茶にして、アキラが怒るような展開が描かれていますが、実際には秀策が打っているのですから、黒91まで互角です。

やはり、コミ分が黒のリードとなっています。


棋譜解説(数字、記号入り)
棋譜解説(数字、記号入り)

(左図)

白100、104、110とAIの一手(無料のAIソフト)の評価の悪手が打たれます。

この辺から差が少しづつ広がっているようです。


(右図)

白126が悪手、そして、敗着が白128でした。

白128のツギでは、Aと連絡するほうが良かったようです。

次の黒129を見て、秀策は投了しています。

白は、真ん中と右辺にまだ生きてない石があります。両方の石をシノグのは容易ではありません。

たとえ、シノげたとしても相当な攻めを喰らいますので、形勢は広がる一方だと思います。投了はしかたのないところでした。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

  • 最後までご覧いただきありがとうございました。
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    囲碁とは黒と白が交互に打って、自分の陣地の大きさを競うゲームであります。碁盤の目は361あり、黒白交互に打つと10の360乗ものパターンがあり、無限の世界と言われております。また、囲碁は、礼節を重んじ、礼に始まり礼に終わる競技でもあります。私はネット碁を楽しんでおりますが、ネット碁のおかげで囲碁は世界中に広まり、世界中で楽しまれるようになりました。囲碁に国境はありません。そんな囲碁の魅力や楽しさを少しでも伝えることができればと考えております。

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