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管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ
今回は、「第50期天元戦五番勝負第2局(2024年10月18日)」をご紹介いたします。
50th Tengen Match 5th Match 2st Game (October 18, 2024)
第50期天元戦第2局
一力 遼(天元)に芝野 虎丸(名人)が挑戦する、第50期天元戦五番勝負の第2局が10月18日に北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」で行われました。
第1局を先勝し、一力 遼(天元)は、二連覇を目指します。
対する挑戦者は、芝野 虎丸(名人)です。
両者は現在、名人戦も争っております。名人戦七番勝負の第4局までの戦績は、芝野名人1勝、一力天元3勝となっております。
また、先の第31期 阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦の決勝戦でも両者はぶつかり、一力さんが半目残して、優勝しております。
七大タイトルの保持者
天元戦は、囲碁の七大タイトルのひとつであります。七大タイトル以外のNHK杯や新人王戦なども「タイトル」でありますので、タイトル数には含まれることになります。
七大タイトルの序列は次のとおりです。
1位:棋聖(4300万円、二日制、七番勝負、持ち時間各8時間)
2位:名人(3000万円、二日制、七番勝負、持ち時間各8時間)
3位:王座(1400万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
4位:天元(1300万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
5位:本因坊(850万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
6位:碁聖(800万円、五番勝負、持ち時間各4時間)
7位:十段(700万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
2024年9月末現在の七大タイトルの保持者は次の3名であります。
一力 遼 (棋聖、天元、本因坊)
芝野 虎丸(名人)
井山 裕太(王座、碁聖、十段)
現在の三強であります。
2024年10月18日現在、三人による闘争中タイトル戦は、次のとおりです。
天元戦(一力vs芝野)
名人戦(芝野vs一力)
王座戦(井山vs芝野)
三強の争いはますます激化しております。
一力 遼さんのご紹介
一力遼さんは1997年生まれの27才。
一力遼、芝野虎丸、許家元のお三方は「令和三羽烏」と呼ばれておりますが、現在では一力さんが1歩リードといったところでしょうか。
棋聖、本因坊、天元、碁聖、阿含桐山杯、竜星戦、NHK杯など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は、現在26と日本囲碁史に残る大棋士となりました。
そして先日の第10回応氏杯世界選手権での優勝は日本の囲碁ファンに感動をもたらしました。
また、新聞社「河北新報社」の創業家が一力家であり、一力さんは名門の家だとのことです。
一力遼さんのお父さんが現在の社長で、社主のおじいさんから5才のとき囲碁の手ほどきを受けたとのことです。
芝野 虎丸さんのご紹介
芝野虎丸さんは1999年生まれの24才。
芝野さんは、入段から史上最短での全棋士参加棋戦優勝、史上最年少での七大タイトル獲得、名人戦リーグ入り、本因坊戦リーグ入りするなど、たくさんの最年少記録を打ち立て、デビュー当時から注目の逸材でありました。
なかでも、2019年に史上最年少(19才11か月)で名人を獲得後、すぐに井山さんから王座のタイトルまで奪い、20才で二冠を達成したときには碁界に衝撃が走りました。
名人、王座、十段など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は、現在12と三強の一角として、活躍されております。
虎丸さんは、「ヒカルの碁」のファンだったご両親の影響で、5才くらいのころから囲碁を始めたとありました。また、一力遼さんや藤沢里菜さんといっしょの「洪道場」の出身であります。
虎丸さんはデビューがとても華々しかったのに比べ、最近は少し伸び悩んでおられるような印象を私は受けます。世界をも狙える逸材と信じておりますので、もう一段の高みを目指してがんばっていただきたく思っております。
アンケート総得票は6票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
得票総数:6票
一力 遼さんを応援:1票(16.7%)
芝野虎丸さんを応援:2票(33.3%)
どちらもがんばれ!:3票(50.0%)
目標の10票が遠いです。もっとがんばらないと票は伸びませんね。
ご投票をしていただいた皆さま、ありがとうございました。
芝野さんは、天元戦、名人戦、王座戦とタイトル戦が続きます。体調管理も大切になりますね。
黒:一力遼、白:芝野虎丸
主催:新聞三社連合、日本棋院、関西棋院
優勝賞金:1,200万円
持ち時間:各3時間
第50期天元戦五番勝負第2局(2024年10月18日)
北海道札幌市「京王プラザホテル札幌」にて
黒:一力遼、白:芝野虎丸
星と小目の一間シマリ
実戦図:白6まで
棋譜再生
黒は、星と小目一間のシマリ。
白は、二連星の布石で始まりました。
今月は、タイトル戦が目白押しです。
この対局の二日前に、芝野名人は、王座戦第1局を東京「グランドプリンスホテル新高輪」で行っており、本日は、北海道札幌で、この対局を行っております。
対局以外にも、対局場検分、インタビュー取材、イベント等、たくさんのお仕事もこなさなければいけないので体調管理が大変だと思います。
黒の星と小目の一間シマリの構えは、その二日前の王座戦にて芝野名人が採用しました。
今回は、一力天元が採用いたしました。
私は、小目の一間シマリはほとんど打ったことがありません。
スソがスースーしているのが、どうも気になってしまいます。
小ゲイマにかかられたら、どうしようといつも考えてしまいます。
現代流定石を覚えよう
実戦図:白26まで
棋譜再生
実戦図:白26まで
星に白小ゲイマかかり、黒一間受けに対して、白8ノゾキは、現代の打ち方です。
黒9ツギに白10スベリ。
黒11で三々に受けるのは、黒9が泣きます。
黒11が定石です。
初見の方は、ぜひとも丸覚えしてしまいましょう。
一間バサミに対して、黒17と三々に変化する定石は、昔からありますが、24と打つのが現代流です。
白26といやらしいカカリです。
黒はどう打ちますかね?
趣向が評価値を落とす
黒27のカタツキが、悪手になることはありませんね。
黒31は趣向だと思いますが、やはり、形が悪く、評価値を16.6%落としました。
普通にツケノビで十分でした。
白二目を捨て、白40、黒41の分かれは、素人目にも白がよく見えます。
上辺での小競り合いのあと、白58と構えたところに黒59がなんとも言えない位置にあります。
ここからは、激闘必至であります。
自然なツギが評価値を落とす
激戦が続いています。
白102のノゾキに対して、黒103ツギは自然な手ですが、この黒103ツギが大きく評価値を下げました。
絶芸の捨て石大作戦
黒103の絶芸の参考図
黒103の絶芸の参考図
なんと!
絶芸は左辺を捨てて、左上白石を攻める作戦を示しました。
捨て石大作戦ですね。なるほど。この白の大石を攻めることにより、右辺を大きくまとめようというものだと思われます。
この参考図で、黒78.1%、実戦のツギは黒11.3%の評価値となっております。
芝野名人の貫録の一手
実戦図:白132まで
実戦図:白132まで
白132が勝着でしょう。
名人の貫録の一手です。
左上白一団の眼は、はっきりとしていません。
それを承知での白132は「攻め合いになっても大丈夫ですよ」と主張しています。
白114とノビ切って、右辺の黒模様を削減してます。
白は大石が取られなければ十分で、セキにはなりそうです。
この碁は、178手まで打たれ、白番の芝野さんの中押し勝ちとなっております。
これで、対戦成績は1勝1敗。
注目の第3局は、2024年11月9日に福岡県久留米市「久留米シティプラザ」で行われます。
楽しみですね。
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大切に読ませていただきます。