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管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ
今回は、「第72期王座戦五番勝負第3局(2024年11月26日)」をご紹介いたします。
72nd Championship Match 5th Round 3 (November 26, 2024)
湯飲み格言「二目にして捨てよ」
第72期王座戦第3局
井山 裕太(王座)に芝野 虎丸(九段)が挑戦する、第72期王座戦五番勝負の第3局が11月26日に兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われました。
井山 裕太(王座)は、四連覇を目指します。
対する挑戦者は、芝野虎丸(九段)です。
両者は今年の十段戦でも激突しており、2勝3敗の戦績で、井山さんが十段のタイトルを芝野さんより奪取しております。
今回は芝野さんが挑戦者なので、是が非でもリベンジしたいところです。
七大タイトルの保持者
王座戦は、囲碁の七大タイトルのひとつであります。七大タイトル以外のNHK杯や新人王戦なども「タイトル」でありますので、タイトル数には含まれることになります。
七大タイトルの序列は次のとおりです。
1位:棋聖(4300万円、二日制、七番勝負、持ち時間各8時間)
2位:名人(3000万円、二日制、七番勝負、持ち時間各8時間)
3位:王座(1400万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
4位:天元(1300万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
5位:本因坊(850万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
6位:碁聖(800万円、五番勝負、持ち時間各4時間)
7位:十段(700万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
2024年10月末現在の七大タイトルの保持者は次の2名であります。
一力 遼 (棋聖、名人、天元、本因坊)
井山 裕太(王座、碁聖、十段)
現在の二強であります。
10月31日に一力さんが芝野名人より「名人位」を奪取いたしましたので、芝野さんは無冠となりました。
井山 裕太さんのご紹介
井山裕太さんは1989年生まれの35才。
現在のタイトル総獲得数は76で歴代1位であります。
20才で名人位についてからは、破竹の快進撃を続け、井山1強時代を築きました。
日本囲碁史上初の七冠(棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段)独占を2度も達成しております。
また、年間グランドスラム(その年の七大タイトルをすべて独占)という快挙も達成し遂げております。
日本囲碁史に燦然と輝く記録であることは、間違いありません。
一時代を築いた井山さんでありますが、30才を超え、現在は、令和三羽ガラス等、新時代の挑戦者から、必死の防戦を繰り広げております。
井山さんは5才のときにテレビゲームで囲碁を覚えたとのことです。
芝野 虎丸さんのご紹介
芝野虎丸さんは1999年生まれの25才。
芝野さんは、入段から史上最短での全棋士参加棋戦優勝、史上最年少での七大タイトル獲得、名人戦リーグ入り、本因坊戦リーグ入りするなど、たくさんの最年少記録を打ち立て、デビュー当時から注目の逸材でありました。
なかでも、2019年に史上最年少(19才11か月)で名人を獲得後、すぐに井山さんから王座のタイトルまで奪い、20才で二冠を達成したときには碁界に衝撃が走りました。
名人、王座、十段など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は、現在12と三強の一角として、活躍されております。
虎丸さんは、「ヒカルの碁」のファンだったご両親の影響で、5才くらいのころから囲碁を始めたとありました。また、一力遼さんや藤沢里菜さんといっしょの「洪道場」の出身であります。
虎丸さんはデビューがとても華々しかったのに比べ、最近は少し伸び悩んでおられるような印象を私は受けます。世界をも狙える逸材と信じておりますので、もう一段の高みを目指してがんばっていただきたく思っております。
アンケート総得票は5票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
得票総数:5票
井山裕太さんを応援:1票(20.0%)
芝野虎丸さんを応援:1票(20.0%)
どちらもがんばれ!:3票(60.0%)
目標の10票が遠いです。もっとがんばらないと票は伸びませんね。
ご投票をしていただいた皆さま、ありがとうございました。
井山さんは、この王座戦は通算9期。今回は2度目の四連覇を狙います。
黒:芝野虎丸、白:井山裕太
黒13まで、手順を見ずに、ぱっと見は、昭和の布石のようにも見えます。
左下のツケヒキ定石の黒11にご注目ください。
この手は絶芸(最強AI)と一致しております。
また、黒13にもご注目ください。これも絶芸と一致しております。
このように、序盤は研究量がものを言うようです。
井山さんの棋風
右上隅は白22の三々入り、右下隅は白32から隅で根拠を得ます。
相手に地を与えない井山さんの棋風ですね。
お返しとばかり、今度は芝野さんが黒41と打ち込み、白地を荒らしに行きました。
第2ラウンドのゴングが鳴ったようです。
石の方向
黒41の打込みから上辺で競り合いが始まりました。
棋力の差が大きく出るのがこのような競り合いの局面です。私が苦手な分野であります。
黒53のワリコミは手筋の一手ですね。この一間トビへのワリコミは古来より妙手や好手が多いです。
しかし、実戦になるとそのようなことは、すっかり忘れており、私はこのワリコミをほとんど打ったことがありません。
黒71のケイマが絶芸の評価値を落としました。
絶芸の参考図
黒71の絶芸の参考図:黒71~白80まで
棋譜再生
黒71の絶芸の参考図:黒71~白80まで
絶芸先生は、実戦の黒71で上図の黒71を示しました。
これは、囲碁講座でよく出てくる攻めの方向の問題でした。
「弱い石から動く」が囲碁の基本原則です。
絶芸先生は、左上の黒石の方が弱いとして、黒71から白の大石への攻めを示しました。
黒79は意図が分かりませんでしたが・・・
黒大石が風前の灯火に
黒73ハネでも、絶芸先生は左の黒石からの動き出しを示していました。
白78、80、82と厚みを築き、白90となっては白石は強大になり、上辺黒の大石は風前の灯となってしまいました。
この碁は、116手まで打たれ、白番の井山裕太さんの中押し勝ちとなっております。
五番勝負の戦績は、井山さん2勝、芝野さん1勝となり、芝野さんはカド番に追い込まれました。
「囲碁において、カド番とは、複数回の対局により勝敗を決めるタイトル戦などの番勝負において、次の対局に負けると番勝負の敗北が決定するという状態を指します」
注目の第4局は、12月6日に神奈川県秦野市(はだのし)「陣屋」で行われます。
楽しみですね。
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大切に読ませていただきます。