丈和、米蔵、第11局(2目負け)

2024/10/12

06.名局鑑賞

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こんにちは。こんばんは。

ご訪問いただきありがとうございます。

管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ

今回は、「丈和、米蔵、第11局(2目負け)」をご紹介いたします。


四宮米蔵の評価

藤沢秀行先生が、並べることを勧めた棋譜は、本因坊丈和と真剣師の四宮米蔵との十番碁でした。

藤沢秀行先生は、この十番碁には名局が何局もあるとし、米蔵を現代の九段に劣らない実力と評価しております。

本因坊丈和は、自選打碁集である「国技観光」に、米蔵との対局棋譜11局の全てを載せています。このことは、丈和もまた米蔵の碁を認めていると言えるでしょう。

高木祥一先生は、「力のない専門家との打碁よりも、魂をこめて打った素人との二子局を重視した丈和の気持ち、理解できるような気がする」と述べられています。


日本の国技である囲碁

本因坊丈和の自選打碁集である「国技観光」の国技とは、「囲碁」のことです。

とても大切なところなので、もう一度言います。

国技とは「囲碁」のことです。

1626年に御城碁がはじまり、それ以来、囲碁は、日本の国技として発展していきました。

200年前の日本人は、丈和のように囲碁は、国技との認識でありました。

そう、囲碁は国技だったのですよ。

みなさん、知っていらっしゃいましたか?

日本棋院は、2020年になって慌てて、次のように定款変更を行っております。

棋院の目的を記す、定款第3条

「我が国の伝統文化である棋道」を

「我が国の国技であり伝統文化である棋道」

に改めました。


観光とは旅行するということではなく、「光を観る」です。

「国技観光」とは、「自分の碁に囲碁の光を観る!」ですか。

自分の打碁集に自信たっぷりな、すてきなタイトルですね。


丈和34才、米蔵52才。

丈和は、当時六段でありましたが、後年「米蔵と対局した文政時代の頃が自分の全盛期だった」と振り返っています。

それに比べると米蔵は全盛期を過ぎていたのかもしれません。

この十番碁は、米蔵の体力を考慮してか、すべて一日で打ちきったとありました。


全盛期の丈和に対しての真剣師、四宮米蔵の十番碁の成績は、丈和の5勝4敗1持碁でした。

米蔵の善戦といえるでしょう。

この碁は、十番碁からおよそ1年後に打たれたものです。この棋譜も丈和の自書に掲載されております。

十番碁当時の勝負熱は、なかったかと思いますが、専門家と真剣師の対局は、やはり熱いものがお互いにあるのでしょう。

二子:四宮米蔵、本因坊丈和、第11局、1822年(文政五年)1月7日


二子:四宮米蔵、本因坊丈和

実戦譜:黒22まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜:黒22まで

左上隅は、黒4とツケて高目定石が始まりましたが、黒8のマガリはハメ手と記憶していますが、私はすっかり忘れています。

とりあえず、黒22まで無難なワカれかと思います。


無難な立ち上がり

実戦譜:黒48まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜:黒48まで

白31に対して黒32はごっつい手ですね。

いかにも、「切るぞ!」と言っているようです。

普通は左辺を受けるところだと思います。

米蔵の気迫に押され白35と守りましたが、ちょっと重たく感じます。

軽く捨ててもよかったかもしれません。

黒38のシマリは守りではなく、攻めの意識が強いようです。

黒48まで、黒好調だと思います。


思わぬところから戦端

実戦譜:白69まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜:白69まで

黒60のワリコミの手筋で左辺の黒は生きてるのでしょうか。私はちょっと心配でありますが、私の心配をよそに局面は進行します。

白65シマリ、黒66ツメ、白67ツメ、黒68シマリからの白69!

凄いところから手をツケていきます。


全面戦争へ

実戦譜:黒98まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦譜:黒98まで

白69に対して、普通は立つか上ハネか下ハネですが、米蔵は70とぶつかっていきました。

黒90、92と戦闘民族です。

黒98は、形が良い手ですね。


お互いに治まる

実戦譜:白143まで


実戦譜:白143まで

お互いに戦闘を楽しんでいるようです。

黒142で二眼できました。

それを見て白143とつながりました。

形勢は、白が追い上げております。


激戦

実戦譜:白267まで

棋譜解説図(数字、記号入り)

実戦譜:白267まで

白157からの攻めで、上辺で大きなコウが発生しました。

白はコウの代償を下辺に求めました。

また、隅も白は先手でセキにしてしまい、大きな白267にまわりました。

形勢不明ですが、ヨセ勝負になれば、専門家に軍配が上がります。

この碁は、302手まで打たれ、白番の本因坊丈和の2目勝ちとなっております。

本局も激戦につぐ激戦でした。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

  • 最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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