秀策、秀甫、十番碁第7局

2024/08/31

09.古碁を楽しむ

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こんにちは。こんばんは。

ご訪問いただきありがとうございます。

管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ

今回は、「秀策、秀甫、十番碁第7局」をご紹介いたします。



本因坊秀策について

瀬越憲作先生のコメント

「秀策先生は、強力と読みの深さを奥深く蔵して、碁の複雑性を簡明にしている」


石田芳夫先生のコメント

「秀策先生の布石の骨子は、局面を簡明化し、先着の効を確実に維持させるところにある。これで勝てると見れば無理をせず、一番わかりやすい手を打つ」


李昌鎬(韓国の大棋士)のコメント

「私は一生かけても秀策先生には及ばないだろう」



瀬越憲作先生、石田芳夫先生のコメントにあるように

「碁の複雑性を簡明にしている」

勝てると見れば無理をせず、一番わかりやすい手を打つ

これが本因坊秀策の碁ではないかと思われます。

そうであれば、我々アマチュアとって最高のお手本となるのではないでしょうか。

本因坊秀策は「ヒカルの碁」の影響もあり、日本で特に有名な棋士のひとりとなりました。

これより、しばらく、本因坊秀策の碁を並べてみたいと思います。


黒:村瀬秀甫、白:本因坊秀策

黒:村瀬秀甫、白:本因坊秀策

文久元年十月五日、於三客庵、秀甫が定先の黒番です。

文久元年二月十九日を西暦にすると、1861年3月29日だとのことです。

ウィキペディアによると秀策のお誕生日は、文政12年5月5日(1829年6月6日)とありますので、現在の数え方だと32才となります。

秀甫は秀策の9才年少の弟弟子であります。

この頃、秀策と秀甫は、「坊門の竜虎」、「碁界の圭玉(けいぎょく)」と称されていたとのことです。

秀甫が六段昇段の機会に弟弟子を鍛える意味での本因坊秀策との十番碁が実現いたしました。

この十番碁の戦績は、秀甫(定先)の6勝3敗1持碁となっております。

【参考譜】

今回ご紹介するのは、秀策、秀甫の十番碁の第7局です。


急所のツケ黒21

実戦図:黒21まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:黒21まで

黒11、15、21と秀甫の厳しい攻めが序盤で一本取った形となりました。


黒模様での攻防へ

実戦図:白44まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白44まで

白22のコスミツケに対して、現代なら黒23はケイマに外すところでしょう。

黒41と裏カカりから黒43と一間トビで下辺に黒模様ができました。

すかさず、白44のカタツキから秀策は模様を消しにいきます。

早くも勝負所です。


師匠の秀和の指摘

実戦図:白76まで

棋譜解説図(数字、記号入り)
棋譜再生

実戦図:白76まで

秀甫の猛攻が始まりますが、突然の転進の黒69でした。

黒69で75と出ても白76でしょうか?

そうであれば、右辺を止めて黒十分のように思えます。

秀甫の回想
「白50の時は秀策種々考慮を費やして早く白の三子を治まる工夫めぐらしたれども、ついに好手段を得ずしてかく打ちしに、局を終えるに及んで先師本因坊秀和臨みていわく、白75のところにケイマに打つを善とす。常にはなき筋なれどここに在りてはすなわち形なりと。秀策これを聞きて覚えず膝を打ちて大いに感せり」

「白もし50の手、先師の評する如く75のところへ打ちしならば此の局の勝負は容易に決し難かるべし」

この後、秀策は猛追いたしますが一歩及ばずでした。

この碁は、252手まで打たれ、黒番の秀甫の1目勝ちとなっております。

第7局までの成績は、秀策の2勝4敗1持碁となっております。


  • 総譜は、こちらより、つぶや棋譜2 Viewerで、ご確認ください。
  • 手順は、図の左下にある青文字の「棋譜再生」でご覧いただけます。
  • つぶや棋譜2 Viewer左上にある「自動再生」にチェックで再生致します。
  • つぶや棋譜2 Viewer碁盤の下にある「NUM」で手順が表示されます。

  • 最後までご覧いただきありがとうございました。
    よろしかったら、ご感想などをコメントでお聞かせください。



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