黒:藤沢朋斎、白:杉内雅男
第5期早碁名人戦挑戦手合い三番勝負第3局の紹介です。
1960年10月6日、東京・青山「桜花」にて対局が行われました。
第1局、第2局は、共に先番を入れての1勝1敗。迎えた決勝の第3局であります。
黒:藤沢朋斎、白:杉内雅男(4目半コミ出し)
早碁の持ち時間は各4時間
早碁と言えば、「一手30秒、ただし1分以内の考慮時間が10回」のNHK杯ルールが真っ先に思い浮かぶことかと思います。
この早碁名人戦は、1956年に第1回が開催され、持ち時間が各4時間とあります。
現在の国際棋戦の持ち時間が3時間ですから、それよりも多い早碁なのであります。
当時のリーグ戦が、持ち時間10時間の二日制であったため、当時の感覚では、4時間はとても短かったのでしょう。
囲碁もファン獲得の為の努力が必要
現在は、スポーツにおいても時間の短縮、ファン獲得のための試合のスピードアップを目的にルールの変更などを積極的に行っております。
囲碁においても、ファン獲得のための何らかの策をどんどん出していかないとファン離れ、そして、縮小、衰退となることが予想できますので、関係者のみなさまには知恵を出しあってがんばってほしいと切に願います。
黒:藤沢朋斎、白:杉内雅男(4目半コミ出し)、左図:黒13まで、右図:白28まで
ユニークな布石
(左図)
白の上辺の構え、白の目外しに対して、黒11の三々、また、黒11に対しての白12と珍しく、また、面白い布石となりました。
(右図)
白28(H4)まで、右下隅で黒が一本取り、解説では、「立ち上がり、早くも黒が打ちやすい碁になったようである。」とあります。
白18(O4)をAIの一手(無料のAI)は悪手、-2.6目としました。解説でも白18の変化図を示していたので、それを次図に示します。
左図:白18の解説の変化図、右図:黒15のAIの一手の参考図
勉強になる参考図
(左図)
解説では、白1のケイマから黒12を示し、「やはり黒の動きが勝る。」とありますが、この進行はAIの一手の参考図と全く同じ進行でした。
(右図)
少し手順を戻します。黒13とコスミ出て、白14に対し、黒15は自然な手順に見えます。
この黒15で、AIの一手が示していたのがこの右図の黒1であります。
黒1は、私には盲点となっていました。
この黒1からの進行は、形がきれいだと思います。白2の受けもおしゃれです。
私にとって、この参考図は、とても勉強になりましたし、身に着けて、早く実戦で使いたいと思いました。
左図:実戦、敗着の白92まで、右図:AIの一手の参考図
敗着は、白92
(左図)
解説によると、白92(S7)のオサエが最後の敗因らしいとあります。
この手では、右図の白1と隅の黒に迫るのがおもしろかった。と解説にあります。
解説の白1の変化をAIの一手に示してもらいました。
それが右図になります。
(右図)
白1に黒2と押して、黒4とトビ、白5と受け、白7までをAIの一手(無料のAI)が示してくれました。
これは、双方、形が自然できれいです。
なるほど。この進行であれば、形勢は、ほぼ互角。細かい碁のようです。
この碁は205手まで打たれ、黒の中押し勝ちとなっております。
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