こんにちは。こんばんは。
ご訪問いただきありがとうございます。
管理人の柿門です。(。・(エ)・。)ノ
今回は、「第72期 王座戦 五番勝負 第4局(2024年12月6日)」をご紹介いたします。
72nd Championship Game 5th Match 4th Game (December 6, 2024)
湯飲み格言「石を捨てて地を取れ」
第72期王座戦第4局
井山 裕太(王座)に芝野 虎丸(九段)が挑戦する、第72期王座戦五番勝負の第4局が12月6日に神奈川県秦野市(はだのし)鶴巻温泉「陣屋」で行われました。
陣屋さまの「松風の間」では、囲碁、将棋の数々のタイトル戦が行われてきました。
昨年も王座戦第5局(井山vs余正麒)が行われております。囲碁界及び将棋界がとてもお世話になっている老舗旅館であります。
また、将棋の升田幸三先生の「陣屋事件」はつとに有名でございます。
ご関心がおありでしたら、リンク先に「坂口安吾 升田幸三の陣屋事件について」がありますのでご一読ください。
まぼろしの「陣屋カレー」も有名ですね
井山 裕太(王座)は、四連覇を目指します。
対する挑戦者は、芝野虎丸(九段)です。
両者は今年の十段戦でも激突しており、2勝3敗の戦績で、井山さんが十段のタイトルを芝野さんより奪取しております。
今回は芝野さんが挑戦者なので、是が非でもリベンジしたいところです。
七大タイトルの保持者
王座戦は、囲碁の七大タイトルのひとつであります。七大タイトル以外のNHK杯や新人王戦なども「タイトル」でありますので、タイトル数には含まれることになります。
七大タイトルの序列は次のとおりです。
1位:棋聖(4300万円、二日制、七番勝負、持ち時間各8時間)
2位:名人(3000万円、二日制、七番勝負、持ち時間各8時間)
3位:王座(1400万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
4位:天元(1300万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
5位:本因坊(850万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
6位:碁聖(800万円、五番勝負、持ち時間各4時間)
7位:十段(700万円、五番勝負、持ち時間各3時間)
2024年11月末現在の七大タイトルの保持者は次の2名であります。
一力 遼 (棋聖、名人、天元、本因坊)
井山 裕太(王座、碁聖、十段)
お二人で七大タイトルを分け合っています。
10月31日に一力さんが芝野名人より「名人位」を奪取いたしましたので、芝野さんは無冠となりました。
井山 裕太さんのご紹介
井山裕太さんは1989年生まれの35才。
現在のタイトル総獲得数は76で歴代1位であります。
20才で名人位についてからは、破竹の快進撃を続け、井山1強時代を築きました。
日本囲碁史上初の七冠(棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段)独占を2度も達成しております。
また、年間グランドスラム(その年の七大タイトルをすべて独占)という快挙も達成し遂げております。
日本囲碁史に燦然と輝く記録であることは、間違いありません。
一時代を築いた井山さんでありますが、30才を超え、現在は、令和三羽ガラス等、新時代の挑戦者から、必死の防戦を繰り広げております。
井山さんは5才のときにテレビゲームで囲碁を覚えたとのことです。
芝野 虎丸さんのご紹介
芝野虎丸さんは1999年生まれの25才。
芝野さんは、入段から史上最短での全棋士参加棋戦優勝、史上最年少での七大タイトル獲得、名人戦リーグ入り、本因坊戦リーグ入りするなど、たくさんの最年少記録を打ち立て、デビュー当時から注目の逸材でありました。
なかでも、2019年に史上最年少(19才11か月)で名人を獲得後、すぐに井山さんから王座のタイトルまで奪い、20才で二冠を達成したときには碁界に衝撃が走りました。
名人、王座、十段など、数々のタイトルを獲得し、総タイトル獲得数は、現在12と三強の一角として、活躍されております。
虎丸さんは、「ヒカルの碁」のファンだったご両親の影響で、5才くらいのころから囲碁を始めたとありました。また、一力遼さんや藤沢里菜さんといっしょの「洪道場」の出身であります。
虎丸さんはデビューがとても華々しかったのに比べ、最近は少し伸び悩んでおられるような印象を私は受けます。世界をも狙える逸材と信じておりますので、もう一段の高みを目指してがんばっていただきたく思っております。
アンケート総得票は6票
先に実施した投票アンケート(応援するのはどっち?)の結果をお知らせいたします。
得票総数:6票
井山裕太さんを応援:0票(00.0%)
芝野虎丸さんを応援:2票(33.3%)
どちらもがんばれ!:4票(66.7%)
目標の10票が遠いです。もっとがんばらないと票は伸びませんね。
ご投票をしていただいた皆さま、ありがとうございました。
井山さんは、この王座戦は通算9期。通算10期取ると名誉称号を得ることができます。また、2度目の四連覇を狙っています。
黒:井山裕太、白:芝野虎丸
現代は、布石で時間を使うことがありません。
限られた持ち時間を中盤、終盤に残すように序盤は早いです。
お二人が対局の挨拶をして、わずか3分で9手進行しました。
左上隅も右上隅も昔からあり定石ですね。
ここまでは、アマチュアにも打てそうな布石です。
序盤でいきなりのどんぱち
芝野さんは、白18カケから、いきなり20、22と出切りました。
井山さんも黒29出、33キリとバチバチにやり合います。
こんな手段があったとは知りませんでした。
私はどちらを持っても恐くて打てない展開です。
一気に決着がついてもおかしくない展開になりました。
黒33まで、絶芸(最強AI)の評価値は互角です。
早くも黒優勢に
白38アテが大きく評価値を下げました。
右上隅白7子を取ったのは大きく、白46までの評価値は、黒90.7%となっております。
地合い先行は、井山さんの得意パターンでもあります。
絶芸の先制攻撃
絶芸先生は、実戦の白38のアテで、上図の白38コスミツケを示しました。
すぐに左上黒一団への攻めを見た方がよかったようです。
白5は味付け海苔でしょうか?よく分かりませんが、この参考図で、白45.0%でした。
焦点は白の攻め、黒のシノギ
地合いで先行された芝野さんは、左上黒一団へ猛攻を仕掛けます。
この攻めで、どれだけの利益を上げられるかが勝負のポイントとなりました。
自分が黒であれば、生きた心地がしませんね。
激戦の終り
実戦図:黒179まで
実戦図:黒179まで
白は懸命に寄り付こうとしていました。
黒131までの評価値は、黒90.2%
黒135までの評価値は、黒77.5%
黒137までの評価値は、黒52.7%
ここからは一進一退でした。
黒163までの評価値は、黒70.6%
黒165までの評価値は、白58.7%
黒167までの評価値は、白94.0%
白はここで放り込まれてのコウ防ぐ179ツギ、または、117の石をトリがよかったようです。
黒177までの評価値は、白95.0%
白178までの評価値は、黒91.7%
そして、黒179とコウを仕掛けたのが勝着でした。
この碁は、193手まで打たれ、黒番の井山さんの中押し勝ちとなっております。
井山さんがシリーズを3勝1敗でタイトルを防衛しました。
これで、井山さんは、王座のタイトル獲得通算10期となり、名誉王座の資格を得ました。また同時に四連覇を達成いたしました。
そして、総タイトル獲得数は77となり、趙治勲先生を抜いて、単独での歴代1位となりました。
井山さん、おめでとうございます。
まだまだ、井山さんは強いです。総タイトル獲得数100を目指してがんばってもらいたいものです。
芝野さん、お疲れさまでした。
名人戦、天元戦、そして、この王座戦とスケジュールがとてもタイトでした。
その影響か、なかなか波に乗れず、無冠となってしまいましたが、来年の巻き返しを期待しています。
(。・(エ)・。)ノ↓ランキング参加中、ポチ応援をいただけると励みになります。
マイナビ 天頂の囲碁7 Zen(対応OS:その他) 目安在庫=△ |
基本布石事典(下巻)新版 星、小目、その他 [ 依田紀基 ] |
ヒカルの囲碁入門 ヒカルと初段になろう! [ 石倉昇 ] |
ひと目の詰碁 (マイナビ囲碁文庫) [ 趙治勲 ] |
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントありがとうございます。
大切に読ませていただきます。